鳥 勘 (羽前山形、懐かしい店)

   あの頃を思い出す

   
訪れたときの様子
樽の入り口にどうしても逆らえずに入ると、白髪の老婆(2人)が奥の部屋でテレビを見るでもなくながめていた。動くのもしんどそうだ。太田さんの本だと、しゃきっとしたお母さんが想像できたのだが、ん〜、時が流れたか。

ビールを飲みながらカウンターに肘をつく。確かに学生が集った店の匂いがして、なにか懐かしいが、お通しのイクラが乾燥気味だな・・ 「どうぞ」と出されたお新香には長方形の透明な物体(○の素)がふられている。でも、まあいいじゃないか、そんな気がしてくるのは不思議だ。

焼鳥を頼むと、囲炉裏におこしてあった炭が焼き場に運ばれた。ものも言わずに焼くので、こちらも樽のテーブルなぞながめておく。
「どうぞ」と皿にのせられた串。今はやりの「〜鶏」というわけではなさそうだが、大き目の肉から汁がしたたって、なにかいいじゃないか。

焼くのに立ちっ放しなのが申し訳ないが、焼鳥をタレで追加する。
1本140円、学生時分だと簡単には頼めなかったなあ、しかも炭火焼だぞ。適当にやってるけど、少しは働いたんだなあ、などと柄にもないことが頭に浮かぶ。

「お酒も飲みますか」と聞かれるのではいと答える。出てきた燗酒、徳利の先(1杯目)は熱いけど、真ん中辺はもうぬるい。
やかんのお湯、急いで沸かしてたからなあ。でも、いいじゃないか!

やっぱりあの(飲み始めた)頃の店、また行ってみないとな、なんてしみじみしながら、お勘定。んっ、学生の軽く一杯にしては高いぞ?

そうか、俺は社会人だ。
この日注文したもの
焼き鳥(1本140円)塩3・タレ3、
ビール(小瓶500円)、酒(燗、「爛漫」400円or500円)、各1、
お通し?(イカ刺身にイクラ、お新香、各1)
1人で2440円(小1時間滞在)
勝手なコメント
なぜかいろいろと思い出してしまった。店の雰囲気のなせる業か。
★★★(5つ星が最高)
詳しい紹介
山形県山形市七日町4−1
12時から23時の営業、日曜定休

山形新幹線・奥羽本線 山形駅 からバスで七日町へ、そこから徒歩2〜3
駅から歩くと20分弱
七日町のバス停で降りると「大沼」というデパートの前。一方通行の通りを進み、すぐ先を右折、2つ目くらいの交差点を左に入ると右手に「鳥勘」
「やまがた百味会」(2003年度版)のちらし(地図付き)にのっているので、地元で手に入ったら便利。(私はなぜか交番でもらいました)

焼鳥のタレ焼きが、複雑なうまみでけっこういけた。

「これ、樽ですね」と聞くと、やっと少し話してくれた。テーブル代わりの大き目のが酒樽で、椅子代わりは醤油樽だそうだ。「毎年夏に(タガを)締め直さなきゃいけなくて大変で・・」 きっとお金がかかるという意味だろうが、それ以上は聞かずにおいた。

⇒「日本の居酒屋を行く 疾風篇」 太田和彦 新潮社
     「山形」の部分
  「ニッポン居酒屋放浪記 疾風篇」(上記の文庫版) 新潮文庫


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