やさぐれ刑事(デカ)
先日深夜枠で、渡辺祐介監督の『やさぐれ刑事(デカ)』が放映されました。この映画、ほんのワンシーンですが小茶で撮影され、おばちゃんがセリフ入りで出演しているものです。しかしビデオ版では、小茶のシーンはなぜかカットされていました。清水章吾の、「新宿の小茶という飲み屋」というセリフは生かされているのに、です。
以前テレビ放映された際、おばちゃんのシーンはカットされていなかったそうで、当然今度も期待大だったわけですが、管理人はまったくノー・マーク。もう寝ようかと思っているところに美緒さんから電話が入り、これはいかんと慌てて、ロールが終わったあたりからテープを回しました。そして、おばちゃんのシーンもちゃんと放映され、ほっとひと安心。
しかし、このページで予告できなかったことが悔やまれて仕方ないので、『新宿馬鹿物語』のように、テレビ画面をデジカメで撮影しました。画像は鮮明ではありませんが、音声も入れ、そのシーンを再現してみました。ストーリーは、原田芳雄扮する刑事が女房(大谷直子)を寝取り、上司(?)を殺したヤクザ(高橋悦史)を、北海道から鹿児島まで追い詰めていくというハードボイルド・アクション。
問題のシーンは、原田芳雄が東京に到着してすぐ。東京駅八重洲口 新聞を買う西野(原田芳雄)。新聞には、
「大西警部射殺事件重要容疑者
杉谷保夫(高橋悦史)都内に潜伏か?」
刑事(清水章吾)が来て、西野(原田)に話しかける。
刑事:新宿の歌舞伎町三番街にある、『小茶』っていう飲み屋に、不思議な男がよく来るそうですよ。東京の十文字系に関しちゃあ、生き字引みたいな男でねえ。オナカシンメイって男です。
「歌舞伎三番街」の看板
夜の三番街
オナカ(下川辰平)、西野の手相を見ながら、
オナカ:女運が悪いな。それにやさぐれ――つまり、宿無しの気も出とる。
オナカ:第一その目だけどな、人間には追う目と追われる目とがあるが、あんたのはとことん追い詰めるって目だよ。
おばちゃん:オナカさん、お酒冷えちゃうわよ。
WAVで、おばちゃんの声が聞けます(26K)
MP3で、おばちゃんの声が聞けます(10K)
西野:オナカさんですか? どうも失礼しました。
オナカ:そっちは北海道からおん出てきた狂犬だろう? 俺も、元刑事のなれの果てさ。
以上が『やさぐれ刑事』のおばちゃん出演シーンです。小茶で撮影された部分は、ほんの2、30秒ほどですが、撮影は大変だったようです。なにせ狭い路地の狭い店で、営業時間中に客を締め出して行われたわけですから。おばちゃんも緊張したようで、何度もNGを出し、やっとうまくいったかと思うと、
「これでいいの?」
と、ひと言言って、またNG。
そう思って本編をよく見ると、おばちゃんは自分の番が来るまで、じっと下川辰平の方を見たまま微動だにしない。無事セリフを言い終えて、こちらを向いたおかげで、おばちゃんの顔がフィルムに定着されたわけです。もちろん、渡辺監督がちゃんと指示出していたんでしょうけどね。