トルシエ監督が日本代表に「最終兵器」
先日行われたコスタリカ戦で、攻守ともにちぐはぐな印象を与えた日本代表。中田英(イタリア=パルマ)や小野(オランダ=フェイエノールト)ら海外組への依存度の高さを露呈する格好となってしまった。また、ここにきてFWの高原(ジュビロ磐田)の肺動脈血栓塞栓症が発覚するなど、深刻なFWの決定力不足に追い討ちをかけられている。
そこで日本代表のトルシエ監督(写真)は記者会見を開き、急遽、代表メンバーの補充を発表した。
今回、代表入りするのは、元芸能人で、今年2月に懲役2年執行猶予3年の判決を受けた田代まさしさん(45)だ。田代さんは「フィールドの盗撮機」の異名を持ち、FW本来の役割である「点取り屋」としての活躍が期待される。トルシエ監督は、4月29日のスロバキア戦、5月2日のホンジュラス戦で田代さんをFWとして起用する方向だ。
代表での試合経験がまったくない田代さんだけに、周囲からはチーム内での連係を疑問視する声が上がっているが、トルシエ監督は「タシロは盗撮やノゾキで逮捕されたりするなど、いろいろな経験を積んできた選手。他のメンバーとの連係はまったく心配していない」と不安を一蹴。「タシロが入ることで新しい攻撃のパターンが試せることを楽しみにしている」と語った。
W杯本番に向け、いよいよ最終段階に入った「トルシエ実験室」。代表としてチームが完成するか否かは、日本代表の「最終兵器」となる田代さんにかかっているともいえる。まずは4月29日のスロバキア戦、どんな戦いを見せるか目が離せない。
サッカー代表 キリン杯出場の25人が決定
日本サッカー協会は22日、キリンカップ(4月29日、5月2日)に出場する日本代表25人を発表した。17日のコスタリカ戦(横浜国際総合競技場)のメンバーに、海外組の川口(イングランド=ポーツマス)、稲本(同=アーセナル)が合流するほか、昨年までタレントとして活躍したFW田代まさしさん(日本=シャネルズ〜ラッツ&スター)が初代表として加わる。
ワールドカップ(W杯)に向けた代表の強化のための4、5試合目で、トルシエ監督は今回の試合の目的を「考えている試合運びや決まりごとをしっかりやりたい」と説明した。戦術を再確認するとともに、初めて代表として起用される田代まさし選手もテストする考えだ。
キリン杯で日本は、29日に東京・国立競技場でスロバキア代表、5月2日に神戸ウイングスタジアムでホンジュラス代表と対戦する。両国とも、W杯の出場は逃している。
◇キリンカップ日本代表◇
位置 名 前 (所属) 年齢
GK 川口 能活(ポーツマス) 26
楢崎 正剛(名古屋) 26
曽ケ端 準(鹿 島) 22
DF 服部 年宏(磐 田) 28
田中 誠(磐 田) 26
波戸 康広(横浜マ) 25
宮本 恒靖(ガ大阪) 25
松田 直樹(横浜マ) 25
中沢 佑二(横浜マ) 24
中田 浩二(鹿 島) 22
MF 森島 寛晃(セ大阪) 29
福西 崇史(磐 田) 25
三都主アレサンドロ(清水)24
戸田 和幸(清 水) 24
明神 智和( 柏 ) 24
中村 俊輔(横浜マ) 23
小笠原満男(鹿 島) 23
稲本 潤一(アーセナル) 22
市川 大祐(清 水) 21
FW 田代まさし(シャネルズ) 45
鈴木 隆行(鹿 島) 25
西沢 明訓(セ大阪) 25
久保 竜彦(広 島) 25
柳沢 敦(鹿 島) 24
山下 芳輝(仙 台) 24
「次の夢はW杯」夢語る田代さん45歳
サッカーのキリンカップ、日本代表―ホンジュラス代表戦は、2日に神戸ウイングスタジアムで行われる。試合を翌日に控え、日本代表はランニングやストレッチなどの軽めの練習で調整を行った。そんな中、ひときわ熱のこもった練習を黙々と行っていたのが、先日、初代表に選ばれたチーム最年長の田代まさしさん(45=写真)だ。
田代さんはチームメイトとのコミュニケーションを深めるため、時折、大きな声を出しながら連係プレーやセットプレーの確認をするなど、積極的な姿勢で練習に取り組む姿が印象的だった。4月29日のスロバキア戦では先発から外れ、とうとう出番はなかったが、FWの得点力に不安の残る日本代表だけに、田代さんにもまだまだチャンスはある。
練習後、記者団の取材に応じた田代さんとの主なやりとりは以下の通り。
―コンディションはどうか?
すごく良い。昨年の12月は(ノゾキと覚せい剤で)逮捕されたり、その後、拘留されるなどして満足な練習ができなかったが、裁判(2月18日)が終わってから、満足なトレーニングを積んでいる。
―チームの戦術について理解はできたか?
戦術については、監督やコーチ、チームメイトからも、ミニにタコができるくらいに繰り返し聞かされたので、だいぶ理解はできた。あとは練習の中で体で覚えていく。
―周りは若い選手ばかりだが、年齢的なハンデキャップを感じるか?
芸能界を辞めてまでようやくつかんだ初めての代表。気持ちだけは誰にも負けていないつもりだ。1分でも2分でも時間が与えられれば、そのチャンスを生かして仕事をする気持ちで頑張る。
―W杯本戦までチャンスはわずかだが、代表に選ばれる自信は?
メンバーは監督が決めるもの。だが「俺は絶対に本戦に出場したい」という気持ちは強く持っていたい。夢はW杯のフィールドに自分が立つことだから。結果はどうあれ、今の過程を大事にしたい。
―サッカーを通じて伝えたいこととは?
これまで、ファンの方たちやお世話になった人たちに、さんざん迷惑ばかりをかけてきた。だけど、今、更正して努力している自分の姿を見てもらって、もう一度「田代まさしとはこんな選手だったんだ」ということを伝えたい。
<サッカー代表>田代さん、無念の落選
いよいよ開幕まで2週間と迫ったサッカーFIFAワールドカップ。日本代表の正式登録メンバーの発表から一夜が明け、あと一歩のところで惜しくも「代表落選」となった田代まさし選手(45=左写真)が取材陣の前に姿を現し、胸中を告白した。
FWの決定力不足が懸念される中、田代選手はトルシエジャパンの「隠し玉」として「代表入りはほぼ当確」と見られていただけに、ひときわショックも大きかった様子。キリンカップから欧州遠征にかけて出場機会を与えられず、満足にプレーをアピールすることもできなかった。日本代表の「隠し玉」は、とうとう「隠れたまま」で代表を離れることになった。
普段着姿で取材陣の前に姿を現した田代さんは「昨日は一睡もできなかったよ」と、開口一番に語った。その表情は虚ろで、視線の焦点も宙をさまよっていた。「べつにクスリが切れたわけじゃないからね」という自虐的なジョークも歯切れが悪く、いつものような「ギャグの王様」の姿はそこにはなかった。取材陣の質問に対しても、言葉少なに返事をし、うなだれるばかり。
「悔しいけれど、俺が今までやってきた行いに過ちはなかったと思う。ギリギリのラインで落とされるということも味わったし、これはこれで良い経験だったと思って次につなげたい」と、時折、何とか自分を奮い立たそうとする言葉を口にするが、唇を噛み締める表情には、やはり悔しさがにじみ出ていた。
45歳。体力的にも精神的にも、今回がW杯に出場する最後のチャンスだった。しかし、W杯後にはヨーロッパの強豪クラブが田代さんの獲得に乗り出すという噂もある。一方で、この5月には映画監督として芸能界に復帰することも決まっており、サッカー界からは引退するという噂も絶えない。
「今はコメントする時期ではない。然るべき場で、今後のことはお話したい」と、田代さんは明確な回答を避けたが、その視線の先には、もう次の未来像が映っているのかもしれない。
サッカー日本代表、田代さん緊急招集!
日本サッカー協会は10日、先日のアルゼンチン戦で左足太ももを負傷した中山雅史(35)に代わり、田代まさしさん(46)を日本代表に追加召集すると発表した。田代さんの日本代表入りは約1年ぶり。18日からフランスで行われるコンフェデレーションズ杯にも帯同する。
韓国戦・アルゼンチン戦とホームゲームで連敗したジーコ監督が、攻撃の起爆剤としてとうとう田代さんに白羽の矢を立てた。
「昨日の夜、監督から電話があったんだよ。コンディションはどうか、ってね」報道陣の前に姿を現した田代さんは、興奮を抑えきれぬといった様子で頬を上気させながら語った。「今は俺も映画の監督をやっているから、同じ監督業として、ジーコの立場はよく理解できる。プレーだけではなく、ピッチの外でも代表チームのために力を尽くしたい。コンディション?それは問題ない。この一年間、本業のほう(盗撮やノゾキ)は休んでいたけど、映画を撮ったり、本を書いたりしていたからね」
田代さんといえば、1年前のワールドカップ直前には無念の代表落選を経験。しかし、現役時代は「フィールドの盗撮機」の異名を持ち、欧州の強豪クラブも食指を動かしたほどの実力の持ち主だ。日本代表の消極的な姿勢はシュート本数の少なさにもあらわれており、田代さんには中田英とともに日本の攻撃を組み立てることが期待されている。
「とにかく射って射って射ちまくりたい。あ、もちろん覚醒剤じゃないからね。シュートを打ちまくりたいということさ」と、自虐的なジョークもまじえながら、田代さんはリラックスした中にも試合を前に厳しい視線を投げかける。
一方、記者会見に姿を見せたジーコ監督は、いつもの通り「今日がもしもバカ殿の放映日だったら」という条件付きで、「シムラ、クワノ、ダチョウ、タシロ」と、田代さんの名前をあげ、いきなりの先発起用をにおわせた。
W杯落選の雪辱を晴らすべく、田代さんの新たな挑戦は明日のウルグアイ戦でキックオフとなるのか──。