(あ行)47
《西讃岐方言集》
讃岐の方言のうち、特に西讃の方言の解説です。
|あ行|か行|さ行|た行|な行|は行|ま行|や行|ら・わ行|
あ・い・う・え・お
【あいだっこ(あいだこ)】
間、中間。漢字で書くと、間っ子、でしょうか。
『山と川のあいだっこに家がある』
【あいな(ん)】
「あなな(ん)」を参照
【あけらんこ】
包み隠さず、本音を言うこと。
『あけらんこの話せえよー』
【あげる】
吐く、嘔吐、戻す。
『あげたり、さげたり、何があたったんじゃろか』
【〜あげる(〜しゃげる)】
動詞に付け、怒りや行動の激しさを表わす。
『言わっしゃげてやろか!』とか、『どつっきゃげるぞ!』と使う。
【あじわる】
気持ち悪いこと。
『犬が死んどるぞ、あじわるー』
変じて「あんじゃる」「あっじゃる」となる。後述「きしょくわる」と同義。「味悪い」が語源だが、「旨くない、まずい」意には使われない。
死んだ犬を食べる訳がない。
【あずる】
困る、の意。
過去形で「あずった」、現在形で「あずんりょる」と変化する。
例えば、どこかで待ち合わせしたが、なかなか来ない友人に電話した時、
『モシモシー、今どこなー』『おー、道がわからんきん、あずんりょるがー』
やがて到着して、
『オマエ、何しょーったんやー』『あずった、あずった』等と使う。
【あなな(ん)】
あんな、あのような。
「あいな(ん)」とも言う。
『あななこと、ゆうてえんか?』とか、『あななん、いかんわ』と使う。
活用形に「こなな(こいな)」=こんな、このような。「そなな(そいな)」=そんな、そのような。「どなな(どいな)」=どんな、どのような。
【あぬけ】
仰向け。
『あぬけで寝る』
病院で看護婦さんに「はい、あぬけになって」と言われて、ボーッ、ダラーッ、ボケーッとしよって、「だれが間抜けになれ、ゆーたんな。あぬけじゃがな」と言われた奴がいます。
【あんにゃん】
兄貴の意。
『おまえんとこの、あんにゃん、年なんぼや?』
姉のことを「ねえにゃん」とは言わない。
【あんばい】
按配、状態。
『今日の風呂は、えーあんばいじゃった』とか、『天気のあんばい見て、出かけよか』と使う。
【いかさま】
相当、いささか。インチキのことではない。
『今日は、いかさま暑い』等
【いがむ】
ゆがむ、に発し、曲がることを総じて指す。
『〜さんやったら、先の信号左にいがんですぐじゃ』とか、『看板が、いがんどるぞ』と使う。
【いきし(に)】
行く途中(に)。行きがてら(に)。「いきしな」とも言う。
『いきしに、本屋に寄って・・・』
【いごく】
動く。
【いこる】
1.炭などが真っ赤に点火すること。
2.男性性器海綿体が血液で膨張すること。
【いっかー】
1.行くか?と誘う。
『そろそろ、行っかー』
2.よくないじゃないか。いいもんか。
『そななん、いっかー』
【いっちょ】
ひとつ、一丁。世間では、「いっちょ、やるか」位にしか使わないが、観音寺では一つを表わす時、多用する。
『〜あるんなー?』『いっちょ、あるわ』(一つ、あるよ)
『〜あるんなー?』『いっちょか、ないわ』(一つしか、ないよ)
『〜あるんなー?』『いっちょも、ないわ』(一つも、ないよ)
【いにし(に)】
帰る途中(に)、帰りがてら(に)。反対語は「いきし(に)」
【いぬ】
帰ること、去ぬ。
『もう、いぬわ』とか『もう遅いきん、いなんか』と使う。
「いんで来る」は、帰ってまた来るではない。もう来ない。また来る場合は「いっぺん、いんで来る」になる。
【いらう】
「いろう」とも言う。
いじる。触る。
『汚いもん、いらうな』
【いんりゃい】
入り合い、お互い様に(お祝いを)相殺すること。
例えば、AさんにBさんという知り合いがいて、共に祝い事があった場合、『もう、いんりゃいにせんな』と、双方が、祝い、祝われることを避ける。
【うがす】
剥がすこと。「おがす」とも言う。
類語に「めぐ」があるが、「うがす」のは、比較的大きい(ぶ厚い)物。「めぐ」のは、小さい(薄い)物。
『道路のアスファルトをうがす』
【うち】
私。特に女性が自分を表わす。
【うちんき】
私の家。
高松方面で言う「うちんく」
【うっとし】
気分、天気が晴れない。ぱっとしない。
うっとおしい。
【うどむ】
痛みに悶え苦しむ。
「うどんみょる」は「うどむ」の現在進行形。
Pロットのマスターは、*の手術後、3日間うどんみょったそうです。
【うまげな】
後述「〜げな」の活用形であるが、要別途解説。
食べ物が美味しそう、という場合にも使うが、食べられない物にも使う。
子どもが奇麗な洋服を着た時、『うまげなのー』と言っても、決して子どもを食べたい訳ではない。「見事な」という意味である。
また、言いすぎ(褒めすぎ)の言葉に返答する時にも使う。
『おまえ、ええ女じゃのー』『また!うまげに言うて』
変じて「うまたげな」と言う場合もある。
【えらい】
しんどい、つらい。
『風邪ひいたみたいで、えらいわ』とか、『あー、えらー』と使う。
【えらそげ(に、な)】
偉そう(に、な)。
『また、偉そげにゆうて』
【おあいそなし】
たいした接待が出来ない、というのが本来の意であるが、接待の有無にかかわらず、客を見送る言葉に使う。
『せっかく、おいでとんのに、おあいそなしで』
【おい】
追い足し、追い。
『えーもん、もろて、おいがいるがな』
【おかしげな】
直訳すれば、面白そうな、になるが、変な、という場合に使う。
『あいつ、またおかしげな事言いよる』
【おがす】
「うがす」を参照
【おかっこまり】
正座の意。「おかっこ」とも言う。
【(腹が)おきる】
お腹が一杯になる、の意。
『3杯も食べたら、腹がおきたがー』等と使う。
但し、反対語を「腹がねる」とは言わないので注意。「腹がすく」です。
【おげる】
あきれる。
『うちの旦那には、もう、おげてしまうわ』
【おせ】
大人のこと。「押せ」ではない。
『この子、おせげなこと言いよる』とか、立派な発言をした者に対し、『おまえ、おせじゃのー』等と使う。
【おつ】
味噌汁などの汁物。
関東で「おみおつけ」を「おつけ」と略することがあるが、「おつ」は、それをさらに略したものではなく、「おつゆ」を略したものと思われる。味噌汁掛けご飯は「おつかけ」です。
【おっしぇる】
教える。
【おっぱ】
おんぶ。
【おでん】
(主に)こんにゃくを茹で、味噌で食べる料理。田楽、味噌おでん。
ちくわ、玉子、すじ肉等が入った一般的に言う「おでん」は「関東煮(かんとだき)」と呼ぶ。
【おとっちゃま】
怖がり、小心者。
『こななんも、でけんのか。おとっちゃまじゃのー』
ちなみに「おかっちゃま」という言葉はない。
【おとろし】
恐ろしい。
【おもっしょい】
面白い。
【おらぶ】
叫ぶ。
【おわえる】
追いかける。
【おんかれる】
叱られる。怒られる。
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