古い料理本 二

少し前の西洋料理の本は、クラシックでオーソドックスなので、今の家庭料理としては
重すぎるかな、という感じなのですが、私自身、本当にすごくおいしいものが食べたい!
というときには、やはりクラシックに作るほうがおいしいと思っているクチです。


   

↑川上のぶさんの「私のフランス料理」と「私のフランス菓子」柴田書店
 川上さんは昭和34年にフランスへ渡り、ホテルオークラに勤務された方だそう。
 どちらも料理をアップにとらえた写真ばかりで迫力があるのだけど、アップに
 耐えうる仕事の丁寧さがうかがえます。それでいて美しく見えることだけに気を
 配ってはいない大胆さも・・少し日焼けした本で古びているのにおいしそうに見えるんです。

   

↑ホルトハウス房子さんの本は私のタカラモノです。
 ずっと前雑誌にホルトハウスさんの料理を「大胆かつ細心」「磨きぬかれた美意識」と書いて
 あって、そのとおりに思えるなぁと感じたものです。チーズケーキが有名ですが、私は
それ以外のお菓子を食べたほうがポリシーや個性を強く感じると思います。
家庭料理・家庭のお菓子をどうとらえているのか、おいしいものを作るってどういうことなのか、
本を読むとすごく伝わってきますし少しでも見習ってみたいと思うのです。
パンの本、中華鍋の本、お米の本、は、ホルトハウスさんの料理ではなくて監修だけを担当
されていて、クイックフォックス社の出版で訳本ですが、このシリーズとても面白くて好きです。
味の想像がつかない料理がたくさん(笑)。

   

   

↑堀井和子さんが本や雑誌で紹介されていた本を集めてみました。
 友人が見つけてくれたものもたくさん・・感謝しきれません〜、ありがとうございます★
 福知千代さんの料理は、まだ本を見て作ったことはないのだけど、その風格みたいな
 ものは前よりは理解できるようになってきてる気がする。和食が好きになってきたからかな。。
 「魅惑の南仏料理」は非常に濃厚な印象。普通のフランス人だったらめったに食べない
 高級料理よりも、太陽に育てられたトマトやオリーブを重視し、「絶対においしい
 良い料理」ばかりを並べたという本です。春田氏の料理に対する強い思いがあちこちに
 書かれています。「料理というのは作り方のすべてを公表し、しかも実演して、それでも
 なおかつ、作る人それぞれによってまったく違うものができるもの。作り手の個性、基礎、
 才能のすべてが微妙に絡み合って表現されたもの」。  確かに。
 この言葉にはやけに感じ入るものがありました。
 イベットジローさん(女性)の本は、すごくおおらかで気軽で、ご自身の魅力ある
 キャラクターがにじみ出ています。家庭料理なんだけど、うさぎも丸ごと料理するんですね・・
 やはりフランスはすごいです。
 右下の写真:上は「魅惑の南仏料理」、下は「イベットジローの家庭料理」
 

※ここに載せた本はすべて絶版で、長い期間に集めたものですが、図書館では見かける
 本もあります。

 

 

 

古い本 (一)  2004.5

古い料理本を読むと、新鮮な気持ちになります。
料理は日常のものなのに、格式があって、気持ちを落ち着かせて
くれることのように感じられます。キッチンに立つのが妙に楽しくなったり
するんですよ。何が正しいのかを知るためだけに読むんじゃなくて
昔からの決まりごとを知ったり日本の伝統、季節感を感じたりするのが
今の自分には楽しい。

辻留:辻嘉一さんの本。個人的に特に好きなのは「料理コツのこつ」と
「伝承料理 煮合わせと香のもの」。
前者:文庫あり。写真がないぶん、言葉が細やか。レシピは少なくても
得るものがたくさん(なかなか身には付かない私ですが、汗)。行間が広い
から、のんびりとした印象があり、絵もかわいいです↓。

後者:自分が煮物好きで、季節の煮物や組み合わせのことを知りたい
と思ったので古本屋で買ったのですが、器のことが詳しく書かれていて
それがとても興味深いんです!

最近、やっと「吉兆味ばなし」を読み始めました。
河村みち子さんが雑誌で、これを読むと料理が一段上手になるとおっしゃって
いたけれど、ほんとうにそんな感じがする。
文章だけの料理本て、かえって著者の個性がきわだって感じます。
お話がうまいのか、編集がうまいのか。。

増田れい子さんのエッセイも、最近大好きな本です。
"白椿のつぼみがひとつ、部屋のすみに見える。
 そこへ運ばれてきたのは、銅(あか)を内側に張った水鍋であった。” 
「しあわせな食卓」より
なんて、最初の一文がすごくうまくて、ポッと情景が浮かんで心をつかまれます。

「いろは」という小冊子を読んで知った、森田たまさんの本。
きものについての随筆が多いけれど、その中で私は「ふるさとの味」という
食べ物に関する随筆を見つけて読んでみました。
昭和30年初めに出された本だけど、回想が多いので大正以前のことも
書かれていると思います。それでいて「最近醤油の味が落ちた」などとあると、
驚きます(昔の味を知りたい・・・)。
見たこと無いはずの情景・・・和紙の雨傘をさしたひとたちが行き交う小田原の
道、何十年も前の札幌の風景・・・などが、なぜか目に浮かぶ、素敵な文章です。
日本人だなーと思う。

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