2001年9月
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先日、新聞の夕刊に中華料理店「周之家」が中華料理のコンテストを行うという記事が出ていた。これに参戦しようと決めた。私には先日作った、鶏ゴボウ、バジル風味がある。これを
饅頭の具にしよう。締め切りまでの試行錯誤をここに残しておくことにする。基本姿勢:ゴボウの土の香りを生かす味、香り付け
アイデア。豆
豆支を加えるディジョン・マスタードを加える
準備:横浜中華街で直径27センチの中華蒸籠を購入。
2001年09月01日(土)
本日試作1回目。
レシピ、ネットで拾ったまんじゅうの皮のレシピを使用。12個分のレシピを半量にして6個作った。
皮(6個分)
薄力粉(All purpose flour) 100g
強力粉(Power flour) 50g
牛乳 1/4カップ(室温)
サラダ油 大匙1(オリーブオイルに代えた)
イーストミックス
ドライイースト 大匙1/2
砂糖 大匙1/2
ぬるま湯1/4カップ
ボールにこの3つをいれて、発酵するまで約10分待ちます。
ボールに小麦粉をいれて、イーストミックス、牛乳、サラダ油を入れて、手でまとめながら混ぜます。生地がまとまってきたら、手の平でのばしてたたむ、といった動作を繰り返します。生地の表面がなめらかになったら、丸く形をととのえて、サラダ油をうすくぬったボールにいれて濡れ布巾でカバーをして暖かいところで約2倍になるまで発酵させます。約30〜40分
以上の指示に基づいて皮を作った。
発酵を待っている間に具を作ろう。使用食材の量は以下の通り。ゴボウ2本、ニンジン1本、鶏肉170グラム、バジルの葉小10枚。ニンニク一片、EVオリーブオイル適量、鷹の爪2本、白ワイン少量、パルミジャーノ・レッジャーノ適量。
ゴボウは笹掻きにして水にさらしておく。ニンジンはアラレ大に切っておく。鶏肉は一口大に切っておく。ゴボウの半量、ニンジン、鶏肉をそれぞれフードカッターにかける。ゴボウの残りの半量は少し大きめの微塵切りにしておく。EVオリーブオイル、ニンニク、鷹の爪でアーリオ・オーリオ・ペペロンチーノを作り鶏肉を炒める。鶏肉が炒まったらニンジン、ゴボウを加えてさらに炒める。水気が抜けてパラッとしてきたら白ワインを加えてしっとりとさせる。軽く塩味を付けて、削ったパルミジャーノ・レッジャーノを熱いうちに混ぜ込む。これを冷まして具はできあがり。
発酵した種を6等分して円盤状に伸ばす。これがあまりうまく伸びてくれない。妻が言うには「コネが足りない」らしい。あとで本を調べてみたら、種が手やボウルに付かなくなるくらいまで、こねなくてはいけないらしい。
種が大きく広がってくれないから具も少量しか入らないし、何しろ皮が破れてしまうのが悲しい。皮は中央を厚めにとらないと破れやすいようだ。
まあ、何とか形になったものを蒸し器で蒸すこと18分。
うーん、見た目はなんだかおいしそう。
ガブリ、かぶりついてみる。パルミジャーノの香りが小麦粉の皮の香りとミスマッチ。ウゲッて感じ。具の塩気が足りなくて味がよく分からない。皮の甘みが足りないし皮が粉臭い。練りが足りないせいか皮が少しパサパサしている感じ。
本日の点数
★★本日の問題点:粉のコネが足りない。砂糖が足りない。パルミジャーノは合わないかも。具のジューシーさがなかった
次回のポイント:砂糖は小麦粉の10パーセント入れる。塩を粉の1パーセント入れてみる。手に付かなくなるまでこねる。パルミジャーノを入れずに代わりに芝麻醤、オイスターソース、片栗粉などを使用してみる。鶏肉のひき肉は加熱しないで使ってジューシーさを出す。但し、ゴボウとニンジンは炒めて使ったほうがおいしいと思われる。
というわけで次回用レシピ。アーリオ・オーリオ。ペペロンチーノでゴボウとニンジンの微塵切りを炒める。鶏ひき肉に上記を加え、塩、コショウ、オイスターソース、芝麻醤を加えて、最後の少量の片栗粉を入れ込んで具は完成。さてどうなるでしょうか。
2001年09月06日(木)
午前中は休み。というわけで朝から作業開始。
まず
饅頭から。粉のレシピは前回と同様。しかし、ここで、前回強力粉だと思って使用した粉は薄力粉だったと判明。その上、前回は水と、牛乳の量が倍量だったと分かった。通りで水っぽい、こね甲斐のないフニャけた生地だったと納得。本日は粉の量も、水の量もあっている、ようだ。それからレシピの倍量の砂糖を使った。前回、あまりに饅頭に甘みが足りなかったからだ。こねているうちに粉が次第に手に付かなくなってくる。そう、そう、そんな感じ。以前にパスタを作った時を思い出す。前回は水分量を違えたせいと思うが、ただただ、ベチョベチョするばかりで、全くまとまらなかったのとは大違い。生地の表面に艶が出てきたところで丸くして、表面に濡れた紙をおいてそのままおいておく。
本日は具は全て炒めない方針にした。短いゴボウ1本、中位のニンジン半分、ニンニク1片、バジルの葉小さいもの10枚をフードカッターで微塵切り。鶏ひき肉170グラムと上記の微塵切りのうちの2/3位の量を混ぜた。塩、コショウ、一味唐辛子、醤油、紹興酒、ゴマ油、オイスターソース、花椒、片栗粉を適量加えこねる。最後に2つのグループに分け、片方にだけ芝麻醤を小さじ1杯分(5グラム)入れた。
さて、味見だ。
パクッ。皮がやっぱり甘くない。囓ったときの喜びが感じられない。生地は十分に練った筈なのに皮があまり膨れていない。ぼそぼそとした印象。素朴だけれどこれじゃあ嬉しくない。もっと羽のようなふわふわ感を予想していたのに。
中身は味付けが塩辛すぎた。芝麻醤が入っているほうが少し味がマイルドな感じ。ゴボウの味は少し控えめに伝わってくる。これは生のまま使用したためか。鶏の味が今一つ引き立ってこないのもゴボウの味が弱いせいか。一言で言うと具の味が外側までふくらんでこない。中でこじんまりとまとまっている感じなのだ。
具と周りの皮との相性も疑問符。この中身つまりゴボウと相性がいいのは小麦粉の焦げた香りなのではないか。というわけで、表面に焦げめのない饅頭とゴボウを合わせるのは諦めたほうが良さそう。
評価
★★★本日の問題点:味付け濃すぎ。饅頭とゴボウの味が合わないと言う構造的、根本的な問題点が浮上。
次回のポイント:鶏肉を豚に変更して肉の中の油を増やし、具をジューシーにしてうま味をアップ。ゴボウとニンジンは炒めてから使う。皮を焼いたニラ饅頭のようなものを作る。
2001年9月9日(日)
昨日はヘイチンロウの饅頭セットを買ってきて研究。肉まん、あんまん、野菜饅の3個の入った970円のセット饅を勤務帰りのデパ地下で購入。家に帰って早速、蒸籠で蒸して試食だ。
まず、肉まんから。なんだかフツーの味。おいしいけれど突き抜けるものはない感じ。
野菜饅はジューシー。サクサクと咀嚼のリズムを刻むタケノコとネットリとした椎茸の取り合わせが素晴らしい。うま味も十分である。肉類が一切入っていないのに食べた後に十分な満足感を残すのは何故なんだろう。
あんまんはアンがうまい。言うことない。
どの皮も甘くてこれだけ食べても十分においしい。コンテストで優勝を狙うのであれば、これくらいの皮が作れないと意味がない。というわけで、饅頭系でのエントリーは諦めて、別の道を考えることにした。
というわけで、ニラ饅頭のニラをゴボウに代えて、「
ゴボウ饅頭」を作ることにした。まず、皮から作る。このために「粉から始めるレシピ」なる本を購入してしまった。この餃子の皮のレシピを使用した。
ごぼう饅頭 12個分
皮の生地
強力粉 75グラム
薄力粉 25グラム
熱湯 60ml
塩 少々
粉と塩をボウルの中に入れ、熱湯を注ぐ。フォークで素早くかき混ぜ、粗熱がとれたら手でこねる。表面がしっとりときめ細かくなってきたら、ラップに包んで生地を休ませる。この間に具を作る。
具
ゴボウ 1本
ニンジン 中半分
レンコン 50〜60グラムくらい?
豚肉 150グラム
ニンニク、生姜 各1片
EVオリーブオイル、ゴマ油、紹興酒、醤油、塩、コショウ、オイスターソース 適量
がぶり。じゅわー。豚の脂がしみ出る。皮が甘い。前回は砂糖を入れたのにちっとも甘くならなかったのに、本日は砂糖を入れずに十分な甘み。どうなっているんだ。
ゴボウも少し弱いけれど存在感はまずまず。特筆すべきはレンコン。サクサク感が上等のビートを奏でている。ゴボウをもっと感じさせるためにはゴボウをもう少し大きくする(ささがき→粗みじんぐらいに留めておく)などが必要か。
味としては、香味野菜(ネギなど)を入れたくなる。あ、バジル入れるの忘れていたせいだ。辛みの元、鷹の爪も忘れていた。
このゴボウ饅頭には酢醤油が非常に合うけれど、具の中に酸っぱい感じのものを入れておいても良いかも知れない。例えばケーパーを細かくしておいたものなんてどうだろうか。
評価
★★★★本日の問題点:入れるべきものを忘れた。
次回のポイント:バジルを忘れない。鷹の爪を忘れない。ケーパーを忘れない。ゴボウは半分フードカッターに、半分は粗みじんにする。肉はもしかしたら鶏のほうがいいかも知れない、オリジナリティーという点から言うと。次回は多分最終のレシピとなる予感。レシピが固まったら鶏と、豚でもう一度試そう。
夕食には
ゴボウの炒飯を作った。ゴボウ 1本、ニンジン 中半分、レンコン 70グラムくらい。牛挽き肉150グラム。
アーリオ・オーリオ・ペペロンチイーノで上記野菜の微塵切りを炒める。そこに牛ひき肉を加え炒め、塩、コショウ、オイスターソース、醤油、紹興酒、ゴマ油を加える。バジルの微塵切りを放り込んで、水と片栗粉を加えてとろみを付けて出来上がり。卵炒飯を作ってアンをかけてできあがり。
食べる。
卵炒飯は土鍋炊き立てご飯で作ったので、パラパラかつ、中身はしっとり、ホックリと最高の出来上がり。ところが、ごぼうのアンをかけて食べると、おいしいのだけれど幸せ度が下がる。夢中で食べまくってしまうというふうではなくなってしまう。牛肉を入れると、香味野菜が欲しくなってしまう物足りなさ。ごぼうが入っているっていうのに……。これは改良が難しそうなので、炒飯での参戦は諦めることにした。
2001年9月13日(木)
ごぼう饅頭
を相変わらず作る。皮は前回と同様にして作りラップに包んで休ませておく。本日は肉としては鶏肉を使用する事にした。ごぼう1本、ニンジン1/3本、レンコン50グラムくらいをフードミキサーで微塵切りにする。上記をニンニク、ショウガの微塵切り、唐辛子の輪切りをいれたEVオリーブオイルで炒める。変わった風味、食感のソフリットとなる。鶏もも肉をバジルの葉と共にフードミキサーで挽き肉状にして塩、コショウ、紹興酒でした味を付ける。そしてソフリットと肉、そしてオイスターソース、醤油、ゴマ油、ケーパー15粒くらいを細かく切ったものを混ぜ込む。最後にまたパルミジャーノが入っているものと、入らないものの2種類に分けて作った。
種を皮で包んで、フライパンで焼いて食べる。
うまそうな焼き目。
パルミジャーノが入っていないほうは、ぱっとしない味。まずくはないけれど、グッと来るものがない。内容物そのまんまという感じ。パルミジャーノが入っているほうはその分だけうま味がアップしているけれど、途轍もなくうまいものをたべたときの、あの、突き抜けていくものがない。もっと、しみじみとした「まあ、おいしいんでないの」といった感じ。些細な点として気付いたことは、パルミジャーノが入っているほうがバジルの香りが立つと言うこと。
とにかく、今一つ、二つである。なにがいけないのか、分からない。かなり期待していたので、ガッカリ度も大きい。
本日の問題点:鶏を使ったこと?ごぼうを微塵切りにしたこと?
次回のポイント:豚肉を使う。パルミジャーノの代わりにモッツァレラチーズを使う(豚の背脂の代わりに)。ごぼうを大きめに切ってみる。
2001年9月14日(土)
そろそろレシピを完成させないと。締め切りは明日である。なかなか、これだっ、というものができないので、少し焦ってきた。
本日も
ごぼう饅頭をしつこく作る。ごぼう中1本をささがきにして水にさらす。これを少し粗めの微塵切りにする。ニンジン半分とシイタケ2本を粗めの微塵切りにしてフードミキサーにかけて細かくする。これらを上記をニンニク、ショウガの微塵切り、唐辛子の輪切りをいれたEVオリーブオイルで炒める。このとき少し、塩味を付けておく。最後にレンコンをフードミキサーにかけたものを加えてちょっとの時間炒め、できあがったら冷ましておく。
豚肉の肩ロースの切り落としを包丁で細く切ってから90度回転させ、さらに細かく切り、まな板の上でたたいて、ミンチ状にする。これに塩、コショウ、紹興酒で下味を付けて軽く揉んでおく。先程の炒めたものを加え、醤油、オイスターソースを垂らしてよくこねる。具はこれでできあがり。
次に皮を作る。皮はいつもの通りに作った。昨日の夜に作ったので12時間ほど冷蔵庫で寝かせたことになる。
本日はバジルは使用しないことにした。大葉とセージを微塵切りにしないで、それぞれ、そのまま入れてみることにした。そして、具の中央にはモッツァレラチーズをひとかけら入れておく。うーん、何という贅沢。
そして、フライパンで表裏を弱火でそれぞれ3分くらい焼いてできあがり。おいしそうな焼き目。
さて食べてみよう。本日は酢を切らしていたので、からし醤油で。使用したからしはディジョンマスタード。かぷっ。じゅ。わき出る肉汁。豚からの脂。大場の香りが芳しい。からし醤油がマヨネーズのように作用しコクと酸味を与えてくれて、この饅頭の味と非常にマッチしている。肝心のごぼうも本日は大きく切ったせいか存在感十分。歯ごたえはレンコンのサクサク感と共に、ザクザクと心地よい。そして、モッツァレラのうま味が加わる。セージを入れたほうは清涼感溢れる香りでこちらは私の好みにジャストフィット。でも多分普通の日本人にはこの味は強烈すぎるし、香りの好き嫌いが強すぎて合わないと思う。
本日はよい出来であった。ただ、モッツァレラは入れればおいしくなるけれど、この饅頭の本質として必要ではないと思われる。本番には入れないことにしよう。というわけで、応募レシピは完成だ。
本日の問題点:モッツァレラは蛇足。
次回のポイント:今回ので完成。次回はとりあえず無し。
完成レシピ:
材料
ごぼう饅頭 12個分
皮の生地
強力粉 75グラム
薄力粉 25グラム
熱湯 60ml
塩 少々
具
ゴボウ 中1本
ニンジン 中半分
レンコン 50〜60グラム
シイタケ 2本
豚ひき肉 150グラム
ニンニク、生姜 各1片
唐辛子 1、2本
シソの葉 12枚
サラダ油、ゴマ油、紹興酒、醤油、塩、コショウ、オイスターソース 適量
2001年9月15日(土)
おいしいシュウマイで有名な崎陽軒が「特選海鮮シュウマイ」なるものを限定販売するという情報を入手し、開店20分前に着くくらいの時間に行った。横浜駅前にある本店。現地に到着すると既に行列ができている。列尾を探して建物に沿って歩いていくと、「完売」と書いてある看板を持った人が見えた。しまった、やられた。遅かった。せっかくの祭日に横浜駅まで出てきてこんな目に遭うなんて。すっかりぐれてしまった。
中華、中華。頭から中華が離れない。
夕食に家で中華おこわを作ることにした。レシピはELLE donichef 2001年10月号 特集「蒸してみる?」のなかにある中華おこわのものを使用させてもらった。
もち米を洗って3時間くらい水につけておく。ニンニク、ショウガ、ネギの微塵切りを油で炒め、角切りの豚肉、タケノコ、乾しシイタケ、干しエビ、(干した物は水で戻してから)を加え、さらに炒める。醤油、紹興酒、芝麻醤(ゴマ油がなかったので代わりに使った)を加え、鶏ガラスープで煮込む。そこに水を切ったもち米を投入し、水気がなくなったら火を止め、蒸籠に入れて20分蒸してできあがり。
さて、たべてみよう。
ふむ、ふむ。ホクホクだ。豚肉のアブラがうまい。それぞれの食材がそれぞれの仕事を確実にこなしながらも、一つの方向に向かって大きなベクトルを形成している。まるで、気持ちのいいバンド演奏を聴いているよう。
この料理は、コツや勘などはほとんど必要とせずにできる。料理というほどのものでもないかもしれない。誰が作っても、分量さえ間違えなければ同じ味をだせると思われる点から、初心者向けの料理であろう。しかも、食べたときのときの喜びはかなりなものであるし、蒸籠からの湯気も幸せ度をアップさせてくれるし、こういった点からも料理が初めて人にとってはいいのではないか。
評価
★★★★★ 教訓:さあ、みんなも、蒸してみよう!
2001年9月22日(土)
ラフテー(
豚のバラ肉の沖縄風煮込み)を作ることにした。沖縄料理には以前、途轍もなく苦いゴーヤとひき肉の炒め物を作って痛い目を見た経験がある。ここで旨いものを作って、形勢逆転したいところ。使用レシピ豚肉バラかたまり肉400グラム、泡盛700ml、大根半分、砂糖1/2カップ、醤油1/2カップ、削りカツオ1/2カップ。
バラ肉は泡盛100mlを振り掛けてよく揉んでおいておく。しばらくしたら、たっぷりの水から弱火で一時間ほど茹でる。茹でたらバラ肉を一口大に切って厚めの輪切りにした大根と一緒に鍋に入れ、泡盛600ml、砂糖1/2カップ、醤油1/4カップで落としぶたをして一時間煮る。一時間経ったら残りの醤油1/4カップと削りカツオをいれてさらに煮込む。30分ほど着込んだら出来上がり。
試食は翌朝の朝食の時に行った。ついでに豚バラ肉を煮込んだときに出た、豚のだし汁が残っていたのでこれを使って朝粥をつくることにした。フライパンに油をひいて米を炒める。そこに干しシイタケ、干しエビを戻したものを汁ごと混ぜる。そこに沸騰させておいた、だし汁を少量ずつ足していく。米が底で焦げ付かないように気を付けながら少しずつかき混ぜる。米の硬さを見ながらだし汁を足していく。好みの硬さになったら塩で味を付けてできあがり。本日はラフテーという濃い味のかたまりがおかずなので塩気は少な目にしておいた。
さていただきます。
まず粥を一口。むー。干しシイタケと干しエビの香りがふんわり。そして、米の甘みがふわーっと心地よい。次いでラフテーを一口。柔らかい。特に脂身の部分なんて舌の上でほろほろと溶けていくような柔らかさ。肉の部分はしっかりと泡盛のうま味を吸い込み、醤油の香り、砂糖の甘みが良いバランスで舌に迫ってくる。味が濃いめなので粥の中で少しほぐすようにして食べると丁度良い。大根は肉ではないのに肉を食べたかのような満足感。スポンジとしての仕事を十分に果たしている。うま味の汁を全身に取り込み、食べたとき、噛み締めたときにジュワーっとそれを放出してくれる。
評価
★★★★★ 教訓:買ってきた泡盛をほぼ一本丸ごと使ってしまう料理。味からするとそれだけのことをする価値はあるが仮に商売として考えたらコストかかりすぎ。(泡盛880円:近所の酒屋で売っていた中で一番安かったもの、プラス豚バラ塊肉440円、プラス大根150円など)原価だけで1400円から1500円もしてしまうのだ。
2001年9月23日(日)
前から欲しかった出刃包丁を購入。老舗、木屋製のハガネの包丁とヘンケル製のステンレスのとどちらを買うかしばらく売場で悩んでいたのであるが、錆びないという点からステンレスを選択した。うちには砥石もあるし、手入れをしていればステンレスだってそれなりに切れるはずだ。現に今使っている家にある唯一の包丁もヘンケル製のステンレスの牛刀なのである。就職して一人暮らしをはじめる際に購入したものだ。最近は週に一度、休日に研いでいるのであるが、素人が研いだものでも結構切れるようになるものだ。
別の店で魚のウロコ取り器も買って、準備は万端。スーパーで尾頭付きのイサキを購入した。さっそく家に帰って魚をさばこう。
まずは、ウロコ取りから。魚のしっぽをつかみ、器具を使って尾から頭のほうに向かってしごいていくと面白いようにウロコが剥がれてくる。ポイントは魚の下面だと思う。ウロコがなさそうに見えて、しごくのを忘れるので、うろこが残りやすい場所である。
水洗いをしたら魚の頭を右に向けてまな板の上に置く。さて、出刃の出番だ。まず、エラのところで頭を落とす。初めてだったので、少し後方で切ってしまい、少々勿体ないことをした。次いで、腹を割いて内臓を取り出す。一度軽く洗った後、背骨に沿って包丁を当て、半身を切り出す。初めてにしては上手にできた。ついで、ひっくり返して、もう半分を切り取る。うーん。見事に3枚におろすことができた。何だ、思っていたよりもずっと簡単ではないか。これだったら余程、メスの使い方のほうが難しいと思う。
おろした身はEVオリーブオイルとニンニクと鷹の爪で炒めて食する事にした。本日、合わせるワインはイタリアのキャンティー・クラシコの予定だったのだけれど、酸化していて飲めた代物ではなかったので、モンテプルチアーノ・ダブルッツォに変更。
アーリオ・オーリオ・ペペロンチーノ仕立てのイサキの炒め物はとても柔らかく味わい深かった。ワインもうまくて至福の世界に。
評価
★★★★ 教訓:魚をさばくと台所がしばらくずっと魚臭くなる。だから、切り身が売れるのだな、と初めて理由が分かった。2001年9月24日(祝)
からしライス
を作った。からしライスとはなんぞや。これはかの有名料亭、青柳の主人であるところの小山裕久氏の著作「幸福の食卓」100のヒント、という本の中に見つけたものである。鶏肉と野菜を煮込んで、そこにディジョンマスタードと八丁味噌、濃口醤油で味を付けると書かれている。本日は鶏肉がないので豚ひき肉で代用(レシピには、必ず鶏を使用のこととかかれているが……)八丁味噌もないので普通の味噌を使用した。アブラとニンニク、ショウガの微塵切りを鍋に入れて火にかける。香りが立ったら、くし切りしたタマネギとひき肉を入れて炒める。次いで乱切りにしたナスを加えて炒める。しばらくしたら赤ワインを振り掛け、肉に吸わせる。ワインが飛んだら水を加え、ジャガイモを加えて煮込みの開始。しばらくして芋が煮えたら、ディジョンマスタードを加える。良くかき混ぜて味を見る。なんだかいろいろと足りない味。味噌と醤油を加えたら何とかなるだろうと思い、次にすすんだ。味噌を加えて味見。少しの甘みと郷愁を誘うような感じは出たけれど、味的にはピンとこない。醤油を加える。塩分が増えて、味がはっきりとし、醤油が多少,キリッと風味を引き締めてくれる気もするが、やはり何かが足りない。足りないのは酸味かと思い赤ワインビネガーを加えてみる。ぐっと酸っぱくなったけれど、ますますご飯に合わない方向の味になっている。慌てて塩を振って強く煮込んで酸味を飛ばした。何とか食べられる味になったので、炊き立てのご飯(これも水分量を間違えて少しコワく炊きあがってしまった。最近、米は土鍋で炊いているので、うまくいったときとダメなときの差が激しい)と一緒に。さて一口。
「?」
感想が出てこない。なんだか理解不能。おいし過ぎて理解不能というわけでは勿論ない。本当によく分からない味なのだ。でも一応食べることはできる。妻は一言「なんだか、置いといてダメになった煮物みたいな味」という評をくれた。酸味が余分だったみたいだ。でも、味見した段階から考えると、酸味がなくてもこれはあまりおいしくなかった。というわけで、これがおいしくないのはレシピのせいだろう、ということにしてしまおう。レシピで重要としている点で別のものを使ったり、マスタードの量をレシピの半分しかつかっていなくてもだ。
評価
★ 教訓:二人ともお代わりしなかったのでもう一食分増えた。仕方がないのでカレー粉を混ぜ込んでみたらこれが立派なカレーになった。本当にカレー粉様にはいつも世話になるのう。困ったときのカレー粉頼み。
2001年9月29日(土)
餃子
を作った。本日は以前に大失敗した「脇屋レシピ」で再チャレンジ。この半人前調理人のごく初期(2000年1月を参照)につくったこの餃子のレシピのポイントは「香味野菜は加えず、肉そのもののうま味を第一に」である。そのときは近所のスーパーで手に入れた超激安合い挽き肉を使用したのが敗因で、今までに食べたことがないくらいにケモノ臭い代物ができあがった。本日はそんな失敗は起こさないように、素材の段階から慎重に選んだ。本日の特選素材は鹿児島産黒豚のひき肉。デパ地下まで行ったらグラム98円という特価で売っていた。その他には1/4カットの白菜を購入してきた。
まず、皮から作る。餃子の皮のレシピは前述のゴボウ饅頭と同じ。しっかりと練りあげて、生地がしっとりしてきたらラップに包んでその辺においておく。
次いで白菜を電子レンジでチン。しんなりしたら、みじん切りしておく。次いでひき肉。今回も例によって2種類の作り方を試みた。一種類は脇屋レシピに書いてあるとおりに「主役はジューシーな肉の旨みにある。潰さないように軽く合わせて、ジューシーなおいしさをさらに強調する」ことに徹することにした。ひき肉に軽く塩コショウをして、肉と同量の微塵切りにした白菜を加え、醤油、ゴマ油を少々垂らす。その後、こねないように気を付けながら、混ぜる程度にした。もう一種類はよく巷のレシピにあるように、白っぽくなるくらいまで指先で肉をよくこねてから、先と同様に白菜、調味料を加え、さらにそこからもタネをこねてから使用した。
手作りの皮を丸く伸ばして、タネを包む。ここから、脇屋レシピでは一度蒸してから、焼けと書いてある。本日はこれに従った。蒸籠に紙をひいて10分ほど蒸す。
蒸しあがりを試しに2個ほど食べてみる。酢醤油に付ける。
皮を噛み締める。じゅう。中からしみ出る豚のアブラ。市販のものよりも厚いためか、皮の歯ごたえがかなりあり、もちもちしていて食べ応えがある。出来立ての熱々を頬張る幸福感。
次いで、これをアブラをひいたフライパンで熱して、焦げ目を付ける。蒸籠に敷いた紙から餃子をはがすときに、餃子の皮の一部が紙に張り付いてしまい、無理にはがすと皮がむけてしまった。
しかし、なんとか蒸した後に焼くということに成功。これも食べてみよう。
ふむふむ。やはり御飯と合わせるのであれば、表面のカリッと焦げたこの感じは必要であろう。肉がよいためか肉のくさ味といったものを本日は全く感じない。
2種類の餃子の違いもよく分かった。練りを控えたほうは皮に囓りついたときに、じゅ、と油が出てくる。よく練ったほうは皮の中の種にかぶりついたときに、じゅ、とジューシーさを醸し出す。つまり、よく練ると、アブラは餃子内のタネの中に局在し、練りが少ないと餃子の皮とタネの間に大量にアブラがしみ出すのだ。
餃子の皮をかみ切ったときにわき出るアブラは印象的である。しかし、タネの中に局在するアブラも捨てがたい。どちらも同じくらいにおいしいと思った。その先は好みであろう。ハンバーグだったら肉を練らないとうまみが外に逃げ出してしまうけれど、餃子の場合は肉を練らなくても、肉から逃げたうまみは皮で囲まれて閉じこめられるのである。
評価
★★★★ 教訓:よい肉だったら香味野菜はなくてもいける。しかし、よい肉、悪い肉って実際のところどこが違うのであろうか。新鮮さ?産地?部位?種の違い?値段?
2001年9月30日(日)
昼食にラザニアのアーリオ・オーリオ、パルメザンチーズ掛けを作った。食料庫の中で遭難していたラザニアを発掘。これを何とかして食べなくてはいけない。トマトソースを作ってモッツァレラと層状にしてオーブンで焼くのが本筋だろうがそんな仕事量をこなす気分ではない。ラザニアを半分に割って茹でて普通のパスタとして使うことにした。
これを塩水で煮て、アーリオ・オーリオのフライパン内に加え、そこに塩、コショウをしてパルミジャーノを削って振り掛けできあがり。
ラザニアの生地はスパゲティーとは味が異なると思う。スパゲティーであれば涙が出るくらいにおいしい筈のこの料理法でも際だったおいしさを感じることができなかった。
やはり、アーリオ・オーリオ系のシンプルな食べ方は麺のうまさを楽しむものである。幅広パスタのようにそのもの自体の味を楽しむというよりも、ソースを乗せてそのソースの味を楽しむという本来、脇役的な使い道をするものを抜擢しても、今一つピンとこないのだ。
評価
★★★ 教訓:適材適所夕食に再び脇屋レシピから
蠣油豆腐(豆腐のオイスターソース煮込み)を見つけ、これを作った。元々のレシピは豆腐を焼いてオイスターソースなどの煮汁で煮込むというシンプルなものである。しかし、ご飯のおかずにはそれだけでは少し寂しい。冷蔵庫を漁って、豚細切れ肉、ニンジン、白菜を発見。これを加えることにした。ショウガの微塵切りを油で炒めて、そこにニンジンの千切り、豚細切れ肉、ネギを加えてさらに炒める。香りが出てきたら紹興酒、オイスターソース、醤油を加え水を足す。ここに白菜を入れて砂糖を少々加える。そこに先に水抜きし、長方形に切り揃え、炒めておいた豆腐を加えて煮込む。しばらく煮込んだら味を見て、塩気を醤油で調節。片栗粉でとろみを少し強めにつけてできあがり。どんぶりにご飯と一緒に盛っていただきます。
ハフハフ。片栗粉を入れてとろみを付けるとなかなか温度が下がらないメリットがあるが、その分口内をやけどしそうになる。味付けを少し甘めにしたのが功を奏し、非常にご飯とマッチする。我が家の日常のおかずで登場する肉の役割は大概、だしとしてである。肉を食べるぞ、肉がメインだぞというものはあまりない。例えば、豚肉のしょうが焼きなどというメニューはほとんど食べない。野菜を如何においしく食べるか、それが大事で、そのために肉をダシ代わりに少し入れておく。そんなスタンスなのである。本日のこのおかずは豆腐とニンジンが主役。メインの脇役が豚肉とオイスターソース。作るときには何にもそんなキャスティングを考えずに作ったのであるが、できあがって食べたらそのような構造を成していることに気づいた。ニンジンを炒めて香ばしくなっているのが意外に効果的で、一気に主役に登りつめてしまった。
評価
★★★★★ 教訓:たまには足し算してもうまく行くときもある。