【ネギ on the テーブル】
通常、うどん店では「七味唐辛子」が各々のテーブルにある。「ゴマ」があるお店もある。それ以外に、「ネギ」と「ショウガ」がテーブルに置かれてあると、私はトテモ、トテモ嬉しい。
なぜって、味の変化が楽しめるからである。
まず、薬味なしでうどんをすすり、ダシを頂く。当然、素(す)のまんまだ。イリコや鰹節の香りから醤油の香りまで、お店の自慢をストレートに味わってから、徐々に薬味を加えていく。
その順番も決まっている。
まずは「ショウガ」だ。うどんは、一気に爽やかになる。
冷やし系においても、私はショウガ派である。ワサビは苦手だ。それは、ワサビが嫌いな訳でも、子どもの頃、ワサビで冷やしうどんを食べて吐きそうになったからでもない。ただ、うどんには合わないと思っているだけだ。もちろん、ワサビ派の人を責めるつもりはない。不思議に思うだけである。
次に「ネギ」。これでダシも麺も力強くなる。決して、初めから多量には入れない。足りない場合は途中で加えれば良い。そのためにも、テーブルに置いてあると嬉しい。万能ネギでも良いが、出来ればアサツキのような細いものが好みだ。
そして「七味唐辛子」の出番だが、夏の盛りに、あまり汗をかきたくない時は、使わないこともある。逆に、風邪をひいた時は、普段の3倍くらいのショウガと七味唐辛子を入れたうどんを食べて、即寝る。たぶん、下手な風邪薬より効果的だ。
「天カス」は、入れすぎると油臭くなるので少しだけ。香りのきつい「ゴマ」はほとんど使わない。使うとしても、釜上げや冷やしといったツケ系の時、それも最後の一すすりか二すすりでほんの少し。
こんな私流の食べ方にピッタリの店が何軒かあり、坂出の「てっちゃん」もその1軒だ。各テーブルに、10cm角位の透明のプラスチック容器があり、「ネギ」「ショウガ」が入っている。
ある日、名物の「玉子焼き」と「かけ小」を取った私は、自身の決まり通り、薬味の変化を楽しんでいた。「玉子焼き」にも「ネギ」を掛けちゃったりする。こんな楽しみもあるんだよねー。
その時、向かいのテーブルに一人の客が座った。
どうやら常連さんらしい。テキパキととしたしぐさで、それが解る。
「ショウガ」を入れた。結構、沢山入れた。
次に「ネギ」を…、「ネギ」ををーっ!
容器をひっくり返し、丸ごと全部入れよったがな!
これ、1人前やったんか?!
周囲を見渡し、再び目の前の7割位ネギの入った容器を見つめて思う。
俺は、小心者だ。
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