Château Dauzac
Margaux 1982

初めて飲んだワインが何かといわれたら覚えている人の方が少ないかもしれないけれど、この一本ではまりました、みたいなワインは誰しもよく覚えているもんじゃないでしょうか。僕にとってはこのシャトー・ドーザック '82がそんな一本。

このドーザックの82にしても、マルゴー全体にしても、メドックの他のコミューンに比べるとそんなすごい年ではないんですね。そうはいっても、何せそれまではイタリアのやすい赤ワインしか飲んだことがなかった僕だから、このクラス(ドーザックは五級)、これぐらいの熟成したワインだったら、十分インパクトがあったんです。

これを飲んだ頃はワインのことなんて何にも知らなかったのですが、不思議とこのワインはいろんなことを覚えてます。濃いルビー色だとか、濃厚な湿った香りだとか、タンニンと酸の微妙なバランスなどは、今でも記憶に残っています。一口飲めば、あ、これは今まで飲んだどんなワインとも違うな、ってわかりますよね。香りは今思えばいわゆる熟成香が最初からぷんぷんしていて、味は色から想像したほどタンニンがきついわけではない。今から思えば、いわゆるマルゴーのワインというよりは、どちらかといえばメドックの他のコミューン、例えばサンジュリアンなんかに近かったような気がします。いずれにしても、腰が抜けそうなぐらいに美味しいと思った一本でした。