フランスワインの産地

戻る

 

ジュラ・サヴォア

戻る

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

フランスワインの産地

ボルドー(Bordeaux)

 ボルドーの葡萄園は、ジロンド河の両岸と、ガロンヌ河、ドルドーニュ河の両岸に広がっており、名醸地がひしめくフランスの中でも、質・量とも群を抜いて名高い地域です。ボルドーワインは恵まれた自然風土の中で育まれた複数の葡萄品種の組み合わせから生まれ、長い熟成期間を経て、繊細な風味と香りを身につけていきます。文字どおり、”ワインの女王”にふさわしい優雅な個性です。

 ボルドーのワインの中では、なんといっても赤ワインが特に有名です。また、赤ワインばかりでなく、甘口の白ワインも特に人気が高く、 さらに、辛口の白ワインもまた、決して他の地方のものに劣るものではありません。ボルドー地方はいくつかの地区に分かれていて、それぞれ優れた品質のワインを生み出しています。赤ワインでは、メドック、クラーヴ、サンテミリオン、ポムロール地区が特に名が高く、中でもメドック地区にはグラン クリュ クラッセと呼ばれる60あまりの有名シャトーがひしめいています。辛口の白ワインでは、グラーヴとアンタオル・ドゥー・メール地区、甘口の白ワインではソーテルヌ地区が飛び抜け、つづいてサント・クロワ・デュ・モン地区などが知られています。

 ボルドーのワインを語るとき、つねに引き合いに出されるのがシャトーです。シャトーとは本来”城”のことですが、ワイン用語では葡萄を栽培し、醸造してワインにする生産者をいいます。シャトーの中には瓶詰め施設をもたず、樽で売るシャトーもあります。

 ボルドーの有名なシャトーは、近年、ワイン商に運んで瓶詰めするよりも、自分のシャトーで瓶詰めすることが多くなっています。この場合はシャトーもと詰め(mis en bouteille au chateau=ミ・ザン・ブテイユ・オー・シャトーまたは、mis du chateau=ミズ・デュ・シャトー)という表記がされます。ただし、ボルドーだけでもシャトーは8,000以上あるといわれ、ただ単にシャトーという字だけにこだわるのは考えものといえます。

 ボルドーの有力な生産地区のメドック、クラーヴ、ソーテルヌ、サンテミリオンでは、各地区ごとにシャトーの格付けが行われ、その地位や、評判によってその価格が左右されます。その最高の地位のグランクリュ1級のワインはそれだけ値段も大変高くなります。

 また、ボルドーのワインは、原産地呼称統制ワイン―AOCが多く、フランス全体のAOC生産量の2割強をを占めています。世界のワイン産地の中で最も名高いボルドーといわれるゆえんです。

戻る

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ブルゴーニュ(Bourgogne)

 ブルゴーニュは、ボルドーとともにフランスを代表するワインの産地で、その名はボルドーと同様、世界に広く知れわたっています。量的には、ボルドーの半分ほどで、しかもその3分の2が南部のボジョレー地区の若いワインで占められていますが、北部のコート・ドール地区には有名なワインがそろっています。
 ブルゴーニュのワインはボルドーのように何種類もの葡萄を使うことはしません。ほとんど白ワインはシャルドネ種から、また赤ワインは北部はピノ・ノワール、南部はガメイ種からつくられます。
 ブルゴーニュの赤ワインは、ボルドーの赤が複数の品種から醸造され、重厚でタンニンの強モ多くニュアンスにも富んでいるのに対して、北の気候に由来する豊かな酸に恵まれ、また単品種から醸されるため、品種の個性や芳醇な香りがストレートに楽しめます。また白ワインは独特な芳香と腰の強さで、人気があります。

 ブルゴーニュのワインづくりは紀元前600年頃すでにはじまったといわれ、古代のスイス人だったヘルヴェティア族がこの地に葡萄を紹介したと記録されています。ローマの征服はこの地のワインづくりに拍車をかけ、中世になると修道僧たちがワインの品質向上に情熱を注ぎ、今日のブルゴーニュワインの基礎をつくりました。

 ブルゴーニュの葡萄畑は、ボルドーのシャトーのように、ひとりあるいは1社で大規模に経営することはほとんどありません。例えば、ボルドーのシャトー ディケムは約100haあります。これに対し、ブルゴーニュのクロ・ド・ヴージョは、わずか50haの畑を80人以上で分割所有しているのです。有力生産者は異なる数多くのACに少しずつ畑を所有するのが一般的です。
 これはフランス革命により、もともと教会や貴族の所有だった畑が、小さく分割されて地元農民に払い下げられ、それがさらに相続を重ねるにつれてこまぎれにされ、現在の形態が生まれたのです。したがって同じ名前の畑でとれた葡萄を使っても所有者(醸造元)が違えば、おのずとワインづくりにも差が生まれ、その品質や個性にも影響してくるわけです。
 なおブルゴーニュでは、ワイン法による地域名称統制がボルドーのように村単位ばかりでなく、格付けも畑単位にまで及んでいます。最も格上のものはグラン クリュ、ついでプルミエ クリュですが、プルミエ クリュはグラン クリュと違ってシャブリを除き別格のACにはなっていません。

戻る

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コート・デュ・ローヌ(Cotes du Rhone)

 コート・デュ・ローヌはローヌ河沿いに、北のリヨン市近くから、南のアヴィニヨン市あたりまで、約200kmにわたる長い地域です。

 コート・デュ・ローヌは南北2つに分けられ、北部はローヌ河の小高い丘、南部は平地が多い、といった具合に地形も異なっています。また、北部は大陸性の気候、南部は地中海気候といったように、気候もそれぞれ違うので、南北で栽培されている葡萄の品種も異なっています。
 このようにバラエティに富んだ風土をもつコート・デュ・ローヌでは、さまざまなタイプのワイン、さまざまな風味のワインが産出されます。

 全体として赤ワインが圧倒的に多いのですが、北部地区では赤ワインはシラー種、白ワインはマルサンヌ種、ルーサンヌ種とごく一部でヴィオニエ種からつくられ、南部地方ではグルナーシュ種を主体に、シラー種、ムールヴェードル種など数多くの品種が許可されています。
 圧倒的に量が多いのはコート・デュ・ローヌという地方ACですが、中でも限定された地区でつくられるヴィラージュにはかなりしっかりしたワインがあります。
 狭い地区のACでは、北部のシラー種の赤ワインは重厚な性格で、色も濃く、暖かな味わいで、代表的なものにコート・ロティやエルミタージュがあります。
 南部のグルナーシュを中心とする赤ワインは、アルコール度が高く、力強くコクがあり、代表的なものにシャトーヌフ・デュ・パプ、ジゴンダスなどがあります。
 南部のタヴェル地区のロゼワインも見逃せません。上品でコクがあり、辛口、調和のとれた風味が見事です。フランスの家庭のテーブルのよく登場するワインでもあります。

 白ワインは、北部ローヌではコンドリューやエルミタージュなどが生産量は少ないものの高品質で知られ、またサン・ペレィではスパークリングワインもつくられています。南部ローヌではシャトーヌフ・デュ・パプやリラックなどの赤・白ワインの他、ボーム・ド・ヴニーズではミュスカ種を使った甘口のワインがつくられています。南部ローヌのさらに南東部には、’87年にAOCに昇格したコート・デュ・リュベロンがあり、近年注目を集めています。

戻る

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ロワール(Loire)

 フランス第一の大河、ロワール河の流れが大西洋に注ぐ河口付近から、上流のプーイィ・シュル・ロワールにいたる約300キロの流域。ここには中世の名残をとどめる美しい古城と共に、ワインの産地が広がっています。ロワールのワインは、大別すると、河口からナント、アンジュとソーミュール、トゥーレーヌ、中央フランスの4つの産地に分けられ、それぞれ特色あるワインをつくり、いずれも葡萄の風味の新鮮さをたっぷり感じさせてくれます。また、ロワールのワインは種類が豊富で、飲みやすいという点で定評がありますが、多くの場合あまり貯蔵せずに飲むのがよいとされています。

 まず始めにナント地区。ここでは辛口の白ワイン、ミュスカデがあり、赤ワインのボジョレー のように広く人気があります。マスカット葡萄を思わせる香りがあるところから、ミュスカデという品種名が生まれ、それがそのままワインの名前になっています。

 アンジュ地区は、グロロー種やカベルネ種などからつくられるやや甘味のあるロゼワインでよく知られており、アンジュに隣接したソーミュール地区は、特にスパークリングワインに定評があります。またこの地区では、シュナン・ブラン種の貴腐化した葡萄混じりの、普通は甘口に仕立てられる白ワイン、コート・デュ・レイヨンACもあります。このワインはボルドーのソーテルヌと違って、収穫翌年春には瓶詰めされ、その後長く瓶熟されるのが特徴です。

 トゥーレーヌ地区は、ローマ時代からの古い葡萄の産地です。トゥール市をはさんでロワール河の上流でつくられる白ワインはシュナン・ブラン種を使用しており、酸味のきいた、すっきりした風味の辛口ないしやや甘口のワインです。ヴーヴレーやモンルイが知られています。赤にはカベルネ・フラン種を使ったシノンやブルゲイユがあり、厚みのある風味ですが、若い間にやや冷やして飲まれます。

 中央フランス地区ではソーヴィニヨン・ブラン種からつくられる白ワインのサンセールとプーイィ・フュメが有名です。これらは青草を感じさせる独特な芳香があり、切れのよい辛口ワインとして知られる美酒です。

戻る

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シャンパーニュ(Champagne)

 フランスの葡萄産地としては最北端にあたるシャンパーニュは、言うまでもなく、あのシャンパンの産地です。この地でつくられるスパークリングワインのシャンパンは、スパークリングワインの代名詞として使用されるほど、世界で最も有名なワインの一つです。その名にふさわしく、大変手間のかかる伝統的な手法をかたくなに守り続けて、素晴らしい風味を生み出しています。シャンパーニュ地方では西暦2世紀頃からワインがつくられていましたが、瓶の使用が実用化された17世紀後半から、スパークリングワインの生産が始まりました。発泡性ワインがつくられるようになったきっかけとして、こんな逸話が残っています。

 17世紀後半のこと――マルヌ県オーヴィレール村にあるベネディクト派僧院のドン・ペリニョンという酒庫係僧侶が、発酵が完了していないワインに、たまたま当時使われ始めたコルク栓をしてしまい、そのまま放置しておいたところ瓶の中で再発酵し、偶然にも発泡酒ワインができていた、ということです。現在でもこれに似た手法は生かされていて、シャンパン表示できるものは、このシャンパーニュ地方の指定地域内でとれた黒葡萄のピノ・ノワールとピノ・ムニエ、白葡萄のシャルドネの3種のみから生産され、発泡性をもたせるために瓶内で2回目の発酵を行い、それによって生じた炭酸ガスを瓶内に封じ込める方法でつくられたものに限る、とされています。

 シャンパーニュ地方は、フランスのブドウ栽培の最北の地域で、葡萄によっては厳しい気候条件にありますが、さまざまな自然条件が葡萄を守っています。例えば、北には背の高い森が続き、これが冬の北風と霜を守る巨壁となり、マルヌ河から立ちのぼる水蒸気が湿度を与え、さらに白亜質の土壌がとぼしい光を反射させて葡萄の育成を促すといった具合です。

 シャンパーニュ地方は大きく6つの地域に分けられますが、優秀な畑は、ランスの南に広がる3地域に集中しています。さらにそれら3地域の中でも、黒葡萄はモンターニュ・ド・ランスとヴァレ・ド・ラ・マルヌの2地域で栽培され、白葡萄のシャルドネ種はコート・デ・ブランで栽培されています。

 畑は250の村に広がっていますが、これらの畑はそれぞれ100%から80%の間の%表示で格付けされており、100%の畑はグラン クリュと呼ばれます。なお、この格付けの%表示は、そのまま葡萄の買付価格に反映されます。こうした自然条件と伝統技術に守られて、シャンパーニュ地方では、イギリス王室の御用達を務めてきたランソン社のシャンパンなど、数々の気品ある”黄金の気泡”をつくり出してきました。

戻る

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アルザス(Alsace)

 アルザスはフランス北東部のライン河をはさんでドイツと国境を接する位置にあり、ヴォージュ山脈の東斜面に葡萄畑が展開しています。このようにドイツとの国境に近いアルザスは、ドイツワインと同じような品種を原料にして、それでいてドイツワインとはまた別の独自の風味を持った辛口白ワインをつくっています。

 アルザス地方の葡萄は、この地方の乾燥した長い夏によって、果実のエッセンスがたっぷりと凝縮し、驚くほど芳醇なブーケを持つワインへと変身します。ドイツの白ワインがしばしば柔和で甘味な香りのワインを目指すのに対して、このアルザスのワインは、とびきりのフランス料理を見事に引き立てる強さ、フルーティでありながら、あくまでドライな辛口を求めています。

 アルザス地方で生まれたワインは、フランスの多くのワイン生産地区と違って、ワインに土地名をつけるのではなくて、原料葡萄の品種名で名前をつけています。特に有名な葡萄品種は、リースリング、ゲヴュルツトラミネール、ミュスカ、トケイ・ピノ・グリ等です。

戻る

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

プロヴァンス・コルス(Provence)

 マルセイユから東の、地中海沿いにあるプロヴァンス地方は、ワインづくりでも紀元前600年頃からの長い歴史をもっています。コートダジュール「紺碧海岸」の温暖な気候に恵まれてフランスはもとより、ヨーロッパ中から年間800万人が訪れることもあって、この地方ではヴァカンスの気軽な気分で飲みたくなるようなロゼワインを中心に生産しています。古くから4つの小地区AOCバンドール、カシス、ベレ、パレットに加え、近年品質的に大きく向上した数々の小地区が、次々にAOCに昇格しています。

戻る

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

南西部(Sud-Ouest)

 ボルドー地方の東からピレネー山脈にかけての、フランス南西部のワインも多彩です。

 AOCとしては、ベルジュラック、オート・ガロンヌ、ガイヤック、カオール、ピレネーを含みますが、最もよく知られているのはカオール地区のマルベック種やメルロ種からつくられる個性的な赤ワインです。中世の古くから力強い赤ワインとして知られており、その濃厚な色合いから”黒ワイン”と呼ばれていましたが、現在はむしろ、なめらかで果実味豊かなワインを生み出しています。また、ボルドーの東に位置するベルジュラック地区も有名で、甘口の白ワインと、フルーティな赤ワインを産出しています。

戻る

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ラングドック・ルーション(Languedoc Roussillon)

 南フランスのラングドック・ルーション地方はフランスでも最古のワイン産地で、現在でもフランス全土の3分の1のワインを生産しています。もともとこの地方は高級ワインよりも日常的な品質のワインの大産出地として知られていましたが、VDQS(産地限定高級ワイン)や格上のAOCに昇格する地域も出てきました。

 近年、この地方がきわめて注目され始めたのは「ヴァン・ド・ペイ・ドック」が誕生して以来です。ヴァン・ド・ペイとはいわゆる「地酒」でオック地区の地酒という程度の意味ですが、今日の隆盛の起爆剤となったのは地酒としての特徴よりも、むしろカベルネ・ソーヴィニヨン種やシラー種、シャルドネ種、ソーヴィニヨン・ブラン種などの北の高貴品種を使った「ヴァラエタル(品種名)ワイン」の登場によってでした。

 この流れは、スカリ社のロベール・スカリ社長が地元の栽培農家の協力を得てスタートしたもので、その成功以来、数々の後続メーカーも参入。今日では「南フランスのカリフォルニア化現象」とまで呼ばれ、手頃な値段で品種の個性が表れた上質なワインを楽しめる新産地として世界の注目を集めています。

戻る