第1回 花板とアヒル
職人の世界を経験したことがある人なら、わかってもらえると思いますが・・・・・・・
とかく、料理人の世界も暗黙の階級または、段階があります。
特に和食の世界ともなると話にならないくらいの階級がありまして、一番てっぺん
は料理長と思いの方が居るかもしれませんが!これが違うんだな!
確かに料理長は偉い、しかし、芯の現役実力者はこの世界で俗に花板と言われ人だ!
その店が繁栄するかしないかは花板の腕次第であり、お客から一番愛されている。
(花板とは・・・・・和食板前であり、その店の看板料理人。)
特徴は私の主観ではあるが・・・・・店の戸を開けて、お客に張りのある威勢のいい声で
「いらしゃいませぇ!」と声をかけ、他の板前を寄せ付けない
くらいの千両役者張りの笑顔で出迎えて、裏方にテーブルセッティング用意をさせる。
そして、一言!「○○さん!久しぶりです.」と2.3度来たなら名前を一番に覚えてくれる。
料理を作っているときも、その目としぐさはかっこいい!その目は自信に満ち溢れ!
呼吸は口で空気を出し入れせずに鼻で整える。(笑)料理を出すときも、客の目を見ている。
また、これ読んでいい和食の店に行った時に下記の事を実験してみて下さい。
一番最初に注文した料理に箸を入れ口に運ぶ一瞬に箸を止めてください.。
誰かがそのしぐさを見ている人が居ます.。その料理を作った人が見ています.。
それが花板ならば、花板が見ているか、また、違う板前さんが作ったのならば、
その人が見ています.。(時期花板)誰も見ていないようなとこは良い店とは言えないでしょう.。
なぜならば、客と板前さんは常に勝負をしているからです。
客が料理にうなずけば、料金がもらえる。(笑)また、客の食べる顔を見ないような板前がいる
店はその後の繁栄はないでしょうね。
ちょっと!脱線しましたがこの花板と対照的な存在がいます。こうやって!
その俗名をここで語る事態、何かトラウマにかかったようになります。
その存在とは「アヒル」・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(アヒルとは・・・・・見習和食料理人また、見習とも言えない入りたての料理人、常に何かに追われ
たように料理場の水周りをぺたぺたと歩くしぐさからアヒルと言われる。)
中学校を卒業して、まだ、あどけなさが残る年頃で社会の事など何も知らずにこの世界に飛込みと
言うことはまさに、語るに涙!思い出したくも無い!灰色の青春!(笑)
一流店にもなると全国各地から、中卒の子達が何十人も集まり、大きなザルの上にのせられ、
一年後はザルに2〜3人。その間に先輩板前(この世界に入って2年〜5年の先輩)から執拗以上
のしつけといじめ、生活環境の悪さ、多分、親も知らないでしょう。
しかし、私はこうやって自分の店までもてたし、恥ずかしながら花板までのぼりつめた。
今現在。残れたのも花板の存在があったからだ。
「今は、アヒルでも、いつしか純白の白鳥(花板)になれば結果オーライ!」でもね!最終的にアヒルから花板になるまでの要素はお客さんが育てるものですからね。
世の中うまくできているよね。!(笑)
1999年5月3日