Martini

 年頭における一杯としてなにをあげるか考えたが、酒好き?の私としてはやはり迷ってしまう。だいたいにして『どんなお酒が好きですか』という質問にも困ってしまうくらいの私なのだから、ここで究極の一杯など選べるはずもないのである。酒にかぎったことではないだろうが、やはりTPOによるだろうし、その日の体調にもよる。まして21世紀最初の一杯といったら・・・?祝杯の一杯ならシャンパンをあげるだろうが、そこでドン・ペリニョンをあげるのもいささか短絡的すぎではないだろか。

 ということもあり、ここではオープンにあたっての私のマティーニ話にしようかと思う。

 マティーニを頼む、ということは『無類のカクテル好き』である、もしくは『酒に強い』、ということを意識的に?アピールするようなものである。しかもジンは銘柄指定。そのジンが冷えているかどうかも必ずチェックする。そして好みによってはオリーブを抜いたりする。ここまでやるとかなり倦厭されがちな客になりかねないが、ボロが出ない程度に強気でオーダーすると、ちょっと見には格好がよい。(そこでバーテンダーに鼻で笑われているかもしれないと思っても、とりあえず自己満足するのが私流)

 ではどこのマティーニがおいしいのだろうか。残念ながらそれに対しての答えは私は持ち得ていない。結局のところ、どのカクテルにも言えることで、それは人それぞれである。盛岡のあるBARで飲んだマティーニはカウンターで無様なほどにすすって飲まなければならなかったし(バーテンダーにそうやって飲めといわれた)、ニューヨークのホテルのラウンジで飲んだマティーニのオリーブは串だんごのように4つもついてきた。また某国際空港のBARで頼んだマティーニは、私のわがままに答えてもらいカクテルグラス半分サイズの“ハーフマティーニ”であった。どれも愛すべきマティーニである。あえていうならば、マティーニを作るときにバーテンダーがどれだけの蘊蓄(うんちく)をならべてミキシンググラスをステアするのかに楽しみがある、ということだろうか。『私が好きなジンはこれですねえ』などと言いながら作るバーテンダーのマティーニが、私の好みのジンを選んでいたりするとうれしくなるものである。

 そういうこともあり、ここでは私のお薦めのマティーニをここではあげないことにしようと思う。もちろんそれは『私だけの秘密』にしたいからであるのだが、この気持ちはマティーニ好きの人間にはわかっていただけるのではないかと思う。大切なカクテルのレシピはそのバーテンダーと客しか知らないものなのだ。

マティーニについてなにか感想、情報などお持ちの方は下記までお願いいたします。

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