最終更新日 2002年11月02日 UP
第10回
第10回 日本シリーズに見える、今後のプロ野球。
4勝0敗。このような結果に終わると予想した人はいるだろうか?2チームともそれぞれのリーグを圧倒的な強さで独走して優勝しただけに、誰もが驚いたに違いない。
巨人は確かに強かった。4戦までに先発した4投手が先発としての役割を、十分いやそれ以上に果たした。もちろん打線が大量得点をたたきだしてくれたおかげもあるが、4人の先発投手が西武先発人より早くマウンドを降りることはなかった。
一方の西武はどうか?投手陣が崩壊し、大量失点。打線も期待の和田、高木浩らが機能せず、シーズン中に見られた姿はそこになかった。ましてや2戦目終了後に監督が部下であるはずの4番カブレラから堂々と批判をあびてしまった。「マクレーン、和田を使わないときつい。」などなど。
新聞、あるいは解説者による西武”大敗因”の原因の最大のターゲットは指揮官、伊原監督である。松坂の起用法。第4戦の西口交代のタイミング。打者松坂の第1戦、7番起用。第3戦高木浩のスタメン落ち。その他の戦術面、などなど伊原監督の批判集中が世の”はやり”である。私自身、先発投手の順番、作戦、松坂起用法、打線の組み方(6番佐藤友起用)など、批判したいことは山ほどある。しかし、勝負の世界において「あぁしていれば良かったのではないか」などの「タラ、レバ。」は言ってはいけない言葉である。ましてやリーグを独走した監督を「タラ、レバ。」で安易に批判すことなどよほどの根拠がない限りできないことだと思っている。
果たして西武”大敗因”は伊原監督だけなのだろうか?いやっ、そんなはずはない。このシーンをご存知の方は山ほどいると思う。第3戦西武はカブレラのタイムリーで今シリーズ初めて先制点を奪った。しかし、すぐに西武先発張がカウント0−3から清原にど真ん中(やや高め)のストレートを投げ本塁打を打たれる。さて、問題はここにある。この清原に打たれた本塁打について西武の張はなんとコメントしたか知っている人はいるだろうか?「四球より真っ向勝負をしたかった。打たれてかえってスッキリした。」。このコメントが表すこと。その「スッキリした。」というのはいったいどういうことなのだろうか?張は巨人の主砲清原に対して「打たれても良い。」という気持ちが1%でもあったのだろうか?それは野球ファンとして納得できない。「100%打ちとってやる!」というのが真の投手ではないのだろうか?私にはこの発言「スッキリした」と言うのが、自分(張)の(自信のある)ストレートを試して(清原に)打たれたのだから、「(本塁打は)仕方がないこと」と言っているとしか聞こえない。日本シリーズと言う場を自分(張)対清原の個人と個人の対決の場としか考えてないようにしか聞こえなかった。
さらに第3戦。その試合での二岡の満塁ホームランは誰でも知っていると思うが、その直前にこんなプレーがあった。1番清水が満塁でセンターライナー。巨人の2塁ランナーが間違えて飛び出してしまう。しかし、西武のセンター佐藤友はライナーをとるとすぐに”それ”を見ずにバックホームをしてしまう。2塁に投げていれば・・・・・。と誰もが言う。センターの佐藤友のミス。ここまでは仕方がない。しかし、その後驚くべき光景がテレビにうつる。目を疑った。どう考えてもその時投げていた三井が”キレてる”。言葉ではその時の三井がうまく表現せないが、態度に出ている。この時、私は西武と言うチームの体質を疑ってしまう。目に見えないエラーに怒る投手・・・・・。まぁそれが次の打者、二岡に打たれたかどうかはその三井にしか分からのないだが・・・・。
野球の試合とはチーム対チームの戦いであって、個人対個人、四番対四番あるいはエース対エース戦いではない。この考え方ができたかどうかが今回の勝敗に差を作った気がする。エースは西口か松坂か?、4番カブレラの監督批判、チーム内の”内紛”。こんなことをやっていてはとうてい勝てない気がするのだが・・・。
しかし、西武にも気の毒な点がある。巨人が強すぎる。それは何か?選手の力の差である。巨人と言うチームに”まともなドラフト”で入ったのは清水、松井くらい。FAで清原、工藤、江藤”など”を補強、逆指名で仁志、阿部、高橋尚、その逆指名のなかで、他球団入りを口にしながらも巨人入りした上原(地元阪神入りもあった)、高橋由(野村ヤクルトが有力視)、二岡(地元広島が有力)が大逆転で巨人に入団。果たしてこうやって入団した選手が果たしてどれくらい今の西武にいるのだろうか?ドラフト、FA、トレードで。
たった今、私はドラフト、FA、トレードにおける巨人のやり方を批判したように見えるが、そうではない。巨人と言うチームはすべて”ルール”のなかで優勝するためにどうしたらいいのかを考え、”大型補強”をしたわけなのだから、ルール上何も批判することはない。他のチームにも平等であるはずのルールのもとで補強したのだから。むしろ大型補強は正しいのかもしれない。野球というスポーツ、いやっ、その他のほとんどのスポーツは有能な選手がたくさん集まれば、集まるほど勝てる”可能性”が高いのであって、巨人の補強策は明らかに正しい。それがどんなに批判を浴びようが最終的に勝ったものが優勝なのだから。「野球というスポーツの戦術と言うものは出尽くした感がある。」、と野村克也氏は言う。(02年10月31日発行サンケイスポーツ)
02年11月01日。突然の巨人松井のメジャー移籍宣言。巨人としてはショックに違いない。”実質”初めての巨人からの大物選手退団。(過去には駒田が落合獲得の余波でFA宣言で横浜に移籍したことはある。)この松井移籍の後巨人はどうするのか?中村ノリ、ペタジーニ、金本。これらの大物を”例のごとく”獲りに行くのか?獲りに行くなら行っても良い。ルール上全く間違ってない。補強を考えることはどんな場合でも球団としてあたりまえなのだから。
いずれにしろ大物獲得競争は結局セリーグによるマネーゲームになるのではないか?パリーグは全体としてそんな大型補強をしなくても勝てる。セリーグの”ドラフトのおこぼれ”にマヨネーズでも加えれば優勝できるのだから。宿敵巨人に勝つための補強と予算を考えるセリーグ、いかに予算を削減していかに優勝をするにはどうしたら良いかを考えるパリーグ。今こそ、その格差を唯一変えることができる”ルール”を見直す時期に来たではないのだろうか?ルールと言う唯一の”救世主”を考えなければ結局来年の日本シリーズの結果が見えて来る。そう考えるのは私だけだろうか?