〜どうして僕らは作らずにはいられなかったのだろう〜

2001年12月、彼と待ち合わせの時刻が迫っていた。
知り合ったのは高校2年の時、それから7年の付き合いになる。
駅に現れた彼は、短くまとめた髪に、
品のいいコートをまとっている。
僕は、軽く手をあげ彼に応える。

カシスソーダを飲んだ後、彼は僕になにかを託す。

もう、会えることもないだろうな─

あと3ヶ月で、互いに社会人になることが決まっていた。
どちらも転勤の多い仕事だから、4月からは殆ど会えなくなる。


寂しくなるな

ああ・・・・


そして、僕らは二軒目のバーでテキーラサンライズを飲み、
古き映画の話に打ち興じていた。
1週間前に僕は全てを失い、3日前に彼は心を失っていた。
何もかもが消え去った後に残っているのは、琥珀色の酒と、
色あせた映画だけだった。

酒と映画は、僕らを裏切ることはない


レモンハートを飲みながら『ショーシャンクの空に』の話をしている時、
彼が不意に黙り込んだ。
僕もピーナッツを取りかけた右手をとめ、黙り込む。

なあ、HPでも作らないか?



僕らはあまりに多くの大切なものを失いすぎていて、
誰かに何かを伝えずにはいられなかったのだ。
胸の中にある言葉にならない想いを、
形にしてどこかに託したいという衝動を抑える事が出来なかったのだ。


今、僕らは何かを伝えようとしている。
成功するかしないかなんかが、問題なんじゃない。
前に向かって進んでいることが大切なんだ─