Formaggio 〜チーズ〜

〜歴史〜
 チーズは紀元前4000〜5000年頃に中央アジアで生まれた。乾燥した中央アジアのステップ地方では搾った乳を桶や壺に入れておくと自然に上下二層に分かれ、それと同時に細菌がミルクの中に入り乳酸発酵する。その上層がサワー・クリームで下層がヨーグルトである。このヨーグルトを加熱し、澱を集め、塩を加えて乾燥させたものがナチュラルチーズの原型といわれる。
 イタリアでは紀元前1000年頃、シルクロードを渡り、ヨーロッパへ伝わったチーズがエトルリア(現在のトスカーナ地方)人の手によって北イタリアのロンバルディア平原にもたらされたといわれる。紀元前3世紀頃の古代ローマの書物にはチーズづくりに関する記録が登場し、その製法が明らかにされている。この時代のチーズの原料は山羊か羊の乳で、牛乳が使われるようになったのは5世紀のローマ帝国崩壊以降であり、他部族が持ち込んだといわれる。

〜イタリアの代表的なチーズ〜
 チーズは大きくわけてナチュラルチーズとプロセスチーズの2種類に大別される。イタリアのチーズはナチュラルチーズがほとんどで、硬さと熟成の期間によってフレッシュ・軟質・半硬質・硬質・超硬質チーズに分類される。




















 








ナチュラルチーズ







 

フレッシュチーズ
モッツァレラ
マスカルポーネ
リコッタ
軟質チーズ
 
タレッジョ
フォンティーナ
半硬質チーズ ゴルゴンゾーラ
硬質チーズ プロヴォローネ

超硬質チーズ
 
パルミジャーノ・レッジャーノ
グラナ・パダーノ
ペコリーノ
アジアーゴ
プロセスチーズ
 
チーズフレッシュチーズを粉砕・加熱・溶解し乳化させて保存性を高めたチーズ  




















 


モッツァレラ
南イタリアの代表的なチーズであり、ピッツァにはかかせない材料である。本来は水牛の乳だけで作られたものをモッツァレラといっていたが、水牛乳の減少と消費量の増大により牛乳で作られたものもモッツァレラと呼ばれるようになった。水牛乳製のモッツァレラは「モッツァレラ・ティ・ブッファラ」、牛乳製のモッツァレラは「モッツァレラ・コムーネ」もしくは「モッツァレラ・フィオール・ディ・ラッテ」として区別される。まったくの生であるため保存は1週間が限度である。
マスカルポーネ
生クリームを熱し、クエン酸で凝固させホエーを排除して作るクリーム状のチーズ。かつてはロンバルディア州の特産であったが、現在ではイタリア全土で生産されている。口当たりがよく、そのままデザートとして食べたり、ティラミスやジェラートの材料として使われる。
リコッタ
北イタリアでは牛乳から(リコッタ・ピエモンテーゼ)、南イタリアやシチリア・サルディニアなどの島では羊乳から(リコッタ・ロマーナ リコッタ・トスカーナ)作るチーズ。チーズの製造過程で発生するホエーを再度(ri リ)加熱する(cotta コッタ)し、表面に浮いてきたタンパク質と脂肪分をすくい取って集めたものがリコッタである。カンノーリ・カッサータなどの菓子の材料や、ニョッキのフィリング、ラビオリの具などに使われる。
タレッジョ
ロンバルディア州のタレッジョ村で生まれた軟質チーズで、イタリアでは数少ないウォッシュタイプ(表面がオレンジ色のチーズ)のチーズである。一辺が20p、高さが5pの正方形で、約2sほどの重さである。熟成が進むにつれ外皮は赤茶色になるが中は柔らかく、ほのかに甘くマイルドでこくのある味。現在では北イタリアの各地で作られている。
フォンティーナ
ヴァッレ・ダオスタ州の名産チーズ。この地域には同タイプのチーズが多く存在するが、規定によりアオスタ渓谷を含む12の渓谷で作られたもののみがフォンティーナを名乗ることができる。アオスタ渓谷のフォンタン草が名前の由来。独特の香りがあり、フォンデュ用としてよく使われる。
ゴルゴンゾーラ
青かびタイプの半硬質チーズで、世界3大ブルーチーズのひとつとして有名。名前が付けられたチーズとしては世界最古のもので、9世紀末にミラノ郊外のゴルゴンゾーラ村で作られ始めたといわれている。カビの種類と熟成期間の長短で辛口(piccante ピッカンテ)と甘口(dolce ドルチェ)があるが、近年の料理のライト嗜好によりドルチェタイプの方が多く生産されている。
プロヴォローネ
カンパーニャ州が特産のチーズでもとは牛乳と水牛乳を合わせて作られていたが、水牛乳の減少により現在では牛乳のみで作られている。円錐形・円柱形・洋なし型など形は様々で、重さ・大きさも500gのものから30sの大型のものまである。酸味と甘味をもち、熟成につれて酸味が増して風味も個性的になり、料理用として使われることが多くなる。
パルミジャーノ・レッジャーノ
パルマとレッジョエミリアの両地方の原産地呼称のあるこのチーズはイタリアが世界に誇る歴史あるチーズであり、超硬質チーズの代表格といえる。生産量も年間270万個以上と、イタリアの全チーズの中で一番多い。通常30〜40sの重さで、円筒形をしている。生産地・原料乳・製造過程・熟成の過程などが法律によって厳しく管理・保護されているため大変高価である。独特の風味と旨味を持ち、熟成が若くマイルドなものそのまま生で食べても大変おいしい。
グラナ・パダーノ
北イタリアのパダーノ(ポー川流域平原)で作られており、パルミジャーノ・レッジャーノと並んで超硬質チーズの代表として知られている。パルミジャーノ・レッジャーノに比べて黄色みが薄く、味もやや塩味が強く感じられ、熟成期間も短めである。パルミジャーノ・レッジャーノより安価なため、イタリアの家庭でひろく親しまれている。
ペコリーノ
ペコリーノ・ロマーノ、ペコリーノ・トスカーノ、ペコリーノ・シシリアーノなど様々な地域で作られている羊乳製のチーズである。地域によって大きさや製造過程が異なる。ロマーノは白から薄い黄色で風味が強く、トスカーノは塩味が強いが他の地域のものよりもほのかな甘味がある。シシリアーノは強烈な刺激臭があり、どちらかというと悪臭に近い。





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