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E n g l i s h H e a r t

―イギリスの心―


  このページでは、イギリスで在外研究をされている中村先生からのお便りを紹介していきます。早速ですが、第一弾をご紹介します。


  
イギリスの心(1)品評会  

  8月初旬、イギリスに着いてしばらくハンプシャの片田舎の友人宅に泊めてもらって いた。その間に、村の園芸品評会(Flower Show)が開かれ、家庭菜園の花や野菜の できのよさを競うらしいのだが、「お菓子の部」などもあって、友人に唆されて私も 「ケーキの部」にエントリーした。

  課題は「レモンのしずくケーキ(Lemon Drizzle Cake)」。指定されたレセピ通りに 作って出品する。不思議と同じに作って同じオーブンで焼いても窯変するらしく、友 人と私のでは焼きあがりが違っていた。焼きあがったケーキにレモンの汁を二個分、 これでもかこれでもかと滴るほどにかけて染み込ませる。かくて出来上がったのを匿 名で出品すると、当日ジャッジがやってきて、ナイフの入り具合、レモンの染み具 合、味などを試して、一等、二等、三等を決めていく、という凝りようだ。

  野菜の部などは、ジャガイモ、キュウリ、トマト、ニンジンなど、それぞれに部があ り、一番長いマメの部とか、最も大きく粒ぞろいのタマネギの部とか、どの部もなか なかの激戦。毎年エントリーするのは村の常連なので、ライバル意識旺盛で、上辺は 楽しんでいるような顔をして、内心は激しく競って燃えている。この村では、ありと あらゆる野菜部門でボブとジェームズがいつも一位・二位を争う宿敵なのだ。



  さて「レモンのしずくケーキ」の部であるが、友人や私の飛び入りで、予想外の展開 となった。友人の談では、例年この部は出品者が少なく、ヴェラ、アン、クレア、と いったオバちゃん三羽烏が仲良く入賞するらしい。ところが今年は6名のエントリー があり、競争率は倍増、オバちゃんたちの顔が微笑みながらも引きつっていた。結果 やいかに?一位ヴェラ、二位アン、そして三位は、なんと私だったのだ。



  なんともあほらしい瑣事(trivia)をめぐってではあるが、そんなことにも淡然とし て熱い勝負精神と公平なジャッジを失わないイギリス人の心に触れた一日であった。



(2003. 9. 4記)