2000年1月
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2000年1月10日(日)
昨日食べたパスタのラグー(パスタ日記参照)が残ったのでこれを使って
ナスのミートソースのスパゲティーにしてみた。前の晩からナスを輪切りにして塩を振って重石を乗せておく。一晩置いた後、出た水は捨てる。そうしてあく抜きされたナスをフライパンで空焼きして水分を飛ばす。こうしてできたナスを昨日残ったミートソースの中に混ぜ込んで火を入れる。ミートソースの油がナスに十分染み込んだところで火を止め作業終了。そして冷まして味を染み込ませる。ここまでは朝行った仕事。さて、昼になり腹が空いた。パスタを茹でる。昨日同様pezzulloの1.7mm。茹であがったスパゲティーを火のついたミートソースの入ったフライパンに放り込んで、手早く麺とミートソースを絡める。そして急いで食べた。
ふむふむ。昨日食べたときは
★★★★の評価であったミートソース・スパゲティー。普段なら、翌日のミートソースはより旨くなるものだが、本日のパスタは昨日のものより明らかに評価は落ちる。何が悪かったのか。火のついたフライパンにパスタを入れたのがいけなかったようだ。火を入れたことによって、乳化していたソースが麺の表面に乾燥して張り付いた状態となり、麺の表面がパサついてしまったのだ。なめらかな麺と乳化したソースが絡んだときに発生するあの独特のうま味を本日のこの料理では感じることができなかった。茹でたての麺はそのまま皿に盛って、その上にミートソースをのせるだけで大分味は違っただろうに。残念。評価
★★★。教訓:茹でたパスタに火を通してはいけない。餃子を作った。トゥーランドット遊仙境の脇屋友詩氏の「中国料理秘伝帳」1800円 柴田書店を先日購入したため、ここに書かれているレシピに沿って作ってみる。話は逸れるがこの本は非常に読んでためになる。プロ向きに書いてあるので「原価が安いので昼のランチに最適」等という記述があって楽しい。中国料理のコツが満載、読むだけで目からウロコが何枚も落ちる。
ところでわたしの料理上手でない原因の一つとして、レシピを守らないという点があると思われる。いつもレシピを見ては大体の入っているものを何となく確認して、大体覚えている手順で作り、ときどき気が向くとレシピに書いてないものを放り込んだりする、こんな行為がいけないのであろう。従って本日はできるだけこの本に書いてあるとおりに作ることにする。
白菜を茹でて微塵切りにする。合い挽き肉を塩、胡椒、醤油、胡麻油で味付けし、みじん切りした白菜と和える。これをワンタンの皮(餃子の皮がなかったのでこれで代用)で包み、フライパンで焼く。本来のレシピでは餃子の皮は強力粉で自作し、焼き上げる前に一度蒸すように指示されているがこれは素人には手間の問題からなかなか難しい。
そして焼き上がったワンタン餃子を食す。ムギュウ。皮の中の汁が飛び出してくる。普通、この皮の中がジューシーでおいしいってことになるんだけれど、本日のこれは中から飛び出してくるのは挽肉から出てきた余分な油。ジューシーと言うよりもオイリー。しかもその香りが何とも獣を感じさせる「まわってる」アブラって感じ。今まで人生で食べた餃子の中でもワースト3に入るまずさ。
なぜ、こんなにまずかったのか。
理由はいくつか浮かぶ。まず、合い挽き肉自体がまずかったのではないかという点。妻が近所のスーパーで100グラムあたり50円という記録的低価格で購入してきた合い挽き肉で、それ自体の鮮度や使用している部位のこと、そして本当に豚肉や牛肉が使われているのだろうかという本当は触れてはいけないかもしれない根元的な問題がこの餃子をこの様な味にしてしまった原因の一番の元凶と思われる。実際に凍っていたこの肉を解凍したときに、真っ赤なアブラ(ラー油色)がたくさん出てきたのであるが、なぜ、あのアブラはあんなに真っ赤だったのだろうか。考えると、怖い考えに行き着いてしまいそうなのでこれについてはこれ以上は考えないことにしよう。
そしてもう一つは、普段はふんだんに入れているニンニクやショウガを入れなかった点である。これは脇屋さんが悪い。レシピに書いてないのだから。「香味野菜は加えず、肉そのもののうま味を第一に」と書いてあるが、まずい肉を使っている場合は「肉そのもののまずさを引き立てる」ことになる。
プロ向けの本なんだから、この辺もはっきりと書いておいて欲しかった。「うまい肉を使うときは香味野菜は要らない、まずい肉を使うときは、香味野菜を入れよ」とか。
もう一つは脇屋さんのレシピではブタ挽き肉を使うことになっているが、本日使ったのは何の合い挽きかよく分からない合い挽き肉。これも敗因のひとつと思われる。
以上、本日の敗因についてわたしの落ち度は全くないと思われた。評価★。教訓:
餃子に安い肉は使うな。2000年1月16日(日)
本日休日のため、昼間からワインを飲みはじめた。チリ産のカベルネ・ソービニオン。これが今一つだった。ワインが悪いのではない。出来の良い、いかにもカベルネ・ソービニオンと言う味。わたしの好みとカベルネ・ソービニオン独特のあの煙い感じが合わないのである。
というわけでワインが残ってしまった。さてどうしよう。そうだ、牛頬肉の赤ワイン煮を作ろうと思い、酔った体に鞭打って買い物に出かけようとすると、妻にやめてくれと止められた。近所では牛の頬肉は手に入らないそうだ。それにそんな高価な食材を買ってきてまたまずいものを作られても、という考えもあるようだ。
ミートソース作りに精進することにした。まず買い物から。現在家にはブタの挽肉しかないと言うことなので合い挽き肉を買いに出かけた。近所のスーパーに行くと、本日も超お買い得100グラムあたり50円の合い挽肉が売られていた。先日の餃子で安いアブラっぽい合い挽肉には懲りているので、もう少し高いものを探したがあいにく合い挽き肉としてはこれしか売られていなかった。仕方ない。一番アブラが少なそうなパックを選んで買ってきた。確かにここのスーパーには牛の頬肉も、肩肉もすね肉も売ってなかった。
家に帰り着いてさて調理開始。オリーブオイルをフライパンにひき、レンジの火を弱火でニンニクとショウガ、そして鷹の爪を炒める。オイルに匂いが移ったらこれらを取り出す。そして微塵切りにしたタマネギ半分、ニンジン小1本を炒める。弱火でじっくり焦げないように。炒めているうちにしんなりしてきた。その後、ぱらぱらしてきた。味見をして野菜のシャリシャリ感が消えてきたところで、例の合い挽き肉約400グラムを投入。肉の赤い色が灰色に変わってきたところで一度軽く塩胡椒。うん、本日の肉はアブラが適量のようだ。そしてここで飲み残しのワインを注入。約200cc程か。強火にしてアルコール分を飛ばして煮つめる。そしてワインが煮詰まったところでトマトの水煮缶を入れる。一缶入れてみたが明らかにトマトが少ない。食料棚を探したがトマト缶はもう無い。一時調理は中断し、先程のスーパーまでまた買い出しに出かけた。しかし、このスーパーでみつけたトマトの水煮缶は200円以上。高い、高すぎる。仕方がないのでもう少し離れたスーパーまで足を延ばす。ここでやっと108円の水煮缶をゲットできた。
もう一缶のトマトの水煮缶を加えるとやっと色がミートソースらしい赤い色になった。あとはこれを煮つめていくだけだ。弱火で焦げないように中をぐるぐるかき混ぜていく。
大分煮詰まってきた。味見をしてみる。
また、この味だ。わたしがトマトの入ったソースを作るといつもこの味になる。少し水っぽくて、酸っぱくてトマトと周りとの味の調和がとれていない。わたしはこの状態を「トマトがとんがっている」と個人的に称している。なぜ、わたしが作ると「とんがった味」になるのだろう。よく自炊していた頃はトマトソースを作ると必ずこの味になっていたので「トマトソースってこんな水っぽくて酸っぱいものなんだ。あんまりおいしくない気がするけれど……。でも、食べ慣れるとこれがおいしくなるのだろうな」と一人で納得して食べていた。そのころは殆どイタリアンレストランで食べることなんて無かったので余計に思い込みが深かったものと思われる。結婚してから妻が作るトマトソースが酸っぱくも水っぽくもないことに気付き、そのとき初めて自分のトマトソースが間違っていたことが判明したのであった。
そして、ここでまた、あの懐かしい酸っぱい、水っぽいソースに出会ってしまった。さて、どうしよう。砂糖でも入れるか。しかし、砂糖には苦い思い出があるし……。あれこれ考えこんでいたら、また妻に気付かれてしまった。妻は味見をして一言、「塩が足りない」とのこと。言われるがままに塩を振る。もう一度味見をする。なるほど、確かに水っぽさが消え、酸っぱさもさほど気にならなくなり、何よりもトマトとその他の味の調和がとれるようになっている。塩ひとつでこれほど味が異なるとは今まで思わなかった。塩加減、おそるべし。
最後にパスタを茹でる。DE CECCOのpenne rigate。ごく普通のペンネである。湯を沸かし茹でる。あっ、塩を入れ忘れた。五分ほど茹でた後で気付いた。直ちに塩を投入。11分ほどで茹であがった。
直ちに湯を切り、皿に盛り、ミートソースをかけ、急いで食す。
うむ、ごく普通の味。まずくはないけれど感激するほどの味ではない。記憶に残らない味という感じ。あっ、ここでまたパルミジャーノを振りかけるのを忘れていたことに気付いた。イタリアの格言で「料理下手なシェフはパルミジャーノをたくさん使え」ということばがあるらしい。現在のわたしにピッタリの格言である。評価
★★★ 教訓:酸っぱくて水っぽいトマトソースには塩が足りない。料理下手なシェフはパルミジャーノをたくさん使え。
2000年1月23日(日)
トマトソースを作る。EVオリーブオイルを弱火にかけ、手でちぎったニンニクを入れる。タマネギの微塵切り1/2個、ニンジンの微塵切り1/2個、セロリ1/3本分を弱火でじっくり炒める。ソフリットがしんなりを通り過ぎてこってりとし始めた頃(約30分はかかる)、塩を加える。食べてみて、上品な甘みと塩加減の最良の調和を感じるくらいに炒めあがったところで、トマトの水煮缶を加える。あとは煮つめるだけ。塩を少し多めに加え、挽きたての黒胡椒を振りかける。本日はトマトソースが酸っぱくない。
それと並行してパスタを茹でる。本日もパスタはpezzulloの1.7mmスパゲティーを使用。
ゆでたてを皿に盛り、トマトソースをかけて、パルミジャーノをたっぷりとかける。
パスタのお供にはイタリアンワイン。本日はValpolicella 1997。非常に軽い、飲みやすい赤ワイン。赤だけれど、ライト〜ミディアムボディーの若飲みタイプなのでパスタに非常によく合う。
本日のトマトソースは上出来。パルミジャーノの恩恵もあずかって、良い出来。ワインとのマリアージュもあって幸せ気分満喫。
あまりにおいしくてお代わりした。パスタは今度はDE CECCOのpenne rigateを茹でる。茹で揚げたペンネをソースの入ったフライパンにぶちまける(このときにフライパンに火を入れないのがポイントだと思う)こうするとペンネの穴にパスタソースがよく染み込んでうまい。
本日のパスタは上出来だった。評価
★★★★ 教訓:ソフリットはそのまま食べておいしいと思うまでじっくりと炒めるべし