
焼きとん 魅力見直そう
落語家らが愛好会結成
「毎日新聞」2000年2月12日「居酒屋から」より
豚肉の内臓をくしに刺して焼く「焼きとん」。この「焼きとん」の魅力を見直そうと、落語家たちが愛好会を作り普及に取り組んでいる。その名も「全日本焼とん愛好会」。会員を募ったところ、全国から120人を超える申し込みがあった。会は今春にも会報第1号を発行する予定で、「焼き鳥屋の隅っこに置かれている庶民の味・焼きとんの社会的地位を向上させたい」と大まじめだ。 【合田月美】

焼きとん愛好会をつくった春風亭昇太(左)、橘家文
吾(中央)、春風亭勢朝(右)の各氏=合田月美写す
発会のきっかけは橘家文吾さんが3年前に入った東京・西麻布の焼き鳥屋だ。「ハツ(心臓)とシロ(腸)」と「焼きとん」を注文したところ、「うちにそんなげすなものはない」と返された。
釈然とせず、後日楽屋で仲間にその話をすると「どうせなら愛好会を作ろう」と話がまとまった。早速、春風亭昇太さん、春風亭勢朝さん、歌手のなぎら健壱さんらが賛同し、池袋の寄席「池袋演芸場」で約30人が集まり、決起集会を開いた。
昨年秋から、全国の寄席や独宴会の会場でチラシをまいたところ、青森から九州までの120人余が会員になった。会からはピンクのブタのイラストの入った特製の会員証を送っている。
今後、会報でうまい「焼きとん」の店の情報を交換したり、交流会を催していく考えだ。昇太さんは「焼きとんの煙を見ると前座時代を思い出すほど、前座時代によく食べた。若者たちのデートスポットになるくらいメジャーにしたい」。勢朝さんは「焼きとんは寄席に通じる庶民的な魅力がある」と語る。会は「焼きとん」にまつわるエッセーや俳句を募り、会報を3、4カ月ごとに発行する予定。
