第12章


第107条
使用者は、各事業場ごとに労働者名簿を、各労働者(日日雇入れられる者を除く)について調製し、労働者の氏名生年月日、履歴その他厚生労働省令で定める事項を記入しなければならない。(以下略)


製陶業における焼成工にして数事業場の焼成に順次就労する場合、その雇用が、通年雇用の形式で定期的にあらかじめ定まっている場合には、日日雇入れられる労働者ではないので、労働者名簿及び賃金台帳を備え付けなければならない。



第108条
使用者は、各事業場ごとに賃金台帳を調製し、賃金計算の基礎となる事項及び賃金の額その他厚生労働省令で定める事項を賃金支払の都度遅滞なく記入しなければならない。


平均賃金又はその100分の60を支払った場合は手当欄に「休業手当」、「有給休暇手当」等と記入する。

年次有給休暇の日数及び時間数は実際に労働に従事した日数及び労働時間数とみなして夫々該当欄に記入しその日数及び時間数は該当欄に別掲して括弧で囲む。

宿日直勤務は手当欄に宿直又は日直手当として記入、各々その回数を括弧をもって囲み金額欄に附記する。

組合事務専従者が当該組合に使用され賃金を支払われている労働者であれば賃金台帳は当該組合にも備え付けられなければならない。

賃金台帳の必要記載事項を分割別紙に記載した数冊の賃金台帳とする場合には、同一労働者について賃金台帳記載事項に関し、総合的に監督しうるものならば差し支えない。



第115条
この法律の規定による賃金(退職手当を除く。)、災害補償その他の請求権は2年間、この法律の規定による退職手当の請求権は5年間行わない場合においては、時効によって消滅する。


休業手当、災害補償等は労働者の請求の有無に拘わらず使用者において当然に支払うべきものであるからその支払をしない事実をもって違反が成立し、この事実に対しては時効により労働者の請求権が消滅しても刑法の一般原則に従って罰則の適用がある。

できるだけ年度内に年次有給休暇を取らせる趣旨で「年次有給休暇は翌年度に繰り越してはならない」旨就業規則に定めることは差し支えないが、かかる条項があっても年度経過後における請求権は消滅しない。

年次有給休暇請求権についての時効中断の事由となる使用者の承認には勤怠簿、年次有給休暇取得簿に年次有給休暇の取得日数を記載しているのみでは足りぬと解する。

法第20条に定める解雇予告手当は、解雇の意思表示に際して支払わなければ解雇の効力を生じないものと解されるから、一般には解雇予告手当については時効の問題は生じない。