秋のフランスに一緒に行けたらいいね。
フルーツの美味しい時期の東南アジアもいいね。
ラスベガスで一夜にして億万長者になるのもいいね。
僕らはそんな実現しないような夢物語に酔いしれていた。
そんな夢物語は実現しないのに。
実際、実現することなく終わったのだけれど。
その年初めての雪が、まだほのかに暖かいアスファルトに溶けてしまう12月。
僕らはいつも仕事に追われていて、休日なんか取れなかった。
長期の休暇なんてもってのほか。
それぞれの休日は逢う事なんて皆無に等しくて。
それでも一緒に旅をする夢は膨らむばかり。
先立つもののコトも考えずに。
僕らは他に類を見ない、身の程知らず。
それでも楽しかったんだよね。
なんであの頃は楽しかったんだろう?
今より仕事は大変だったし、お互いどちらかと言うと肉体労働。
疲労もハンパじゃなかったはず。
でもお互い何とかして時間を作って片道85kmの距離を埋めようとしてた。
クリスマスも近づいた頃。
ボクは仕事の合間を縫って、彼へのプレゼントを買った。
食べ物やスウィーツなど、カタチが無くなってしまうモノを毛嫌いしていた彼。
だから、毎日ボクを思い出すように、ちょっとだけシブいキーホルダーを買った。
クリスマスプレゼントには安すぎるけど、キモチの問題だしね。
クリスマスの日はお互い仕事になることが決まって、どうにも会えなくなって。
クリスマスに合わせるかのように、西高東低の冬型気圧配置と低気圧は容赦なく
襲ってくる。
「このぶんだと、クリスマスは大雪だね。」
彼へのクリスマスプレゼントはちょっとだけ早くイブイブの12/23に渡そうと思った。
その年の年内の休みは、23日が最後だったから。
彼もすぐに了承して23日の夜にボクの家の近くで逢うことに。
そして、突然告げられた別離。
ボクは今起きていることが信じられなくて、気が動転してしまった。
あまりにもビックリして、ブレゼントさえ渡せなかった。
確かにこの時期お互いが忙しくて、逢えなかったのは事実。
2005年の今のように、携帯でメールなどのツールはなく。
逢えない時間は、確実に僕たちの関係を蝕んでいたに違いない。
それに輪をかけて大雪と言う距離にも匹敵する雪国ならではの厚い壁。
ボクはこの先やってくる冬将軍を前に、今の関係を維持することを諦めていた。
ボクは彼を見送った後、自分の部屋で泣きじゃくるしかなかった。
翌日からの仕事も一生懸命になれるはずもなく。
ボクは、その年のクリスマスを祝うことなく終えることになったわけで。
天気予報どおりのホワイトクリスマスを少しだけ憎む結果に。
あと半月ちょっとでクリスマス。
ココの日記を読んでくれてる皆様にも、聖夜が素晴らしいモノになりますように! |