お気に入りの箸


先日上海に旅行に行ったとき、20歳ぐらいの若い欧米人の女の子がコロコロした豆のようなものを箸でつまんでいたのですが、上手につかめず、箸を使ってレンゲにのせようとしてもうまくいかず、ついには銀製のスプーンとレンゲを組み合わせ(つまり彼女にとってはスプーンをふたつ使うようなもの)て食べていました。

普段何気なく使っている箸は、長い年月を重ねて使いこなされ、何世代にも渡って受け継がれてきたもの。小さい頃に、箸の使い方を家庭で教わりませんでしたか?上海での光景を目の当たりにしたとき、家族の愛をも感じましたが、このごろは箸の正しい使い方ができる日本人が減ってきているとも。

ナイフ・フォークの文化にはない、「マイ飯椀」、「マイ汁椀」、「マイ箸」のある日本人。自分専用であるなら、お気に入りの、こだわりのものを見つけたいものです。デパート、ショッピングセンター、雑貨屋さん、お土産やさん。箸を売っているところを見て回るものの、お気に入りのものにはなかなかめぐり合えないのですが……。

手の大きさに合った長さのものを見つけ、持ってみて太さがちょうどよいもの、口の中に入れたときの感触と、手で持ったときの感触、食べ物を挟む際のすべりにくさ。そして色あい、デザイン。自分の中にある基準をクリアするのは大変です。

黒檀や紫檀、本漆の箸、象牙の箸でない限り、箸の相場はだいたい800円から1500円の間。その日の気分や、料理に合わせて使い分けができたらと思います。箸ひとつで気分転換にもなります。何かの記念に、旅行の想い出に、誰かとのお揃いにと、どんどん理由を作って、雑誌や洋服を買うような感覚で揃えていきたいものです。写真は、メンバーの普段使いの、お気に入りの箸たちです。

麺を食べるときには竹製のすべり止めのついたもの、お正月や和食のときには塗りの箸やモダンな金・銀色が使われた塗りの箸でスタイリッシュに。お弁当には短めで少しかわいらしく朱色の箸で……、と食のシチュエーションに応じて使い分けていくと楽しいでしょう。

兵左衛門 >>

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