この秋、東京の新宿テアトルタイムズスクエアで上映された『マーサの幸せレシピ』(サンドラ・ネットルベック監督)を観た。
このところ、料理を題材にした映画が盛り沢山だ。
9月に『ディナーラッシュ』(ボブ・ジラルディ監督)を観たばかり。こちらはNYのイタリア料理店を舞台にした、スリリングでお洒落なサスペンス映画だ。
さて、『マーサの幸せレシピ』は、ドイツにあるフランス料理店を舞台にした天才女性シェフ(マーサ)が主人公の映画で、私はのっけから「あぁ……」と嬉しいため息を吐いてしまった。というのも、音楽に、大好きなジャズピアニスト、キース・ジャレットの「Country」(「My Song」に収録)が使われていたのだ。
映画の内容は、マーサと、彼女の姪、陽気なイタリア人シェフを中心に繰り広げられる心暖まるもので、テーマは料理と愛。ストーリーのみならず、映像がとにかくきれいなのだ。そこにキースの奏でるメロディーが映画の美しさを際立たせる。そして結末に涙して……。
家に帰り、「My Song」のCDを引っぱり出して、何度も何度もくり返し聴いた。
4曲目「Country」を聴く度に、最後の感動的なシーンが脳裏に鮮明に蘇る。
このアルバムを聴き、お気に入りの料理本をめくりながら、料理のアイデアをあれこれとめぐらせるのもいいだろう。マーサの厨房での立ち居振舞いを思い出しながら、エプロンの紐をきゅっと結んでみる。
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