日本酒の表示について
日本酒の表示って本当にわかりにくいし、誰も教えてくれる人がいません。
ここで表示の意味を知って、皆さんが買うときの参考に少しでもなれば幸いです。
精米歩合とは?
精米とは玄米を削ってぬか分をのぞいていくことです。当たり前ですね。精米歩合とは精米前の玄米重量に対する精米後の白米重量の比率のことです。例えば普通僕等の食べている食用の米では精米歩合は90%程度です。精米歩合90%と言うことはつまり、米の表層部10%をぬかとして削り90%を白米として食べるということになります。日本酒の場合普通は70%程度、よいお酒になると50%前後になり、23%ってものまであります。なぜこんなに沢山削ってしまうのかと言うと、米の表層部にはタンパク質や脂肪が多く含まれていてこれらの成分が酵母や麹の生育を調整するのを困難にしてしまうからです。このため優雅な品質のお酒を造るには米の芯の方を使っています。
精米歩合はかなり歴然とした品質の差となります。酒を見分けたい時はまず精米歩合を見るべきです。やっぱり精米歩合の高い酒より低い酒の方が圧倒的においしいです。しかし、精米歩合が低いと言うことはそれだけ同じ量の米から生産される酒の量が少なくなるので、当然値段も上がります。
日本酒度とは?
日本酒度とは日本酒の比重を示す数値です。水の比重を0とし、これより比重の大きいものは(−)、小さいものは(+)となっています。比重と味と何の関係があるんだよぉと思われるかもしれないですが、実は大いに関係があるのです。糖分が多く含まれている酒は比重が重くなり糖分の少ない酒は比重が軽くなるので、おおむね(+)の値が大きい酒は辛く逆は甘くななります。日本酒の糖分はわずか2%〜4%だが、このわずかな差を甘辛の差として感じているのです。もちろん、甘辛の感覚は共存する酸の含量にも大きく依存するため日本酒度だけでは完全には甘辛の判断はできないですがこれでおおむねどれだけ甘いか辛いか大雑把な判断ができます。
これを知っているか知っていないかはかなりおおきいです。
純米酒・吟醸酒などとは?
本醸造・純米・吟醸・大吟醸のお酒は特定名称清酒としてその品質と製法を守るための表示基準が下の表のように定められています。厳密な話をすると難しくなるので、とりあえずは特定名称が書いてあったら下のような条件を満たしているんだなぁと思ってください。醸造アルコール・こうじ等の普通の人が普段聞きなれない言葉についてはいつか別に用語集のようなものを作って説明したいと思います。特定名称の中でちょっと注意してほしいのが純米です。純米は原料に醸造アルコールを1滴でも用いることができません。だから純米なので、他の特定名称とは若干ベクトルがちがいます。
特定名称
水以外の使用原料
精米歩合
その他の要件
本醸造酒
米・米こうじ・醸造アルコール
70%以下
香味及び色沢が良好なもの
純米酒
米・米こうじ
70%以下
香味及び色沢が良好なもの
吟醸酒
米・米こうじ・醸造アルコール
60%以下
吟醸造りをしたもので、固有の香味及び色沢が良好なもの
大吟醸酒
米・米こうじ・醸造アルコール
50%以下
吟醸造りをしたもので、固有の香味及び色沢が良好なもの
*なお、上記の要件以外に特定名称酒に共通して適用される条件として次の2つがあります。
(1)農作物検査法により、3等以上に格付けされた玄米またはこれに相当する玄米を精米して使用する。
(2)醸造アルコールについては、アルコール分95度換算で、白米重量の10%を超えないものに限る。
しかし、特定名称はお酒の善し悪しの絶対的な基準とはあまりなりえません。理由は蔵によって特定名称に対するスタンスがまったく違うからです。ある蔵の社長さんはこうおっしゃってました。「このお酒は精米歩合が50%なんで書こうと思えば大吟醸と書くこともできるんですが、うちの蔵の名前でこのお酒を大吟醸とするわけにはいきません。」もちろん大吟醸という名称は蔵にとっては特別ですが、それだけではないこだわりを感じました。そうかと思えば、精米歩合などぎりぎりで特定名称だけで売ろうとしていることが見え見えのお酒もいくつか知っています。そういうわけなので、特定名称は同じ蔵のお酒の中での位置付けを見るのに使うといいと思います。
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