第8章


第81条
第75条の規定によって補償を受ける労働者が、療養開始後3年を経過しても負傷又は疾病が治らない場合においては、使用者は、平均賃金の1200日分の打ち切り補償を行い、その後はこの法律の規定による補償を行わなくてもよい。


療養開始後3年の期間は次の通り計算する。@負傷、疾病の当初より引き続き療養継続中のものについてはその療養を始めた日より起算する。Aもし療養を一応中止した後再び療養をうける場合においては、その療養を受け得る期間は最初の療養日より起算して現実の療養を受けた期間のみにつきこれを通算する。なお当該療養を自己の意思によって中断した場合はその中断期間は右の3年間の期間に含ましめるべきである。

打切補償によって将来免れる「この法律の規定による補償」とは、療養補償のみであるか或いはその他の補償もすべてその義務を免除されるかについては、打切補償とは業務上の負傷又は疾病に対する事業主の補償義務を永久的なものとせず療養開始後3年を経過したときに打切補償を行うことによりその後の事業主の補償責任を免責させようとするものであるから、一旦打切補償を行えば療養及び休業補償は勿論、障害を残した場合の遺族補償又は死亡した場合の遺族補償並びに葬祭料を支給する必要はない。



第82条
使用者は、支払能力のあることを証明し、保証を受けるべき者の同意を得た場合においては、第77条又は第79条の規定による補償に替え、平均賃金に別表第3に定める日数を乗じて得た金額を、6年にわたり毎年補償することが出来る。

分割補償の第2年目以降の支給の始期は毎年その起算日に応当する日である。



第85条
業務上の負傷、疾病又は死亡の認定、療養の方法、補償金額の決定その他補償の実施に関して異議のある者は、行政官庁に対して、審査又は事件の仲裁を申し立てることができる。(以下略)

監督署長の行った労働基準法第78条の認定そのものに対する不服でない場合、例えば行政官庁の認定に従って使用者が災害補償を実施しない場合に労働者が本条の審査または仲裁を申し立てることを妨げるものではない。