先日用事があって恵比寿に行った。そこであるポスターが私をとらえた。
2001年9月11日のあの写真だった。ツインタワーのひとつめが崩壊した直後のものだった。
その日はいろいろと用事があったのだが、急遽この写真展をやっているという東京都写真美術館に寄ることにした。
その写真展は世界貿易センターのかつての写真からはじまり、その当日、そしてその後の写真を展示していた。カメラマン達や消防士のコメントも寄せてあった。
入ってすぐに『ツインタワー』の残骸があった。
ほんのかけらである。
こんなつらい再会はない。
私が今度NY行くときにもあのビルは10年前と変わらずいてくれるはずだったのだ。
私はまたその屋上に上るはずだったのだ。
私はかつての『ツインタワー』の写真を見るのが辛かった。
あまりにきれいな姿だったからである。
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今日インターネットであるニュースを知った。
アメリカ時間の6月2日マサイ族の人々がNYの人々に立ち直ってもらおうと14頭の牛をプレゼントしたのだという。
マサイ族の人々はつい最近までNYのテロ攻撃をそんなに強い印象を受けていなかったらしい。もちろんラジオなどで事件を知っている人はいたが、マサイの人々にはツインタワーがどれだけ高いビルなのかも想像できなかっただろう。
そこへアメリカに留学していたマサイの医学生が最近帰省し、村の人にその事件の話をした。彼自身その日マンハッタンを訪れていたのだという。
その話を聞いたマサイの人々はNY市民に牛を贈ることを決めた。マサイ族にとって、牛とは子供や土地と同等のものだという。
しかし、受け取った大使館では牛を輸送するのは困難なため、それを売りマサイビーズのアクセサリーを買い、テロ追悼のイベントで展示しようと考えた。
だがNY市民の間では『ぜひその牛を受け取りたい』という動きがあるという。
以下は勝手ながらニュース記事からの転載だ。
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ブロンクスの建設作業員、エド・マコーミックさんは次のように述べている。「牛はこれまでに受け取った中で最も素晴らしい贈り物だよ。だって、他に牛を贈ってくれた人がいたかい? もしマサイ族の人たちが僕らにアクセサリーを受け取ってほしいと思っていたら、初めからアクセサリーを贈ったはずだ。牛を受け取ってほしいんだよ。僕らは牛を受け取って、田舎の環境のいい農場で育てて、いつの日かそこで産まれた仔牛を送り返すべきじゃないか」
この「仔牛」案を聞いて、やはりニューヨーク市民はアクセサリーを受け取ったほうがよいと思う人もいるかもしれない。だが、結果がどうなるにせよ、マンハッタンの住民はマサイ族からの贈り物に心から感動している。
「私は世界中から寄せられたたくさんの電子メールや電話、そして優しい言葉に強く支えられた」と、このテロ事件でご主人のジョーさんを亡くしたモーリン・エスポージトさんは述べた。「マサイ族の人たちが真心を形にして贈ってくれたところに非常に意味がある。ときには、牛が電子メールより素晴らしいこともあると思う」