2002年9月



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9月30日

 あっという間に9月も終わり10月に突入しようとしています。と同時にこのHPも更新している時としていない時があまりもはっきりしていると感じ始めました。
 とにかく、授業や研究会、研究と忙しくなりそうですが、はりきっていこうと思います。で、新刊です。丹宗暁信・岸井大太郎編『独占禁止手続法』(有斐閣、2002年)ですね。去年の学会シンポのテーマをさらにつっこんだという感じでしょうか。偶然にも「エンフォースメント」のテーマで授業をどのように構成していこうかと悩んでいた矢先の公刊に感謝感激です。他にもいろいろとありますが、また後日(いつになるのか・・・)。

9月18日

 航空関係は今年特に盛況です。情報収集のみに徹します。先日のANAとエア・ドゥの提携に対してJJ連合も共同運航検討中とか。「向こうが認められたのだから、うちも」の論理だそうで。次に、KLMがエール・フランスとの戦略的提携で「スカイチーム」への参入も。一方で、国内航空競争は価格競争突入の様相を呈してきました。値下げ合戦ですね。国交省は、新規会社等の参入を期待する意味でも競争環境プログラム公表とか・・・法律的にはやはり提携関連でしょうか。

9月17日

 雨・雨・雨・雨・・・です。洗濯物にとってはたまりませんが、乾燥に弱い私には適切な湿度のようです。
 航空関係でも国交省が届出制価格の届出順とかの公表、ファシリティーの開放や優先的割当という解答を用意しているらしいですね。価格への是正命令等の対応は現実的にも無理があるかもしれませんが、一番の参入障壁とも理解できる発着枠とファシリティーのセットでの何らかのルールづくりが「競争政策」主導での必要性があるかもしれません。
 そんで、エア・ドゥとANAの業務提携ですか。座席買取などのコードシェア、CRS利用、整備等委託契約・・・エア・ドゥという新規の重要性を考えての判断も含めたんでしょうね。独自の価格設定といっても、座席の買取方式だと同じ便の座席に2社の異なる価格がくることになるんですか?イールド・マネージメントかどうなんか?
 また、日立製作所によるインターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーションのHDD事業の統合もあります。3.5インチと2.5インチのそれぞれのHDDの主な用途を「一定の取引分野」として、統合によりそれぞれ第二位・第一位となるが、HDD需要者(ユーザー)の価格交渉力、パソコンメーカー等への価格公表をしていない等HDDメーカー間の協調的価格設定困難、HDDの各製品間の類似性からHDDメーカーの他種類への参入容易、それぞれの市場における参入圧力と有力な競争業者の存在が総合的に考慮され、「競争の実質的制限」にはならないとされた。しかし、パソコンという製品との関連性が極めて強い当該製品などに対する理解はパソコンとの関係やパソコン自体の市場の特性の言及も必要かもしれないということで複雑になりそうですね。

9月12日

 総合規制改革会議による重点審議事項のとりまとめがあります。関連分野としては、現時点では公正な競争を確保できる体制が不十分であるとの認識から、公取委の権限強化の一つとしてのカルテルに対する「制裁」強化と、産業分野ごとの公取委の補完機関の設立が挙げられます。課徴金にからむ「制裁」を刑事との関係でもどのように設定するかは、現在の法律の枠組みの変更という形で行うことは法案通過との絡みで大問題でしょうし、いわゆる業法スペシフィック機関も権限・管轄・協力関係で論点は多岐にわたると思われます。欧州における欧州レベルと加盟国レベルのそれぞれの規制機関の関係等は「おもしろい」と聞いたことはありますが。
 追加というか、思いっきりの見落としです。上のとりまとめに農協の独禁法適用対象化という話もありました。

9月10日

 航空関係の話が続きます。全日空がJJにエンドース契約を拒否されたことで回数券値下げを行うという、とうとう価格・サービス競争が激しくなってきてしまいました。ダブル・トラックのANAとJJ競合路線以外にもいろんな形での競争が今後波及するんでしょうね。また、NTT東西が長距離への参入を申請するとか。う〜〜ん。動きが早すぎます。
 ところで、留学先のロースクールからLLMプログラムのポスターとパンフレット・ブローシャーが届きました。知った顔が結構あって、あの時を思い出します。「もう二度とこんなことできるか」と当時は思っていましたが、今となっては「もう一度・・・」と思うのは「記憶力の欠如」なのでしょうか。
 前にもご紹介しましたが、Charles J. Goetz & Fred S. McChesney, Antitrust Law: Interpretation and Implementation 2nd ed. (2002)は、私にとっては非常にユニークな構成をしているケースブックだと思います。ケースといろんな論文をそれぞれの項目毎に整理してあるのは他と一緒なのですが、第一章レベルにおいて反トラスト法の全体像、すなわち、独占、垂直的制限、合併、カルテルなど主要な反トラスト法の事件紹介による把握を行っているという点です。これは導入部分としては有益だと思います。もうちょっと吟味していきたいと思います。ちなみに、本書の著者によるホームページもあるのでさらにさらに便利でしょうね。

9月9日

 全日空が中国国際航空との提携を行うようです。よく、航空会社間でのコードシェアやマイレージの共通化、ワン・ワールドなどの複数航空会社間の提携はオープンスカイ政策ともあいまって行われているようですが、これでまた航空業界に大きなうねりが起きそうですね。また、オープンスカイ政策は米国、欧州を中心に二国間条約という形を基本に浸透しているようですが、アジアにもそのような傾向が生まれるのでしょうか。オープンスカイ政策といってもその内容は二国間条約という形で具体化されており、一言では定義づけできませんが、需給調整条項の適用廃止等、両国間での航空会社の発着をより自由に行うことを基本に広がっているようです。もちろん、独禁法との絡みはより強くなります。

9月8日

 新刊です。荒井一博著『教育の経済学・入門』(勁草書房、2002年)です。「公共心の教育はなぜ必要か」を副題にして、「人的資本論とシグナリング理論」を土台に公共心の重要性を説いています。著者も指摘しているとおり、従来の教育の経済学では公共心は考慮されていないとされ、その点本書はとても特徴的であるといえます。このところ、「信頼・信用」、「公共性」等の概念が社会科学全般にわたって重要視されはじめてきたことはどのような傾向を表すのでしょうか。

9月5日

 今日の朝刊のほとんどに公取委の大手航空会社による対抗値下げの独禁法上の問題についての調査開始が報道されています。99年とは業界の様相がガラリと変わっているのでどのような判断があるいは経過を経るのか興味深いです。また、ナップスターがChapter11の適用ではなく7の適用を受ける可能性という報道も。まあ再生元もあのような状態なら仕方がないのでしょうか。avexが赤字に至ったのもこのような音楽ファイル交換によるものだということですが、ナップスターがなくとも他にこのようなサイトが存在する以上、法的議論の必要性は日々強くなっていくと思います。

9月4日

 昨日は夜に八尾(やつお)の風の盆まつり最終日に行ってきました。駅から往復1時間強歩きましたが、街中は灯篭と人と踊りで溢れかえっていました。お寺の境内での踊りや道路での踊り・・・小規模と思っていたのですがかなり大きな祭りで、全国から観光客が来ているようでした。写真等は後日整理できれば・・・

9月2日

 現在の規制改革の一角を担っている重点領域の一つでもある教育と医療は大きな転換点を向かえています。両者に共通する直近の課題の一つは「競争」であることに異論はないように思います。このような事象はすでに米国が1980年代から経験しており、「競争」と医療や教育の関係は、競争政策の重要な一部となっています。もっとも、これらの分野が通常と呼ばれる産業分野とも異なっていることについても異論はないようなので、この点が法律判断でどこまで考慮・組入れされるかが論点の一つとなるでしょうか(続く・・・かな?)。

9月1日

 一昨日からのまたまた続きです。スカイマークエアラインズのホームページでは新聞記事とは少しニュアンスの違う主張をしているようです。公取委が率先してスカイネットアジアの件では調査を開始したことに対して、大手との競争的関係では新規参入者として後者の方が優位にたっている(路線、便数等の比較から)ということから、前者が以前より調査要請を行い、現在も追加資料の提出を求められ、いまだに調査を開始しないことは前者を不当に取扱うものとして公取委にその点を問うもののようです。
 外は38度を超えているようです。確かに外は息苦しいほどの熱さです。立山の峰峰はこのうえなくくっきりと綺麗に見えるのですが・・・