飼い始めたチワワのこなについて、大変だけど楽しいんだってことを書いていましたが、
その途中、想像だにしなかった、闘病、そして死が訪れてしまいました。
少し長い文章になってしまいましたが、これから犬を飼う人にほんの少しでも参考になればと
思っています。

犬を飼う

いつか犬を飼いたい、とずっと思っていたのは、昔実家で飼っていて(シェルティ)、それが
いまだに家族共通の楽しい話題になっている、ということがあります。結婚してからは
ハムスターを飼ってみて、動物が居るのは楽しいとおもったし、でもやっぱりなついて
くれる動物はどんなにかわいいことだろうと。。
ネックとしては、自宅で教室をしているうえで、来てくださる方にお金をいただいている
というのに、犬がいることで不快な空間になってしまったらどうしよう、と
それだけが心配でした。それと、旅行に行きづらくなるのはどの程度残念なことかな、
ということを考えてました。

以前飼っていたハムスターの しろ

家の近くに新しく、清潔で気配り感のあるペットショップができて、しょっちゅう遊びに行く
うちに、かわいいチワワに出会いました。抱っこした時に、この子はうちに合うのではという
直感が働きました。私たちには、小さい犬のほうがいいかも・・。
狭いマンションだし。排泄物も小さいだろうし。小さいから電車に乗れるし、いつも一緒にいられそう。
あまり周りに相談したり、じっくり検討しすぎると、結局飼わないだろうという予感があり、
事前調べ大好きな私ですが、思い切って飼いました。最近の夫のポリシー「やりたいことを
後回しにしない」は、私も共感していました。うちには子どもがいないので、将来の懸案としては
親のことと、自分達のことしかない。考えすぎず、したいことはすぐ実行しよう。。。

そしてこなちゃんはやってきて、楽しい日々・・・なはずなのに、思いもよらないことが次々と!!
実家で犬を飼った経験があるにも関わらず、全然把握してなかった、理解してなかったことが
いっぱいあったんですね〜。

毎日、おしっことうんちを片付けまくる日々。1日10回は片付ける。
トイレシートを食べちゃうので、叱ってみたり、ネットを2重にかぶせたり試行錯誤。
私の姿が見えなくなると鳴くようになってしまい、ケージから出して、とクンクン鳴くけれど、
くせになっては・・と、かわいそうな声を聞きつつ無視するつらさ・・。
犬は食べることが好きだと思っていたけど、食が細くてなかなか食べてくれない。
ドッグフードを、ふやかしてみたり細かくくだいたり、ささみを入れたり、
缶のフードを混ぜたり。1日4回、苦労して作っては捨て〜。

   

とても活発だったけど、お客様のときはいい子にしてくれる賢い子犬だった

しつけ・犬育ての本はすでに3冊読んでみた。ネットでもいろいろ調べてみる。
なるほどね〜、と思ったり、あまりにいろいろ書いてあるのでクラクラする。
参考にしつつ、自分で工夫していくしかなさそう、という結論に。
いろんなところにおしっこしちゃったり、わんわん鳴いたり、食べ物をねだり
まくったり、噛み噛みしたり、おいでと言ってもこなかったり、飼う前に
想像していたそういうのは「犬らしさ」だろうなと思っていたけれど・・・

実際、毎日犬と向かい合って、世話をするのも遊ぶのも、私ひとり。
「犬らしさ」をひとりで受け止めるのは、思いのほか大変でした。
子育てをしたことない私は、自分以外の存在に合わせる生活をしたことがないから、
一層そう思うのですね。子育てしている人の大変さをほんのり想像できて、
ママってすごい・・と思いました。はじめのころは、育児ノイローゼのようになっていた私でした。

    パパのお腹の上が大好き。ママがパジャマで失礼。。

犬も私もこれから快適に過ごせるよう、しつけ教室に行くつもりでした。
私が長時間留守のときはドッグシッターさんにきてもらい、いろんなアドバイスを
もらいました。
ちょっと神経質なんじゃない?!って声もありましたが、確実にこなちゃんは
私のことをママだと思ってくれている感触があり、これでいいんだと信じました。

お座りが得意。おやつのおねだりでもないのに座っちゃう

病気のはじまり

うちに来て次の日からくしゃみと鼻水、次は皮膚病になり、そして外耳炎&くしゃみ・・・
週に1,2回、病院へ通うペースです。
小型犬は弱いという話も聞いたし、これくらい健康管理には苦労するのかな、と
思っていたけれど、ある日、気になる変化がありました。
大好きな「おもちゃを投げてもらってくわえてくる」遊びを急にやめ、ちょこん、と膝に
乗ってきたこと。普段おいで、と言っても来ない、遊ぶのが大好きなやんちゃな犬なのに、
こんな変化があるんだなー、まだ生後3ヶ月だけど、大人になるのかな・・などと最初は
思いました。しかし次の日からは、膝に乗りたがるばかり。全然遊びません。
ごはんは相変わらず量は少ないけれど食べているし、散歩は楽しそうにしている。でも・・
これはどういうことなの?まさか病気?? 信頼できそうな犬のサイトを見つけて、相談してみました。
散歩を始めたら飼い主に服従を始める、という意見と、その状態は大病の前触れだったという経験談、
全く違う見解がありました。
その期間も病院通いをしていたので(しかも2箇所の)、先生に相談したところ、それに関しては
答えが返ってこない。「くだらない質問だったかしら。。こなちゃんはきっと散歩を始めたから
気分が変わったんだ」と思いこむことにして、数日を過ごしました。

ごはんの用意をしているとき、ふといつものようにケージからこちらをみているこなちゃんに
目をやると、大きな胸騒ぎがしました。じーーっと見ているのはいつもどおりだけど、
焦りと不安のような感情が強く伝わってきたような気がしたからでした。
こなちゃんに会いに来たいと言ってくれていてまだ実現していない友人や親戚に、
電話したりメールしたりして、「近いうち来てね」とお願いしました。
私なぜこんなことするんだろう?!
自分でも全然分からなかったし、そんな自分が嫌でしたが、どうしてもそうしてしまう自分がいました。

キッチンにいる私のことをいつも気にしていた

数日後、時々右の後ろ足がぴくっ、ぴくっとしています。
心配性と思われようとかまわない、とまた病院で相談しましたが、「子犬にはよくあること」との話。
そのころくしゃみもしていましたし、明らかに今までより元気がない。これらの症状には関連性が
あるのでは・・と素人の私でも思わずにいられませんでした。
足のぴくぴくが継続するようになったときになってやっと、血液検査をしましょうとのこと。
そして一晩病院で様子を見させてください、という。
弱った目でこちらを見ているこなちゃんを見て胸がつまり、不覚にも涙が出てきてしまいました。

次の日こなちゃんを迎えに病院へ行くと、「ごはんをけろっと食べましたよ。血液にも問題がなく、
顔を痒がったりもしませんでした(これも私が気にしていたこと)。足の痙攣はいつも、という感じでも
ないですよ。脳圧を下げる点滴をしてみましたが、変化はありません。様子をみましょう」。
でも、これが原因不明で起こっていることなの??原因がないなんて、それは絶対にない。
すでに4人の先生に診てもらったけれど、自分を信じて、すぐに別の病院に行くことを決めました。

そこは、ミーハーかもしれないけど、赤坂にある病院で、雑誌天然生活に載っていて知りました。
うちからは遠いのが問題でしたが、コンセプトに信頼性と強い共感を覚えていました。
一見して身体検査をしながら、「どうみてもかなり悪いですね。昨日血液検査をしたばかりとの
ことですが、うちで再度させてもらいたいという気持ちがあります。どうしますか」と言われる。
お願いします、と答えると、看護士さんとともに「私たちでせいいっぱいさせていただきます」という
言葉があり、私は初めて病院でほっとして任せる気持ちになりました。
6時間後、先生からの説明は「何人かの獣医と診て話し合った結果、血液には顕著にでていないが
症状から感染症にかかっていると診断しました。ワクチンを打っているのでおそらくshopかブリーダーの
ところですでに感染していたと思われます。致死率90%以上の病気で、残念ながら治療方法は今のところ
ありません。滋養をつけて、抵抗力を養うことに専念しましょう」というもので、今の食事のほかに、注射器で
流動食を与えることを指導されました。
症状の原因はとても知りたかったけど、こんなことになるとは・・・涙が止まらず、自力で自宅に戻ることは
できませんでした。

闘病

動けなくなってからのこなちゃん

診断された感染症について、調べれば調べるほど、打ちのめされました。
そして調べたとおり、こなちゃんの足の痙攣はひどくなって、お腹が波打ってる感じになってきました。
休み無い痙攣、人間だってそんな状態はつらいし眠れないはず。さすってあげて、だっこしてあげるしか
ありません。食事の合間に流動食を懸命に与えました。でも、次の日からは自分では食事ができなく
なってました。食欲がないというよりは、飲み込む神経が麻痺しているのかもという感じでした。
2時間おきにお水と流動食を祈るような気持ちであげるのですが、なかなか飲み込めないのです。
一口ひとくち、のどを撫でて、がんばろう、がんばろうねと言うしかなかったです。

それが2日過ぎた頃、これまた調べたとおりなのですが、強いてんかん症状が出てきました。
顔と手足を痙攣させて泡をふいてしまいます。
こんなになってしまうなんて、胸がはりさけそうに思いました。ただただ、泣くことしかできません。
次の日にはそれが1時間おきになり、痙攣のあとに遠吠えをしたり、わんわん鳴いて走り回る
症状が出てきました。家具にぶつからないように、声がすると急いで抱きしめるのですが、すごい
勢いで走るのです。その後は落ち着くのですが、よろよろと部屋の中を歩き回ったりしています。
これも、神経症が強くなっている証拠のようでした。
こうなると、もう一睡もできない状況でした。
病院に相談し、抗ケイレン剤を飲ませることにしました。その強い薬によって小さいこなちゃんは
てんかん症状がなくなったものの、下半身が自力で動かない状態になりました。

そんなこなちゃんは、すっかり赤ちゃんで、寝返りも打てず、くにゃんとして寝ています。
1時間おきに寝返りをうたせますが、目は結膜炎のように真っ赤で鼻はつまっていて、息が苦しそう
なのがかわいそうでたまりません。
そんな状態ながら、おしっこのときは前足だけで立ち上がって、教えてくれました。
うんちの時は、くんくん鳴いて前足だけで立ち上がります。こんな状態になっても、ちゃんと自分で
できるんだね。夫は偉い、偉いねと泣いていました。
時々、歩きたがるので、後ろ足とお腹を夫と支え、部屋の中を歩かせました。
ケイレン剤のおかげで、流動食は飲み込めるようになっていて、よく食べてくれました。
この繰り返しは、日数にすると2日なのですが、とても長く思えました。こんな辛いことを
いつまでこなちゃんは我慢するのだろうか。
ここのところ連休が多いから夫が一緒につききりになってくれ、妹も来てくれるけれど、
明日は私ひとりだな・・と思うと、不安もありました。

お別れ

夫を会社へ送り出してから、こなちゃんを胸にかかえて少しソファで寝ようと思いました。
こなちゃんは意識が混濁し眠っている様子。私はここ数日、寝ろといわれても眠れない状態でした
が、今なら眠れそうな気がして、ソファに横になりました。
胸元のこなちゃんが、目をあけてじーーっと私を見つつ、「くー。くー。」と言っている姿が
かわいらしくて、つい笑ってしまいました。
私がウトウト、とすると、「くーー、くーー」が高くて大きい音になって、目が覚めます。
こなちゃんはまだずっと私を見ていて、その目が真っ黒に澄んでいました。
「こなちゃんうちに来てくれてありがとう。パパもママも絶対に忘れないから、大丈夫だよ」
と自分でも驚くようなことをこなちゃんに語りかけてしまいました。
そんなことは言いたくなかったのに、言わずにいられない何かを感じたように思います。

それから、お水をあげると舌の色が薄くなっており、大慌てでタクシーを呼びましたが
タクシーが着く直前に息をひきとりました。

最後に苦しむ姿を見せず、親孝行?!してくれたと思いました。
病院で丁寧にシャンプーとカットをしてもらい、とても綺麗な姿で帰ってきてくれました。
もっと早く行っていれば、酸素吸入をしてくれたかもしれない。
でも、病院の冷たい診察台の上で最後を迎えるよりは・・・
いろんな思いで心の中がずっしりと重く硬く感じられました。

病院とペットショップ

こなちゃんの病気は昔は大流行したけれど、今はあまり聞かないといいます(ペットショップによると)。
しかもワクチンを打っていれば発症はまずないと思われています。
ですからこなちゃんは、大変な不運だったと思いました。
しかし、感染症の代表として、致死率の高い恐ろしい病気として知られているのに、獣医さんの
診断がはっきりしないのはなぜなのか。最初の症状からもっと疑ってもいいはずです、
たとえ治療法がないとしても。

それとともに、私たちがとても無知でした。
後になって犬の感染について調べるてみると、実は今も感染症は少なくなく、特にペットショップ
の犬に関しては危ない率が高いとの警告も、記事としてたくさんありました。
また、獣医さんの診断というのはかなり差があり、セカンド(それ以上)オピニオンを取るケースがほとんど
ということも分かりました。噂どおり、病院に行けば1万円札がひらひらと飛んでいきました。
幸い、ペットショップの人は、売った後は知らない、というような態度を見せずに対応
してくれています。それだけは救いでした。

思い出

とても短かった、元気だったときのこなちゃんとの出来事を、思い出そうと思うのにできずにいます。
たぶん、あまりに落ち込む自分が避けるようにしているんだと思います。病気の彼女の姿が
焼きついていて、それを忘れるのがかわいそうな気がしてしまいます。
ほんとはそれではいけないのは分かっているのですが・・・元気にならなくては、こなちゃんも悲しむ、
と思っても、いつもの自分にはまだ戻れません。無理をせず、焦らずがいい、と経験者の友人が教えてくれました。

結婚してからというもの、ほとんどの時間を自分だけのために使い、夫はいつも仕事でいないけど、
自分のペースをつかみ、好きなことをして、ストレスを感じないのほほんとした毎日を過ごしていました。
それはとても幸せなことだけど、こなちゃんが来て、なかなか思い通りにならない、けど愛らしい存在と
試行錯誤しながら過ごし、どうしようもない運命で悲しい別れになった体験が、「のほほん」の中にはない
ことを教えてくれたように思います。逆に、これから先、何かを得ようとがんばったりしないで、
のんびりと過ごしたいという気持ちも生まれました。夫と犬と、自然が多い場所でただ普通に暮らせる
としたら、それが私の最終的に求める生活なのかな。。そんなふうに今思います。

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