YOU'S 106ラリーの勇姿..・・・(え?)

PEUGEOT

プジョーとは元来、一族の名前である。戦前ジャン.ピエール,プジョーとジャン、フレデリックプジョーによって起業されたことに端を発するフランス自動車業界のコングリマリッドである。

そのフロントグリルに鎮座ましますライオンの紋章は、プジョー家の紋章と混同されやすいが、正確にはプジョー発祥の地である、ベルフォールの紋章である。

本国フランスでは、アバンギャルトのシトロエンと相対峙して、創業時から終始一貫、プジョー家の信念と意思をバックボーンに質実剛健を善とするある意味排他的な自動車メーカーである。しかしながら,その排他的な信条こそがプジョーのタフネスを産出するベイシックにもなっている。

 


106XSi

プジョーを語る上で覚えておかなければいけない約束事が存在する。それは車種名である。現在、このライオン家にはフラッグシップたる605から始まり、500系、400系、300系、200系そして100系が生息しているわけだが覚えておかなければいけないのは0を真ん中に挟んだ3桁のシリーズ番号の意味である。百の桁は車格を、0を挟んで一の桁はシリアルに与えられており時代を表している。私の所有しているのは、106であるのでローエンドの6系である。ただし、過去には309などと車種もあったので絶対ではないが、これはむしろ生産が英国だった等の理由によるようである。かつてプジョーはこの3桁シリアルに独占使用権を主張し、ポルシェに901を911と改名させたというはプジョー系の本を紐解くと必ず出てくるエピソードである。

その106のなかで、XSiというグレードは輸入から1年足らずで後人のS16にその座を譲る形となっており、それでも約500台弱が日本列島に生息している計算になる。

この、XSiには実は初期型とそれ以外の分類が可能で、初期型は初期ロットの約100台のみ、セカンドロットからは、わずかな価格上昇とエアバックがついた豪華版へと発展した。


購入までの道

本来本国ではすでに生産開始から数えて4年と幾許かが過ぎようとしていた95年に、ようやく極東にお目文字を果たしたのはすでに、桜が散り終わったころのことである。

本国発売当初から彼女の写真を見てはため息をついているばかりだった私は朝日新聞の経済の新着欄のページを開き宮沢りえのサンタフェ広告以来の衝撃を受けたことを今でも記憶している。そのページには真っ赤な(と本人の記憶では色がついているのだが、いま考えれば新聞だから真偽の程ははなはだ疑わしい)衣装を纏ったプチプジョーがニッコリと微笑んでいたのである。

当時すでに社会人デビューを果たして数年の月日を費やしていた私ではあったが、いささか心もとない社会人マネーをバックに週末を待ち、世田谷のブルーライオンに走ったことは想像にたやすい。しかーし、業務繁忙と朝寝坊と情報不足が祟り、すでに初期ロットは1台の仮予約を除き完売とのこと。セカンドロットは1ヶ月後に上陸予定との事だがエアバックが装備されると聞いて言がっくり。この仮予約が所望のルシファーレッドだったこともあり、ラストチャンスのキャンセル待ちにエントリーした。

かくして、ライオンの神は私に微笑み、1ヶ月後には当家のガレージに住み着くこととなったわけである。

 


ふぁーすといんぷれっしょん

さて、実際に一度も乗ったことがなく決めてしまったわけだが、乗り込んでアクセルを踏み込むまでは確かに不安なものがあった。なんていったって最初の左ハンドルである。それもフランス人である。ついでに言えばそれまでの人生最高額の買い物である。選択に自信がなかったわけではないが、半ば品不足だったガンダムのプラモでも買うが如く買ってしまった自分に不安がないわけがない。実際ガンダムのプラモは他のプラモと抱き合わ売りの購入だったため当時の中学生のおこづかいでは予算オーバーだったのを借金して買ったあたりは三ッ子の魂・・・である。

そんな稀有も最初のアクセルを踏み込んだ瞬間に脳裏から消える事となる。まず驚かされたのはその動物的とも言うべき鋭いアクセルの”ツキ感”である。国内には同じ1600ccエンジンで100ps/1000ccをカタログスペックとしてうたっている車もいまや決して珍しくない。実際、そんなテンロクにも過去に堪能させてもらったこともあった。なのにである。この110ps/1600ccの平凡なカタログスペックのエンジンが、驚愕レスポンスなのである。理由はよくわからないが兎に角、左足の動きに間髪いれず反応するこのローテクSOHCの運転が気持ちいいことは間違いはない。一般道を飛ばす限りのスピード域に置いては誰でもトゥールド・コルスを205T16で駆るアリ・バタネンにしてくれるのである。

納車当日は、貿易黒字減らしを祝うかのような五月晴れの太陽である。それに加えその気恥ずかしいまでのルシファーレットに見たことのないデザインの車である。人の目を引かないわけがない。この後1ヶ月以内にGSで2回、見知らぬ人2人からそれぞれ色についての賛辞を頂だくことになるのだが、この辺はライオンの面目躍如たる所以である。


PJって に戻る