DATELINE〜『OLD FASHIONED』

 私がよくオーダーするカクテルは『マティーニ』、『マンハッタン』そして『オールド・ファッション(OLD FASHIONED)』である。

 タンブラーに角砂糖を入れビターをダッシュする。そこにカットオレンジを搾り、氷を入れウィスキーを注ぐ。銘柄はカナディアン・クラブが用いられることが多いようだ。店によってはオレンジの他レモンが入っていたり、ライムが添えられたりする。私はチェリーが入っているのが好みである。私のよくいく店ではこの手のカクテルはめったにでないせいか、角砂糖はほとんど私のためのものである。

 『オールド・ファッション』は比較的飲みやすいショートカクテルだと思う。はじめは、ウィスキーの濃い味をロックで味わう。次第に溶けだした砂糖とオレンジやレモンの果汁が混じり合ってスムースな味に変化していく。

 成田空港にある『DATELINE』は本格的なBARである。私は旅行に行く前や帰国した後などに寄らせてもらっている。カウンターしかないBARで、サンドイッチなど軽食もあつかっているが、基本的にBARである。

 “本格的”と私が太鼓判を押すのには理由(わけ)がある。そのひとつはフレッシュジュースを使うこと。しかもフルーツは目の前で切ってくれる。写真でわかっていただけるだろうか。これは『DATELINE』の『オールド・ファション』だが、オレンジ、レモン、ライムの輪切りがきれいに添えられている。(写真が不鮮明なのが残念でならない)この輪切りは全てこのオーダーのために取りだした新しい一個のフルーツの“まんなか”の部分である。(なんて贅沢!!)またここのお店では角砂糖にビターをダッシュしたあと、少量のソーダを加えていた。理由を聞いたら砂糖を溶けやすくするためとのことだった。ここのバーテンダーは私の知る限り二人いるが、どちらも客にあわせてカクテルを出すことを心得ているように思う。かつて『マティーニ』のコラムのところで少し書かせてもらったが、ハーフマティーニを作ってくれたのはここのバーテンダーである。

 私は“たかが一杯のカクテル”にこだわるバーテンダーが好きである。私のためにグラスを選んだり、ミキシンググラスを冷やしたりするバーテンダーを眺めているのが好きである。オーダーしてから出来上がるまでの流れる時間を楽しむ。それは『オールド・ファッション』の味の変化を楽しむのに似ている。旅立つ前、異国の地を思い、帰国しては思い出を反芻する。旅の流れを楽しむのもまた似ているかもしれない。

 

どちらのターミナルかは秘密です。

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