1999年の12月、ブルガリアの空港に到着。空港で現地の人と落ち合うはずだったが、残念ながら会うことが出来ず、予約していたホテルまで一人、タクシーで行くことにした。ホテルについてから、連絡をとってみると、どうやら、彼は日本人らしき人物を捜したが、見つからなかったという理由で諦めて、帰ってしまったらしい。彼は、僕が半分イタリア人だという事を知らなかったのだ。不安そうにキョロキョロして、アピールしていたつもりだったが、あいつだけは、違うと確信していたのだろうか・・・。 まあ、その話はさておき、驚くべきなのは、そんな事より、空港からのタクシー代だ。モスクワの乗り換えの時、仲良くなった人と相乗りしたといえ、30分近く乗っていたのに、東京のタクシーの初乗りにも満たない値段だったのだ。それからというもの、僕は、ブルガリアの物価の安さに驚かされっぱなしだった。ソフィア歌劇場の日本公演に関する仕事で別行動をしていた父親に出会い、ホテルで食事をした時。前菜やら何やらいろんな皿を頼んで、ビールも飲んで、二人分の料金が千円以下。路上では、セーターが百円、二百円で売られていたのだ。僕は、生まれて初めて、家族全員にクリスマスプレゼントを買ってあげることに決めたのだった。そろそろ、ワインの話もしたいが、マヴルッドについて、話す前に、せっかく、とって来た写真について、少しコメントさせてもらおう。滞在中に、大雪が降ってソフィアは、一面雪に包まれ、気温が10度近く下がった。現地の人に言わせると、雪が降る前の状態が、何十年ぶりの猛暑という程、異常気象だったという。上の写真は、ホテルの窓からまったく同じ場所で撮影した、雪が降る前のソフィアと降った後のソフィアである。温度が違っても、なんとなく、寂しい感じは、変わらない。次の写真は、ワイン探しの道中で、車内からとったものだ。 ちょっと、 左上にバックミラーがかかってしまったのは、失敗だったが、左下に写ってるエンブレムは、失敗でも合成でもない、自慢である。実はこの旅、ブルガリア語>英語の通訳をつれて、ベンツに運転手をやとっていたのだ。まるで、外交官?、と、思われるかも知れないけど、実はこのセット一日5千円。日本人のみならず、高いと思う人はいないでしょう。その下の写真は、ただの風景。さて、そろそろ、本題に入らせて頂こう。丁度左隣の写真は、これから、紹介するマヴルッドが実際に熟成されていた樽の写真。冬は暖かく、夏は涼しい、湿度も一定の倉の中だ。マヴルッド1996リゼルブは、96年にここに倉入りして、今年出てきたものだ。ブルガリアでは、いろんなワインを飲んだけど、マブルッド種っていうのは、どちらかと言えば、アルコール分が低く、ドライで飲みやすいけど、物足りないタイプだった。この品種は、ブルガリアでしか栽培されず、輸出された事はほとんどない。ブルガリアを訪れた人が、地酒として、ちょっと飲んでみる程度の感覚だ。実際、純粋に味だけで勝負したらカベルネ種には、勝てない。僕がブルガリアで見つけた、最高のワインも結局カベルネ種だった。残念ながら、それは、洞窟で10年熟成が必要で、入手出来ず、輸入は諦めた。誤解して欲しくないのは、カベルネならどれでも美味しいという訳じゃない、実際このアッセノヴグラッドワイナリーでは、カベルネより遙かにマヴルッドの方が美味しい。特にこのリゼルブタイプのマヴルッドには、しっかりとした、後味。口の中全体に残るオークの香りやうまみは、鍛錬された高級品の証拠。それでも、ガブノミ出来る値段と飲みやすさが、このマヴルッド種の醍醐味だ。フルボディの重たいワインとは違い、飽きが来ないし、次の日の体も軽い、飲めば飲む程このワインの良さが、分かって貰えると、僕は確信しているのだ。
(文:永竹弘幸)
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2001年09月23日 23時15分04秒


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