甘い戦争



ザッハートルテ:オーストリアのウイ−ン会議開催中に、
メッテルニヒのお抱え料理人だった、フランツザッハーが考案したものと言われている。

ザッハーマッセという、チョコレート味のバター生地をアプリコットジャムで覆い、
ザッハーグラズールという、チョコレートにシロップを加えて糖化させた上掛けをかけるケーキ。

糖化させているため、上掛けのチョコレートにしゃりしゃりした食感があるのが特徴。

砂糖を加えないホイップクリームを添えて食べる。

ウイーンを代表するチョコレートケーキとして有名。
(因幡製菓用語集/因幡兎守著より抜粋)



後に、ザッハーさんがホテル・ザッハーを創立し、そちらで出されるようになりました。

最初は、ここでしか食べられなかったそうです。ザッハートルテ。

もちろん、作り方は門外不出ですわ。


ところがどっこい。

「デメル」というお菓子屋に、このレシピが洩れたのです。

ザッハーさんの娘と「デメル」の息子がめでたく結婚。ここから洩れたらしい。


何と、ザッハートルテを巡って、裁判まで起こったそうな。

「甘い九年戦争」と呼ばれたこの裁判、ザッハーの勝利とか引き分けとか言われてますが、結局、色んなところで売り出されるようになったのだから、引き分けかねえ?


ちなみに、チョコレート生地を半分に切って、間にジャムを挟んでいるのが、ホテル・ザッハー。

何も挟まないのが、デメル。

という特徴は、ある。



つーか、レシピは門外不出とか一子相伝とか企業秘密とか。

何でそういうこと言うのかなーと思います。

や、大企業の大量生産される商品には、ある程度の駆け引きは必要だと思いますよ?

でも、これはどうかと。


いいじゃん。他の店で売り出したって。

皆でザッハートルテ売り出せばいいじゃん。

それで、「ああやっぱりホテル・ザッハーのが一番だわ」って言わせればいいじゃん。


大体、レシピだけで同じ味が作り出せたら、職人なんぞ必要ない。

それこそ、腕が無ければ、味がついてこない。

大体、人まねで終わる職人は、そこから進歩しない。



堂々とレシピを発表すればいい。

そして言えばいい。

「自分を超える味は出せないだろう」と。

お互いに切磋琢磨して、レシピをどんどん改良していけばいい。

もっといいものを開発できるかも知れない。


そこに、職人の誇りと自信を感じるのは、兎守だけでしょうか?






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