2000年9月

2000年9月3日(日)

昼食にフェットチーネのトマトソースを作った。フェットチーネはAGNESIのものを使用(パスタ日記8月28日を参照)。トマトソースはいつもと同じように作る。EVオリーブオイルとニンニクを火にかけ、少し色づいてきたところで火を止める。アブラの温度が下がったらトマト水煮缶を手で細かく潰しながら入れる。火を消さずにトマトを入れると油がスパークするので注意。もう一度火を着けて、中火で約20分煮込んでとろっとしてきたところでバジルの葉を投入し、塩胡椒で味を付けたら出来上がり。

最近は塩加減の問題を克服し(少ないと水っぽく酸っぱい)、出来るだけトマトを細かくするという技を覚えてからそれほど酸っぱいトマトソースを作ることもなくなってきた。作る腕が安定してきたら、素材、つまりトマト水煮缶の味がトマトソースの味を決める重要な要素であることが分かってきた。最近では鍋に入れて火を通す前に必ず一度味見をすることにしている。

本日使ったトマト缶はDELIZZIAというブランド。火にかける前に味見。うん、味がしっかりしている。甘みが深くて、コクと、酸味もきっちり効いている。おまけにもぎたての青い香りまでする。これは上々のトマトソースの出来る予感。だめなトマトはすぐ分かる。味のバランスが悪いのだ。甘みが強すぎたり、弱すぎたり、酸味が足りなかったり、全体的に味が水っぽかったり。

しかも困ったことに、この現象はトマト缶のブランドに依らないと言うこと。前回おいしかったからといって、次に同じブランドのものを買っても必ずしもおいしいとは限らない。まあ、農産物なのだからこれは当たり前なんだけれど。でも、当たり外れの多いブランドと、概しておいしいことが多いメーカーがあるような気はしている。わたしの好み的には、ハズレばかりというブランドも知っているが。

というわけで、本日のトマトソースはこの夏一番の出来。トマトの青い香りとバジルの清涼な香味が相まって爽やかさを醸し出す。酸味と甘み、コクが三位一体の極上のバランス。そして、このトマトソースをゆでたてのフェットチーネに絡めて供する。

バクバク。うーん、これはすごい。

トマトソースを纏った卵味のフェットチーネ。卵のなめらかさ、口当たりの良さがトマトソースの味をまろやかに変化させる。そして、幅広のパスタ特有のモリモリとした食感。ものすごい重量級。トマトソースの全てを背負うという仕事を楽々とこなしてしまう。今までわたしが1.6mmの太さのスパゲティーにこだわって頑張っていたのはなんだったのかと思ってしまう。シャベルカーとスコップくらいに違う。スコップの銘柄同士いくら競い合っても、ショベルカーにはかなわない。

それでも、今後もスパゲィーを茹で続けるであろう。なぜなら、わたしのパスタの原点がアーリオ・オーリオ・ペペロンチーニだから。幅広パスタとアリオリはどうしても合わないもんなあ。

 

評価★★★★★ 教訓:幅広パスタはあざといほどトマトソースと合う。

 

2000年9月9日(土)

本日夕食はキャベツのアンチョビソースのスパゲティー・アーリオ・オーリオ。これを作る予定だったのであるが、あまりに暑かったせいか余計なことをしてしまった。酸っぱ辛く仕上げようなどと思いついてしまったのである。しかも、調理中に。

EVオリーブオイル、ニンニクを火にかけキャベツを炒め、少ししんなりしたところでチューブに入ったアンチョビー・ペーストを塩代わりに垂らす。ここで味見をすると、上々の出来。そこまで来たところで、悪い癖がでた。「新しい味を作ろう」暑いから酸っぱく辛い味がいいのではないか。というわけで、この段階から鷹の爪を細かく切ってフライパンに放り込み、ソースに辛みが移ったと思われるまで再加熱。この加熱のせいでキャベツがしんなりを通り越してクターっとしてしまった。そして最後にレモン汁を加えることで酸味を加えた。味を見るのが怖くて、そのまま茹であがったAGNESIに絡めて皿に盛った。

さて、毒味の時間だ。

フグフグ。うーん、これはかなりまずい。

まず、辛みが全くソースに移っていない。これは原因は分からないが、後から唐辛子を加えたのが原因なのだろう、多分。それからレモン汁の酸味が全く独りよがり。ただときどき舌に酸味を感じるだけで、それによって味が向上することはない。存在意義が分からない感じ。これはソースに辛みが足りなかったせいなのか、辛みがあっても邪魔な味なのか、現段階では分からない。

最高に悲しいのはキャベツがおいしくなくなっていたこと。途中で味を見たときはあれほどうまかったのに。火を通しすぎたことによってキャベツの味が衰退の一途をたどってしまったようだ。変な気をおこさなかればいつものうまいパスタが食べられたのに……。

評価★ 教訓:うまいものが出来たときには、余計なことをしない

 

2000年9月15日(金)敬老の日

昼にfideua(フィデウア)を作ってみた。フィデウアってなんであるか。それは、スペインのある地方の郷土料理で、麺で作るパエリアなのである。「スペイン味な旅」という図書館で借りてきた本で見かけてから食べたくてたべたくて仕方がなくなった。しかし、この本にはレシピがないので作り方は勝手に考えてみた。

まず、EVオリーブオイルと微塵切りのニンニクをフライパンに入れて火にかける。ニンニクに火が通ったら、タマネギとニンジンの微塵切りを加え更に炒める。タマネギがシュンとしてきたら3pくらいの長さにパキパキ折ったスパゲティーを加え少し炒める。そしてそこに熱湯を加え、フライパンの火を弱め麺を煮る感じに仕上げる。麺に熱が通ったらもうそれ以上熱湯は加えず、少しお焦げができるまでそのままフライパンを熱する。焦げ臭くなる前に火を止めできあがり。

鍋をそのまま食卓に持ち込み、フォークですくってそのまま食べた。

うむ、香ばしい。表面の焦げ目の具合、パリパリとした食感が焼きそばを食べているような印象を与える。またそれ以外にも、パスタの印象がいつもと違う。いつもはパスタの茹で汁は基本的には捨ててしまう。しかし本日は茹で汁も何もかも一緒くたになっていて、蕎麦で言うところの蕎麦湯の部分のどろっとしたところがまるでアンかけのアンのようなものとして、この料理に参加している。この感じがまるで鍋焼きうどんを食べているような何ともいい意味での泥臭い、素朴な印象を与える。ウィークデーのピシッ、バリッとスーツで決めたビジネスマンではなく、無精髭が伸びたドテラを着た休日のオッサン。こちらもパスタのあり方として嫌いではない。が、いつも食べていたパスタ料理と全く違うものであることがよく分かった。

評価★★★★ 教訓:フィデウア、この奥深そうな食べ物。何となく今後、はまりそうな予感。

 

2000年9月16日(土)

夕食に餃子を作った。ここのレシピを参照にした。テレビは見ないが(ないが)ここのHPだけは時折チェックしている。

ほぼ、ここのレシピ通りに作って食べてみた。

ふうむ、何故だか餃子の皮って焼いているうちに破れてしまうものぞ。破れないのは大体いつも2割くらいのなのだ。他の8割の根性がないのか。

餃子自体は非常においしい。隠し味に入れた貝柱が妙なうま味を放出している。破れていない餃子はかぶりつくと中から豚の旨みのエキスがジュワッとしみ出てくる。やはり餃子は外で食べるものではないと思った。家庭で作ってこそのメニューの最たるものであろう。

評価★★★★★  教訓:餃子は作って食え。

 

2000年9月17日(日)

朝食は昨日のうちに作っておいたラグーをスパゲティーで食べた。ラグー自体はいつもと同じ素材を使って同じ手順で作ったので詳細は省略。

一日置いたラグーは昨日あまり煮込んでいないせいか(トマトを入れてから20分くらいしか煮ていない)、翌日になってもあまり混沌とした変化は見られない。どちらかというと、まだにわか炊きといったフレッシュな感じを残している。

スパゲティーはDE CECCOを使った。

茹であがったらラグーを絡めて食べる。

DE CECCOは相変わらず筋肉質。ラグーもよく絡む。以前、フェットチーネはシャベルカーでスパゲティーはスコップだと言ったけれど、DE CECCOのスパゲティーはトラクターくらいの実力はあると思う。その他にも、食べている間に味や硬さが殆ど変わらないという長所も持ち合わせている。これはプロにとって多分嬉しい性質だと思う。

評価★★★★ ラグーとDE CECCOとの相性★★★★ 教訓:最近安売りされていることが多いけれどDE CECCOはかなりお買い得なパスタであると思う。