第3章
第24条
賃金は、通貨で、直接労働者に、その全額を支払わなくてはならない。ただし、法令もしくは労働協約に別段の定めがある場合又は厚生労働省令で定める賃金について確実な支払の方法で厚生労働省令で定めるものによる場合においては、通貨以外のもので支払い、また、法令に別段の定めがある場合又は当該事業場の労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がないときは労働者の過半数を代表する者との書面による協定がある場合においては、賃金の一部を控除して支払うことが出来る。
労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてその労働組合との書面による協定(労働協約)が失効中、年末賞与の如き賃金からその一部を控除することは本条違反。
一部労働者の争議行為の場合当該争議行為により全然影響を受けない作業に従事する労働者の賃金を一律に差し引くことは本条に違反する。
賃金の一部控除については、控除される金額が賃金額の一部である限り控除額についての限度額はない。なお、民法第510条及び民事執行法第152条の規定により、一賃金支払期の賃金又は退職金の額の4分の3に相当する部分(退職手当を除く賃金にあっては、その額が民事執行法施行令で定める額を超えるときは、その額)については、使用者側から相殺することは出来ないこととされているので留意されたい。
新給与決定後過去に訴求して賃金を支払うことを取り決める場合に、その支払対象を在籍者のみとするかもしくは退職者を含めるかは当事者の自由。
![]()
第26条
使用者の責めに帰すべき事由による休業の場合においては、使用者は、休業期間中当該労働者に、その平均賃金の100分の60以上の手当を支払わなければならない。
法人解散のためにした即時解雇であっても予告手当てを支給しなければ無効であるから、その支払日までの間は休業手当の支払義務がある。
労働組合が争議行為をしたことにより、同一事業場の当該労働組合員以外の労働者の一部が労働を提供しえなくなった場合に、その程度に応じて労働者を休業させることはさしつかえないが、その限度を超えて休業させた場合には、その部分については、使用者の責に帰すべき事由による休業に該当する。
スト解決後操業再開する場合において、作業工程が長工程の流れ作業であるため、通常経営者としてなしうる最善の措置を講じてもなお労働者を一斉に就業せしめることが困難であることが客観的に認められる場合は、その限度で労働者を休業させるかぎり休業手当支払義務はない。
労働者側の争議行為に対抗する使用者側の争議行為としての作業場閉鎖は、それが社会通念上正当と判断されるかぎり、その結果労働者が休業のやむなきに至っても、休業手当支払義務はない。
1週のうちある日の所定労働時間がたまたま短く定められていても、その日の休業手当は平均賃金の100分の60に相当する額を支払わなければならない。また、1日の所定労働時間の一部のみ使用者の責に帰すべき事由による休業がなされた場合にも、現実に就労した時間に対して支払われる賃金が平均賃金の100分の60に相当する金額に満たないときには、その差額を支払わなくてはならない。