美緒の気まぐれエッセー

歌舞伎町に単身赴任?

小茶のホームパージを作ったものの、なかなか文章が書けない。
ある晩、お客さんにおもしろい事を言われた。ご近所のセブンさん(仮名)なのだが、私自身を知っている人だけに、
「何気取ってやがると思うよ。もっと気楽に思いついた事を書けばいいじゃない。僕なんか会社で30回位見てるけど、滞ってるナー」と。
あっ、そうか。やだー、私、小説家でもあるまいに、どうしても手紙は背筋をただし、墨をすって、筆で書くものと…実は古い人間なんです。
それじゃお言葉に甘えて、まずセブンさんの事を書かせてもらいます。

三番街の立ち退きで、ビルの中に移って来てから、フリーの人は1人も入らなくなった現在。そのセブンさんはラフな格好で、
「いいですか」と、ドアを開けて入ってきた。
お客さんも初めての店はこわいかもしれないけど、こっちだってこわいのダ。だけどもなんともさわやかな人で、ジャンパーにサンダル履き、声もはっきりとして男っぽかった。
「どうぞー」
昔からの知人のようでありました。
不思議なのは東京まで1時間半の地方に家族4人で住んでいて、1人単身赴任をしている事。たったの1時間半よ。新幹線通勤もざらだというのに。
お金、もったいないじゃない? の質問に、
「往復3時間もかける事の方が、人生の無駄遣いだよ。1日3時間、1週間で21時間、1ヶ月で630時間、1年で・・・ほらね。時間の無駄遣い。人生は短いんだよ」
 間髪いれずにまたもやさわやかな答え。説得力あるー。考えようによっては、まさにその通り。フー。
だけどまたなんでこのような場所を選んだのと聞くと、
「不動産屋に行ったら、いい物件がありますよ、と昼間案内され、早くしないと借り手があるからとせかされて、すぐ契約した」と、笑いながらセブンさんは言う。
「でも住んでみたらびっくりしたよ。そのスジの恐い人がたくさんいるし、深夜いろいろな国のホステスさんが廊下で大声で喧嘩しているんだ。それがお互い言葉がわかんなくて、結局片言の日本語で怒鳴ってるんだよ。ソレワタシノオカネ、カエシテヨ!! なんてね。ハッハッハッ」
と、またのんきに日本酒片手に屈託なく話してくれた。

新宿の大都会の酒場とラブホテルのまんまん中のビルに引っ越してきて、子供のように生き生きしているセブンさん。今日も路地から路地を探検しているのでしょうか。

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