○月○日
杏仁豆腐



インスタントではなく、本物の杏仁で作ってみようと思い立ち、香港旅行の折に南杏(甜杏仁)を買った。
レシピは脇屋友詞の『香港のデザート』(文化出版局)を参考に、配合は全て自己流。
しかし、やっぱり自己流はうまくいかなかった。
こうなると半ば意地になってあれこれと配合を変えては試行錯誤の繰り返しである。
そして何度作ってもまだまだ理想の杏仁豆腐にならないのだった。
さて、私のイメージする理想の杏仁豆腐とは、我が家の近所にある小さな広東料理店のものだ。
料理もおいしいが杏仁豆腐も絶品で、いつかドンブリで食べたいと思うほどである。
ある日この店のオーナーシェフ氏に「何回作ってもうまくいかんがね(名古屋弁)」とボヤいたら、「それでは…」とレシピをポンッとくださったのである。
いいのか?
門外不出のレシピじゃないのか?
気前のいいオーナーシェフ氏に感謝しつつ作ってみたら、今度は妙にクリーミーな仕上がりになってしまった。
配合の仕方が悪かったのかもしれない…かくして理想の杏仁豆腐への道は限りなく続くのである。

ちなみに杏仁豆腐で使う杏仁は"南杏"と言って甘味のあるもの。
南があるから北もあるのだが、"北杏"は苦味があって素人には扱いにくいらしい。
本当の杏仁豆腐は北杏も入れるのだが、失敗を恐れる私は南杏だけを使っている。


                 
(2)
Next Back Home
本日の一品