“ブラック・ティーの招待状”
今日は趣向を変えてみようと思う。
私は写真を撮る趣味もあるので、街をぶらぶらと歩くのが結構好きである。オートフォーカスのカメラはいつでも持ち歩いている。被写体はたいてい風景。公園の木々、店の看板、のらねこちゃん、飼い犬くん、ショーウィンドウのマネキン嬢・・・。人物はまだまだ苦手だ。知らない人にカメラを向けるのが苦手だし、人の表情はなかなかうまく撮れない。特に一眼レフなんかではピントをあわせるのに時間をかけるので静物や風景の方が撮りやすい。カメラの趣味の人って多いけどそれぞれ好みのジャンルや得手不得手がある。私はきっとスピードシャッターで切るような望遠付きのカメラなんて買わないだろうし。
そんな私のお気に入りのモデルは花である。
花は美しい、本当にそう思う。一眼レフのファインダーを覗き、ゆっくりとピントをあわせるが、自然光の中で私のお気に入りのピントと合致すると花も微笑むような気になる。
花が印象的だった映画がある。アル・パチーノが出ていた『恋のためらい(原題はフランキー&ジョニーだったかな?)』。二人のキスシーンでちょうど彼らのバックにワゴンが止まっているのだが(花屋のワゴン)、キスと同時にワゴンの後ろのドアが開き一瞬にして背景が花になるという場面がある。なぜかそのシーンが強烈に脳裏に残っている。(記憶違いだったらすみません・・・)
そういうこともあって花屋をのぞくのも好きである。ちょうど今チューリップが花屋の看板娘となって春の訪れを告げている。チューリップにもいろいろな色と形があるものだな、と買いもしないのに花を眺めてしまう。品種改良もいろいろ施されているのだろう、チューリップ以外にも見たことのないような花が並んでいることに気付く。
先日おもしろい花を見つけた。『チョコレート・コスモス』。その名のとおり、花と茎がチョコレート色をしているのである。まるでデメルのチョコレートのようである。コサージュにしたらどんなにきれいだろう。
それと『クリスマス・ローズ』。時期はずれだがくすんだかんじの薄紫色とでもいうのだろうか、そのなんともいえない色が忘れられない。(白もある)
最近くつろげるカフェを探せなくなってきているのだが、そのかわり花屋をのぞいて元気をもらうことが多くなった。くびをシャンとのばして咲いているガーベラを見ると背筋をのばして足取りもちょっと軽くなったような気になる。
(タイトルの『ブラック・ティー』はバラの一種です)