| 浅 七 | (門前仲町・居酒屋) |
その人の飲み方が試されるかも
![]() 品書きと注意書きが並ぶ店先 |
![]() 路地を抜けた裏通り |
| 訪れたときの様子 |
| 「魚三酒場」でしっかり飲んでしまい「まずいかなあ」と言うと、同行者は「だあいじょうぶ」 平然と暖簾をくぐる。なにしろここは「外で飲んできた方はお断りします」と掲げる店なのだ。 「はじめの注文は一人一合ずつお願いします」「お客同士のお酒のやりとりはご遠慮ください」 そして、他人のつまみに箸をつけるのはご法度。これらが壁書きされているのだからすごい。 小上がりの卓も空いていたがカウンターに座る。正面の壁には棚がしつらえてあり、着物の主人が右手から盃を取り出して袂(たもと)を抑えつつ配る。酒の注文が聞かれる。「〆張鶴(800円)」の燗。同行者は「群馬泉(800円)ひや」から行くようだ。 棚の左手には1升瓶がずらっと並び(10種ほどが各3〜7本、「〆張鶴 純」が一番多い)、「群馬泉」がそこから注がれる。それが「ひや」で、すなわち「ひや」といってもここのは「常温」だ。(ちなみに冷蔵庫に入れてあるのは「つめたいの」になる。こちらは各種1本ずつのようだ) そして「あたたかいの(燗)」は「ひや」を注いだ薄手の徳利が短時間湯につけられる。「ぬる燗にしてあります。もっとあつめがよければ言ってください」 ん〜、「ひや」の同行者には何も言わずに出していたのに。もしかしたら燗にしてほしくなかったのかな。徳利は思わず持つ手を離すくらい熱いが、中の酒はほんのり温まった程度。 突き出しの玉子焼きのあと、気になっていた「いり焼き豆腐(500円)」をとる。薄い焼き豆腐が皿に盛られる。(焼きねぎ、糸こんにゃく付き) すき焼き風だが甘くはない。 同行者は千切りしょうがのたくさん浮いた「冷やし煮なす(450円)」が汁までうまいとこちらに勧める。おいおい、ご法度なんだから。 品書きには日本酒だけなのに、後ろの30代ネクタイ2人連れが「ビール無いんですかあ?」とお姉さんに言っている。冷蔵庫の脇に小さな小さなビールサーバー(アサヒスーパードライ)があった。200ml弱の小さなグラスに注がれる。これは明らかに頼んで欲しくない品なのだろうが、主人がビール注ぎで目をそらしている隙になすをつまめたので由としよう。 酒がすいすい入り、同行者が今度は燗で「大七(750円)」。私は「青垣(梅乃宿、750円)」燗。 「全国の酒がバランスよくあるけど、九州はないね」と同行者と話す。さっきから「日本酒は乳酸が決めて」などと語る後ろの客が今度は「おしんこないんですかあ」とお姉さんに叫んでいる。こちらも苦笑いしていると、主人が「ここはおしんこないんですよ」と話しかけてきた。 「燗にしたときに味に幅が出る酒を選んでいる」「以前は九州の酒も置いていたが、どっしりしすぎていて皆さん2杯目を頼まない。残ると結局私が処分する(飲む)ことになるんですが、最近は前ほど飲まないので」「冷蔵庫にいれても管理になんてなりませんし」 グリーンピースを使った「ほたて梅煮と煮豆(500円)」は梅が色に出るくらいで味は強くない。この時分には同行者とつまみをつつきあっていたが、分をわきまえていれば何も言われないようだ。もう1本分けながら飲もうか?と言っても、「初めの注文だけちゃんとしてくれれば構いません」と主人。 決まりごとがたくさんありながら、つまみに合わせる酒や燗具合は自分で選ぶことになる。酒、つまみともに10数種ずつしかないが、「このつまみにはこの酒でないと、とかいうことはありません。その人によって変わりますし、燗具合にしてもお好みです」との主人の言葉がなかなかに重い。直径5pほどの小鉢に焼かれて出てきた「やきみそ(400円)」は香辛料が強く、「立山(700円)」では負けてしまう気がした。 結構飲んだが、まだ時間が早かったので大江戸線で2つの「岸田屋」へ向かう。 |
| この日注文したもの |
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冷やし煮なす(450円)1、いり焼き豆腐(500円)1、ほたて梅煮と煮豆(500円)1、焼きみそ(400円)1、 |
| 勝手なコメント |
| 日本酒を楽しむ店。その人の飲み方が試されるかもしれない。 ★★★★(5つ星が最高) |
| 詳しい紹介 |
| 江東区富岡1-5 大通りから1本入る 17時半から営業。21時半ラストオーダー。 日祝休み。 営団東西線、都営大江戸線 門前仲町駅 から徒歩2〜5分 @東西線で行く時は西船橋方面の階段、改札を使って2番出口を出るのが一番早い。出たら歩道を右に進むと通り沿いに魚三酒場がある。(通りを挟んだ向かいは深川不動尊入り口と富岡八幡宮入り口の中間くらい) 魚三酒場の脇の路地を入った右手。 A大江戸線や東西線大手町方面の改札を使うと2番出口には出られない。地上に上がり、東京三菱銀行やUFJ銀行の並びの向かい側に渡り、あとはまっすぐ。地下鉄出口を通り過ぎたらすぐ魚三酒場。以下同じ。 ⇒「新精選 東京の居酒屋」 太田和彦 草思社 ⇒「日本の居酒屋を行く 疾風篇」 太田和彦 新潮社 「東京下町」の部分 「ニッポン居酒屋放浪記 疾風篇」(上記の文庫版) 新潮文庫 |