チーズ(Cheese)

乳というものは、搾乳後は長く保存することができません。昔は肉の保存にとって香辛料が欠かせなかったように、チーズを製造することは乳の保存法として最高の方法だったのです。チーズの起源として最もよく知られている逸話は、アラビアの民話でしょう。旅商Kananaは、山羊の胃袋で作った水筒に乳を入れて旅をしていました。一日の旅に疲れた旅商が水筒を開けたところ、中から水と白くて柔らかな塊が出てきました。この塊を食べると素晴らしい風味でした。とさ。
世界各国のチーズ消費量を見ると、一位はギリシャ(23.8 kg/一人当り)、二位はフランス(23.6 kg)、三位はドイツ(20.5 kg)、四位はイタリア(19.0 kg)とヨーロッパが多く、日本は2.0 kg弱です(1998年調査)。しかし日本は食の欧米化(イタメシ、ワインブームも含め)に伴い、ここ十年間で二倍以上も伸びています。欧米諸国の企業も絶好の市場として、相次いで進出してきており、今ではスーパーでも色々な種類のチーズが買えます。日本国内でも「限定生産型」を含めると、無数の企業がチーズを生産しています。国産ナチュラルチーズの生産量は、1999年でおよそ3.65万t。この数字は今後も増加を続けることが予想されています。

<チーズの製法>
殺菌した牛乳に乳酸菌スターター(Lactococcus lactis etc…)を1.0〜1.5%添加する。30℃で一時間ほど発酵させ、酸度が0.2%くらいに達したとき、塩化カルシウムとレンネット(凝乳酵素)を添加してカード(凝乳)を形成させる。その後生成カードを細断し、緩やかに加温しながら撹拌する。カードは互いに結着してブロックを形成するので、切断しながら積み重ね、切断反転を繰り返しながらホエーを排出する。この間にカードの弾力性が増す(チェダリング)。酸度が0.5%くらいになったころ、カードを粉砕し(ミリング)、食塩を加えた後、型詰めし、圧搾する。このようにして作られた生チーズは風味に乏しく、さらに数ヶ月間熟成を要する。熟成中は、乳酸菌の各種酵素によって脂肪とタンパク質が分解され、チーズ特有のフレーバーができあがる。

<青かび>                  
                             
Roquefort;(ロックフォール;フランス)   
世界三大ブルーチーズの一つ。2000年以上前のこと、羊飼いが洞窟に置き忘れたチーズに青かびが生えていた。食べたら何とも言えない風味だったとか。今でも熟成は石灰岩を含む洞窟の中で行われる(本家はフランスの高原地帯、ロックフォール村)。何でも中に吹き込む湿った風が大事なんだとか。甘口の白ワイン、赤ワインと合うそうです。

Gorgonzola;(ゴルゴンゾーラ;イタリア)
これも世界三大ブルーチーズの一つ。赤褐色でざらついた表皮を持ち、中は青かびがビッシリ。他の青かびチーズに比べて、塩分控えめ、クリーミーでほんのり甘い。また青かび特有のクセが少なく食べやすい。赤ワインとよく合うそうです。


<白カビ>
Camembert;(カマンベール;フランス)   
ノルマンディー地方の農婦マリー・アレルが革命から逃れた司祭の指導のもとで作ったのがはじまりとか。命名は同地方の村の名前から。外観は白カビで真っ白。中身はクリーム色で中心に芯があるが、熟成とともにどろっとしたペースト状に。赤ワイン、シードルとよく合う。

Brie;(ブリ;フランス)
カマンベールに比べて平たく、大きい。上品な香りで、コクがある。熟成に伴いどろっとしたペースト状に。日本でも大人気。赤ワインとよく合う。


<セミハード>
Gouda;(ゴーダ;オランダ)
13世紀にオランダのゴーダ村で生まれたものが起源。今ではオランダのチーズ生産量の大半を占める。口当たりがまろやかで、コクがある。白ワインとよく合う。



その他、国内の乳業会社でも多数のチーズを扱っております。
雪印乳業明治乳業森永乳業 etc...



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