●始めに

珈琲の味を決定づける要因には、生豆の品質・ロ−スト・抽出とあり、60:30:10或いは70:20:10という重要度があり、お店に黒い豆が到着している時点では、抽出での味への影響は、あまり関係無いと考えます。ましてや、同じ器具でほぼ同じ要領で抽出するので、よほど優れたテ−スタ−で無い限り入れる人による味の違いは、皆無でしょう。ただし、「蒸らし」という作業で失敗すると味がすっぽ抜けたり、重い珈琲になります。これは性格によるところもあり、難しいのですが、第一湯でサ−バ−に1〜2摘落ちるくらいの量が良いでしょう。あくまでも、最初は珈琲豆のエキスを搾り出すような感覚で、ゆっくりと行い、徐々に早めていったら良いです。すぐ慣れます。大体1杯一分半くらいのスピ−ドで抽出量が多くなると、少し早い目に。


●珈琲豆とはなんぞや!

この豆はどんな味ですか?どれが美味しいですか?という質問がある場合(今までほとんど無いのですが・・・)について書きます。少し専門的になりますが、知っていた方が理解しやすいと思います。珈琲は、北回帰線と南回帰線に挟まれた地帯で多く栽培され、珈琲の栽培に適した気候と土壌を持っていると言われ、世界的に『コ−ヒ−ベルト』と呼ばれています。品種は、「アラビカ種・ロブスタ種・リベリカ種」の3種でほぼ100%。そのうち70%がアラビカ種で、普段飲まれている珈琲豆のほとんどがアラビカ種です。ロブスタ種は主に、工業製品に利用され、一部エスプレッソのブレンドにも入っている場合もあります。ロブスタ種は、苦味が強く上品な味にはなりません。日本では、缶珈琲を作る為のブレンドやインスタント珈琲に使われています。苦味が強いので、液体のボディを作るのに有効です。対してアラビカ種は、非常に上品な味わいがあり、世界で飲まれているドリップ珈琲のほとんどがアラビカ種ですが、栽培には、気候や土壌を選び、病気にも弱いという、とてもデリケートな性質なので良質のアラビカ種を栽培する農園は大変な苦労をしています。ロブスタ種は、病害虫に強くあまり生産地を問題にしない品種です。

●アラビカ種の詳細について

アラビカ種の中でも、ティピカ・カツ−ラ・ブルボン・ムンドノ−ボ・カツアイ・バリエダコロンビアに分けられ、木の種類という認識をしてください。ティピカとブルボンが原種で、それぞれ品種改良されています。美味しい豆を作る為というより主に病気に強い品種を作るという目的のようです。

●精製方法

珈琲は、木の上で赤い実(コ−ヒ−チェリ−)となり収穫されます。実は丸く使用する豆の部分は、その実の中心部で通常二個抱き合わせで入っています。要するに種の部分です。収穫したチェリ−を種だけにする工程が「精製」で、水洗式(Washed)・非水洗式(Unwashed)・その中間(セミwashed)があり、味への影響もかなりあります。水洗式は、収穫したコーヒーチェリーを工場の水槽に約1日入れた後、果肉を機械で取り除き、種子だけにし、次にその種子を発酵槽に入れて、残っている果肉を発酵させた後、内果皮とともにその果肉をきれいに取り除く。種子を更に水槽に入れ水洗いし、乾燥して、脱穀(種子の固い殻パーチメントを取る。中にはコーヒー豆が通常2つ抱き合わせで入っている)。そして研磨、サイズ分けして、出荷となります。水洗式は非常に手間のかかる作業である上、豊富な水と、充分な設備が必要。よって、水洗式の生産は、主に中南米で行われています。一般的に混入物が少なく、外見、品質等に優れていると言われています。非水洗式は、コーヒーチェリーを天日の下に広げ、乾燥。脱穀機で果肉、内果皮、パーチメントを除去。サイズ分けして出荷。非水洗式は、作業が比較的単純なので、工場の管理体制さえ万全であれば良質の珈琲になる。ただし天候の影響を受けやすく、不完全豆の混入率も高くなるという短所もある。近年は、それぞれの長所を活かしたセミウォシュも行われています。両者を比較して味の違いは一概には言えませんが水洗式は割とやわらかな味わい、非水洗式は割とコクの強い味わいが生まれる傾向にあります。


●いままでのまとめ

珈琲の生豆を手に入れる段階で、その珈琲がどのような味を内包しているかを、きちっと見極める必要があり、その為には、その珈琲がどのような過程で生まれて来たかを知る事が、非常に大切です。しかし残念ながら、今まで日本では、その最も重要な情報が入ってこなかったり、大手ロ−スタ−(UCC・KEY・ART)が日本で売る手法の中で隠して来た歴史があります。珈琲の香味を体系づけて検証して来た歴史が無く、常に消費者が「珈琲とはこんなもんかいな」と、洗脳されて来ました。しかし近年、色々な情報が入手しやすくなり、そのあたりから見なおそうという珈琲屋さんが、ほんの少しですが、生まれつつあります。どこの国の・どの地域の・どの農園で・どの品種の・どの精製方法の豆なのかを知る事により、美味しい珈琲が少しずつ生み出されて来ています。豆が生まれて来た経歴がわかる珈琲豆を『プレミアムコ−ヒ−』といいます。i-beans coffeeの珈琲豆も、もちろんプレミアム珈琲です。一般の豆と比較して3倍程度値段が違いますので、深い味わいの珈琲になっていると思います。もちろんプレミアムといっても駄作はありますので、豆の仕入には、最大限の注意が必要です。少なくとも滋賀県内で、プレミアムを使っているロ−スタ−は、無いと思います。      
                                                       以上の説明で、プレミアムコ−ヒ−の存在・位置付けをある程度ご理解頂けたと思います。食の文化の中では、「人それぞれの好み」とよく言われますが、味には基本的なレベルがあると考えます。素材の善し悪しや、調理のテクニックを抜きにして、「個人の好み」だけで片付けてしまうのは、消費者の方々の誤解を招くと思います。他の「食」と同じようにコ−ヒ−にも、味のレベルがあり、レベルが低いほど「悪」という考え方ではなく、あくまでもそれぞれの店の主張に当てはまる部分です。その店がどのような珈琲を出したいのか、作りたいのか、という基本的なところです。藝
やCafeといいますか、私は、世界一の珈琲を目指しています。興味のある方は、しばらくその方向でお付き合い下さい。
ここで根本的な問題。「レベル=価格」 となるのが普通の商いです。が、どうも珈琲はそうでは無いようです。「高レベル=低価格」をみたことはありませんが、他の組み合わせは、沢山あります。「低レベル=低価格」は、それぞれ納得されれば問題無いでしょう。「低レベル=高価格」。これは詐欺だと思うのですが、珈琲の味のなんたるか?を教えられてこなかった私達は、売る側も買う側も双方、その間違いに気付く機会すらなかったのです。悲劇的なことは、日本の珈琲屋さんのほとんどが、自分の出している珈琲は美味しいと思っていらっしゃるという点です。
         ですから、私の珈琲が「美味しい」と言ってもらえて当たり前だと、本人は思っております。単純にレベルが違うのです。しかし、日本中にはそれに気付いて同じような豆を扱っておられる珈琲屋さんも増えて来ました。その方たちと比べると『まだまだ』です。ロ−ストに問題が残っております。もう少し時間を下さい。要するに、同じレベルの珈琲を飲んで初めて「人それぞれの好み」という言葉が生きてくると考えます。その様なことを理解して頂き、レベル=価格の関係からくる「価値」に理解を示してくださる方が、御得意さんになって頂けると信じてます。日本人は、茶の文化の中で同じことを理解しているので、珈琲も不可能ではないと思います。日本は珈琲後進国なのです。まずはお客様を育てることから始めましょう。



●珈琲の味の作られ方

珈琲の味と香り(香味)は、そもそも生豆に影響されると申しましたが、その中でも、酸味が味に大きく影響を与えます。珈琲に酸味がなければ、甘味はでません。甘酸っぱい「みかん」をイメ−ジしてください。珈琲は、苦味を味わう飲み物でなく、フルティ−な柑橘系の味わいが正しいです。よく「酸っぱい珈琲はダメ」とおっしゃる方が日本人には多いのですが、その方のいう酸味は、豆が古く「酸化した酸っぱ味」だと思います。 その酸味という香味が、豆によって違うので、銘柄によって味の違いがでてきます。また、ロ−ストによって酸味を化学変化させ、甘味へと変えていく事が可能となります。酸味を多く内包した豆は、生豆の状態で、濃いGreenで、硬く身が引き締まっております。その様な豆は、年々品質が落ちて来ている珈琲豆の中で、プレミアムしか残っていないのです。近年の珈琲豆相場は、非常に低い相場で動いております。生産者は、後進国が多く、生活がいっそう厳しくなる為、良い品質の豆を作る力が落ちて来ているようです。ですから、スタンダ−ドの豆は値下がりしても、プレミアムは値が落ちておりません。全く別物と考えて下さい。 あくまでも、私の目指している珈琲は、濁りのない非常に透明感のある珈琲です。雑味のない、綺麗な珈琲を作りたいと思っております。

●ロ−スト

生豆を煎る作業を『ロ−スト』といいます。日本では焙煎といいます。珈琲という、世界を見据えた商品である以上、もう焙煎という言葉は古いと言わざるを得ません。
 ロ−ストは大きく8段階に分かれてます。アメリカ式であくまで目安ですが・・・。ロ−ストの浅い方から、ライト・シナモン・ミディアム・ハイ・シティ・フルシティ・フレンチ・イタリアンとなります。珈琲として飲める段階は、ミディアム以上でしょう。それより浅いと、青草く生っぽい味わいになると思います。i-beans coffeeでは、中煎り(ミディアムorハイ)、やや深(シティorフルシティ)、深煎り(フレンチ)にロ−ストしてます。

中煎り
             それぞれの酸味を表現出来るロ−スト。苦味より酸味。

やや深
             コクがあり、かすかな苦味もある。酸味も残るが、よりコクや苦味の出る領域に入る。深煎りの香味の 質 の入口。このローストに慣れると、フレンチのおいしさが理解できる。

深煎り
             苦味の領域。珈琲の甘味を感じる事が出来る。甘い香りがただよい、チョコレートやバニラの香りを感じさせる。かすかに酸味を感じさせる状態がよく、砂糖を入れると、甘味と溶け合い、旨みを形成する。アイスコ−ヒ-・カフェオ−レ等のアレンジは、全て深煎りを使用します。

ロ−ストによる味の違いは大体こんな感じです。味の違いを判別するのに、ロ−ストによる違いなら誰でも違いが理解出来ます。豆の違いを判別するより、ずっと簡単でしょう。なお、ロ−ストが深くなるに従って、豆の重量は減ります。ですから、同じ100gでも、中煎りと深煎りは豆の量が違います。単純に生豆使用量が違います。ですから、価格も深煎りは高くならざるを得ないのです。


●豆による味の違い

 大変難しい話ですので、次回更新で書きます。ごめんなさい。