趣味

その2

野球音痴

 うちのオヤジは「栄光ある不滅の巨人軍」の大ファンであります。特に長島さんが大好きです。家には長島のビデオなんつうもんまであります。長島さんはオヤジの心の中でピカピカと光っている憧れの人です。オヤジは巨人戦をテレビで見ているとき、とても幸せです。(巨人が勝てば・・・・)

 近所のA新聞さん!「Y新聞からA新聞に変えてちょーだい」といくらオフクロに洗濯石鹸持ってきたところで「無駄」です。この件に関してはオフクロに裁量権ありませんから〜。オフクロはこのあいだは「洗濯石鹸いらない、いらない」と逃げ回ってました。

 ところで、オフクロは野球音痴。嫌いとか好きとかじゃなくて「ワカンナイ」のであります。

 さて「知っている野球選手は?」

 「え〜っと、え〜っと、王!長島!イチロー!」・・・・・以上でした。早かったですねえ。もう終わりました。

 2年ほど前でしたか、ピカピカの長島さん率いる不滅の栄光ある巨人軍が、王さん率いるダイエーと日本シリーズの真っ最中だったある日、オフクロはばったり学校の後輩に会いました。その後輩は当日の夜ある「日本シリーズ第6戦」の券を4枚持っていて、2枚ほど余らせているとのこと。「誰か行く人いないかな〜。」

 (ふ〜ん、日本シリーズなんだあ・・・・・。)でもオヤジはこのところ仕事も忙しく、お付き合いもあったりなんだりで、夕飯もほとんど家で食べていません。今日も友人と飲みに行く予定があるので、「俺は忙しいんだ!俺は今日は忙しいけど友人と飲みに行くからな!夕飯は家で食べないからな!」と言い置いて出かけました。

(パパは忙しいって言ってたから、無理して譲っていただいても仕方ないわね。)

ものの数秒でこの話はオフクロの頭から消えていきました。

さて、夜遅く帰ってきたオヤジにこの話を何気なく言ったところ、オヤジの表情がす〜っと変わりました。ほとんど泣きそう・・・とでも申しましょうか。「なんで、なんで、なんで、連絡してくれなかったのお〜〜〜!携帯だっていつでも持っているでしょお〜!なんで、なんで、なんで、れ、れ、れ、連絡してくれなかったのお〜〜〜!用の無い時ばっかり電話してきて〜

オフクロ、びっくり。「な、な、なんで?だってお友達と飲みにいくって・・・・。」

「もう、わかんないのお?どんなお友達だってその券があれば絶対一緒に行くっていうんだってば!今日は巨人の優勝が決まったんだよ!事実上の最終戦だったんだよ!その券はね、プラチナチケットなんだよ!長島率いる巨人と王率いるダイエーとで日本シリーズ優勝決定の瞬間を俺は、俺は、見逃したんだ〜(グシャグシャグシャ・・・頭をかきむしる音)。こんな事ってあっていいのか〜・・・。もう無い!こんなカードはもう無い!」

 興奮しまくるオヤジ。「こんな大事な事がわからないなんて、信じられない奴だ!」

 何やらそのチケットがたいそうな貴重なもので、なかなか入手できない「ぷらちなちけっと」であったことは、オフクロも理解できたようですが、いま一つピンと来ません。でも、わかんない人を責めても仕方ありませんね。

  布団に入って今日も安らかにご就寝・・・・ということで、オヤジの布団の中から鼾に加えて何やら「ギリギリギリ・・・・」と歯軋りのような音が聞こえたような気もしましたが、気のせいでしょう。静かに夜は更けてゆきます。今日もわが家は平和そのもの。

巨人日本シリーズ最終戦チケット:癒され度 わかんない

 

その2−1

「野球音痴」の項、一部追補いたしました

「野球音痴」の項をアップしたことにより、オヤジからクレームがありました。「俺はあんなことを言っていない!こう言ったんだ!」・・・ということで、オヤジの発言を一部追加修正いたしました。追加修正部分は下記にて、紫色にて補記いたしましたので、ご用とお暇のある方はご覧ください。

 あ〜、もう僕は大変です。「ガチガチの巨人ファン」と「コテコテの野球音痴」の結婚生活はまだまだ続き、平和なわが家からは、今日も「ギャー!」という声が聞こえる・・・・・かな?

 オフクロの強制裁量権発動により、Y新聞がうちから消える日も近い・・・・かも。

 

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