ビール beer

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ビールの製法は主に2種類に分けられます。上面発酵と下面発酵です。
常温で発酵を行うと、酵母は炭酸ガスとともに液の上面に浮かんできます。これが上面発酵です。
一方、低温で発酵を行うと酵母は沈殿します。これが下面発酵です。下面発酵には低温環境が必要であるため、昔のドイツでは冬にしかビールが作れないという都市もあったそうです。ところが19世紀になって冷蔵技術が開発されると、世界のビールの主流は下面発酵となりました。
「ラガービール」という名前をよく耳にしますが、これは下面発酵が行われた後、低温貯蔵期間を経て出荷されるビールのことを言います。

かつてのビールは腐敗しやすく、遠隔地への輸送は困難でしたが、あの有名なパスツールがこの問題を解決しました。それが低温殺菌法です。パスツライゼーションと呼ばれるこの方法は、60℃で30分間加熱することにより酵母や雑菌を殺菌するというものでした。パスツールのおかげで、ビールはひとつの産業になったわけです。
また、近年の技術の進歩により、濾過によって酵母や雑菌を取り除くことができるようになりました。これは非加熱ビールであり、「生ビール」と呼ばれるものはこの方法で滅菌したビールのことです。加熱していない生ビールは、味や香りが変化することなく楽しめるという利点があります。

最近では、主要ビールメーカーが競って様々な種類のビールを発売しています。以下に簡単な分類を示すので、どのビールがどの種類に当てはまるのかを考えてみてください。


・下面発酵ビール

 「ピルスナー」 チェコのピルゼンで作られていたドライビール。世界のビールの主流となっている。日本のビールも大体これ。

 「アメリカンラガー」 苦味が少なく炭酸ガスが多い。

 「ドルトムンダー」 ドイツのドルトムントで作られるビール。

 「メルツェン」 3月(ドイツ語で"メルツ")に仕込まれたことに由来。サントリー「茜色の芳醇」はメルツェンビールである。

 「デュンケル」 ドイツ語で「ダーク」という意味の濃色ビール。

 「ボック」 度数の高い濃色ビール。

・上面発酵ビール

 「ペールエール」 エールは上面発酵の代表的なもの。淡色のエール。

 「ヴァイツェン」 大麦のほかに小麦も使用している。色が薄く「ヴァイス」(白ビール)ともいう。
          サントリー「とれたて小麦の白ビール」など。

 「ケルシュ」 ドイツのケルンで作られる。

 「ビターエール」 ホップの苦味が強い。

 「アルト」 12〜13世紀頃から、北ドイツのデュッセルドルフで醸造されてきた上面発酵ビール。「本格派」「正統派」という意。
       サントリー「琥珀のくつろぎ」はアルトビール。

 「スタウト」 ハイローストの麦芽を使うため、黒い。ギネスが有名。黒ビールと呼ばれるものである。

 「ポーター」 色麦芽を使う。ローストするわけではない。

・自然発酵ビール
 
 「ランビック」 自然酵母で作られる珍しいビール。

・乳酸菌並行発酵ビール

 「ベルリナーヴァイス」 乳酸菌による発酵を伴うので酸味が強い。