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○朝日新聞(2002年7月19日)ゆとり教育の反動?補習や特別講座で学校の夏休み短く
○朝日新聞(2002年7月14日)来春の高校入試内申書、7割の都道府県で絶対評価採用
○朝日新聞(2002年7月9日)少人数学級と複数指導、中学校74%、小学校46%実施
下記に要旨とコメントがあります。
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○読売新聞(2002年7月9日)先生の「夏休み」消える?
○朝日新聞(2002年7月8日):教員採用、強まる「人物重視」面接に知恵絞る教委
○ル・モンド(2002年7月4日):今日の優先事項←現フランス国民教育大臣による大学教育論
○朝日新聞(2002年7月19日)ゆとり教育の反動?補習や特別講座で学校の夏休み短く
「子どもたちが待ちに待った夏休みが始まる。でも、今年は少し様子が違う。休み中に補習や特別の講座を設けたり、休みを短縮したりする公立校が各地で増えているからだ。背景には、今春からの新学習指導要領をめぐり「学力問題」が浮上したことがある。学力向上だけでなく、新指導要領の大きな柱である「生きる力」を養うというところもある」。
要旨コメント■ゆとり教育は、1976年教育課程審議会答申を経て、1977年学習指導要領で言われてから、20数年になりま す。ゆとり教育が最近のものだと思われる向きがありますが、大きな誤解です。1977年学習指導要領のキーワードは、「ゆとりと充実」でした。当時、高校への進学率が94%を越え、多様な興味・関心をもち、多様な進路をめざした生徒が高校に入ってくる中で、ゆとりが必要だとされたのでした。
ゆとり教育はややもすれば「学力低下」を生むという批判がなされますが、そもそも「学力」そのものが何であるのか教育学的コンセンサスもないまま、今日、学力低下論が巷間に広まりつつあると言えましょう。しかし社会的に学力低下が問題視されると、無視できないのも行政。「学びのすすめ」の緊急アピールなど、学力低下への懸念の払拭に文科省も躍起です。
○朝日新聞(2002年7月14日)一部抜粋
| 来春の公立高校入試の調査書(内申書)の学力評価をめぐり、東京など21都道府県が「絶対評価」で記すことを決める一方、大阪、愛知など10府県は「相対評価」の維持を打ち出すなど対応が割れていることが朝日新聞社の調べでわかった。両方を併記して独自の対応をする県もある。絶対評価を入試の合否判定に使うことの難しさをうかがわせている。 |
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・・・絶対評価を選ぶ理由は、「調査書に相対評価を残した場合、指導要録などの絶対評価と二重基準になり、混乱を招く」(千葉県)▽「二つの評価の併存は教育上おかしい」(静岡県)▽「子どものいいところを伸ばす絶対評価を定着させたい」(埼玉県)――など。絶対評価を選ぶ理由は、「調査書に相対評価を残した場合、指導要録などの絶対評価と二重基準になり、混乱を招く」(千葉県)▽「二つの評価の併存は教育上おかしい」(静岡県)▽「子どものいいところを伸ばす絶対評価を定着させたい」(埼玉県)――など。 一方、相対評価を選ぶのは10府県。東海から北陸、近畿にかけての地域で目立つ。このうち新潟、茨城、愛知、鳥取県などは2、3年後、絶対評価が学校になじんだ段階で調査書も切り替える方針。奈良県は05年春まで相対評価を続け、06年以降は改めて検討するという。 「絶対評価は始まったばかり。客観性、公平性の観点から、問題ないと評価される状況になっていない」(大阪府)、「保護者らの理解を得るには相応の期間が必要」(富山、鳥取県)などと説明している。
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要旨・コメント:
相対評価は、学年、学級のなかで評価をする生徒の学力などがどの位置にあるかで見るものに対して、絶対評価は、生徒各人が学力到達度に達しているかどうかで判断する。
ただ相対評価では、統計学的な実証性/客観性が保証されるのに対し、絶対評価を保証する総計学的手法は未だ見出されていない。
従来、上級学校への進学が目指した他者との競争という圧力のもとでなされ、その利用に資すものとして活用された相対評価は、それ自体圧力として生徒たちにのしかかっていった。
しかし、最近では、新学力観といわれ、「関心・意欲・態度」や「思考力・判断力」を育てることが強調されている。絶対評価は、その意味で新学力観に応じた評価のあり方として注目されるが、その分、教師の主観に依拠しすぎるという問題もある。
相対評価、絶対評価、いずれにせよ、子どもの発達へのフィールドバックが目標とされる以上、評価の「しっぱなし」にならぬよう、日常の教育実践のなかで評価を次の授業(実践)に活かしていく必要がある。Plan→Do →Seeが評価の際、重要であるといわれるのは、そのためである。
○朝日新聞(2002年7月9日)
「少人数授業や、1学級を複数の教員で指導するチームティーチング(TT)が昨年度、公立小学校の46%、公立中学校の74%で行われたことが、文部科学省のまとめでわかった。実施教科は理解度に差が出やすい算数、数学に集中している。今年度はさらに増える見込みで、都道府県の計画では、子どもの習熟度に応じた編成が目立つという。
文科省は93年度から00年度までTT実施のために、全国で教員約1万5900人を増やした。さらに一部教科で20人程度の小グループに分けた授業ができるように、教員の定数を昨年度から5年間で2万2500人増やす計画を始めた。」
(一部抜粋)
要約・コメント:習熟度別学級編成は1978年公示の『高等学校学習指導要領』によって「指導計画の作成等」にあたって配慮すべき事項のひとつとして推奨されたものです。これは、一種の能力別学級編成と同義であると解され、「できる」生徒と「できない」生徒の差を大きく広げるだけだとの批判を受けていました。
この学級編成が推奨される背景には、当時、高校進学率94%を超え、能力、適性、進路などにおいて多様な生徒が入学してきたことがあります。1987年教育課程審議会の答申は、中学校においてもホームルームそのものの基本的な学級編成を変えることなく、習熟度別学習集団を設けることも必要だとしています。
今日は、さらに「個に対応した」教育の必要性ということから、習熟度別学級編成が実施されているようです。「できる子」に「できない子」のレヴェルのままで我慢させておくのは、「悪平等」ではないかという批判を聞かされることがありますが、どうも習熟度別学級編成は、「できない子」をどうできるようにするのか、基本に戻ってじっくりできるようにしてやろうというのが本旨なのですが・・・・。