映画『猟奇的な彼女』の中で、“彼女”が居酒屋で飲むシーンがある。援助交際と思われるおやじと女の子達に説教をするシーンの直後である。そこででてくるのが、韓国焼酎である。日本の焼酎とは違い、ストレートで飲む。“彼女”は酒に強いのか、と思いきや、2、3杯飲んだだけで寝てしまう。
この映画に限らず、韓国のドラマや映画の中にはこの緑の瓶がたびたび登場する。日本でも韓国食材を扱う店ではみかけることが、あるがラベルもいろいろある。なかでもこのチャミスルが代表的なものではないだろうか。
『猟奇的な彼女』を見て以来、韓国の焼酎“ソヂュ”を飲むようになり、飲むときはストレートで飲んでいる。話によると、どうも日本の焼酎とは違って割って飲むものではないらしい。
はじめて韓国へ行って、屋台にひとりではいったとき、飲んだのがこの“眞露”であった。ただし、昔ながらの水色の瓶(昔のサイダー瓶のような色)だった。これをストレートで飲んだときは、その強さに一杯でまいってしまい、隣にいたアジュンマ(おばさん)たちにあげてしまった。それが今となっては韓国ドラマを見ながら瓶半分を一度にあけてしまうほどになってしまったのである。
先日いった韓国・江原道(カンウォンド)はソヂュで有名なところだったらしい。江原道を舞台にした『秋の童話』にはよくでてきていたのだが、それもそのはず、というわけだ。実は江原道がソヂュで有名というのはヤンヤンから束草(ソクチョ)へ向かうまでのタクシーの運転手から聞いた話である。もちろん運転手は韓国語しか話さない。私のカタコトの韓国語でも結構会話が弾んで(?)いたのだが、窓からの景色でよくソヂュの看板や垂れ幕をみかけたので『サン?ソヂュ?』ときいてみた。サンというのはソヂュの銘柄のひとつである。そうすると運転手のアジョッシ(おじさん)は江原道、特に江陵(カンヌン)がソヂュで有名なのだと教えてくれた。・・・いや、教えてくれた、と思う。言葉がカタコトしか通じないのだが、そのアジョッシに『いやいや、よく話してるよ、言ってることわかるよ』といってもらえて(いると思っているだけだが)その時の思い出は今の自分の励みにもなっている。
束草へついたその晩、市場へ行って名物のオジンオスンデと店のアジュンマがサービスしてくれたおでんとトッポッキを食べた。ソヂュは置いてないようだったので、店で買って旅館(ヨガン)で飲むことにした。
その夜は風が強く、かなり寒い夜だったが、韓国のテレビ番組を見ながらソヂュに酔った。
