肝疾患

肝炎

<治療方針>

  基礎は適正な食事摂取と適度な安静が大切

 

<食事の基本方針>

 肝細胞の修復と再生を促進させ、免疫力を高め、肝炎の進行を防ぐために十分な栄養補給を行う(高エネルギー・高たんぱく・高ビタミン食)。これは、肝炎の炎症に伴う消火器症状やエネルギー需要の増大による相対的食事摂取量の不足や腸管の消化吸収不良、筋たんぱくの異化亢進、肝臓のたんぱく合成障害などに対応するものである。慢性肝炎は慢性炎症ではあるが肝全体の機能低下や代謝異常もあまりみられないので、食事内容は所要量を十分に満たしていれば健常人と大きく変更することはない。単純に高エネルギー食にすると、肝脂肪蓄積を助長したり、合併症を引き起こす危険もある。

 

アルコール性肝障害

<治療方針>

 禁煙が原則。軽症の場合は禁煙のみで回復するが、血液検査値が改善されても数ヶ月は禁煙を守る。

 

<食事の基本方針>

  1. アルコール飲料の禁止。
  2. 重症化には高脂肪食が関与するので、脂肪エネルギー比を15〜20%程度にする。
  3. たんぱく質、糖質、ビタミンなどはアルコールの分解に必要であるから、副食を十分に摂取する。
  4. 予防のためには、アルコール飲料の摂取上限(一日の上限量は、ビール:500ml×2本、日本酒:2合、ウイスキー:ダブル2杯程度、それぞれ1種類の場合)を決め、大量飲酒の日をつくらないこと、週に2日は禁煙日をつくる。
  5. 高脂肪食はアルコール性肝障害を増悪させ、とくに低たんぱく食では顕著である。最近、動物実験や疫学調査でリノール酸がアルコール性肝障害の増悪因子として注目されている。

 

過栄養性脂肪肝

<治療方針>

 消費エネルギーと摂取エネルギーの調節で体重を減らすことである。肥満度50以上の者は治療初期には食事療法で体重を減少させた後、運動負荷の是非を確かめたうえで開始する。肥満度20〜30%程度は当初より運動療法を併用する。原疾患あるいは肥満に基づく障害があれば、それらについての治療が必要である。

 

<食事の基本方針>

適正体重まで減量し、その後持続させる。

適正体重=(身長m)二乗×22  (成人の場合)

         高度の肥満・・・・・・20〜25kcal/kg

         一般・・・・・・・・・・・・25〜30kcal/kg

エネルギー比でたんぱく質20〜25%(1.08g/kg/日を下回らないこと)、脂質 20〜25%、糖質 50〜60%

 

肝硬変症

<治療方針>

      薬物療法

      

      非代償期では、入院しての治療

 

<食事の基本方針>

    分岐鎖アミノ酸(BCAA)の濃度低下⇒BCAA/芳香族アミノ酸AAAを上げる食事

    分岐鎖アミノ酸(バリン、ロイシン、イソロイシン)

    大豆、穀類などの植物たんぱく

 

     腹水、浮腫・・・ナトリウム制限

 

胆道疾患(胆石症、胆のう炎)

<治療方針>    肝疾患 食事療法と安静

胆石発作時・・・絶食、薬剤投与

   発作後・・・・食事療法、薬物療法、対外衝撃波による胆石破砕法、内視鏡的胆石除去法、外科療法(胆のう摘出手術)

 

<食事の基本方針>

  1. 規則正しい生活を送る。
  2. 脂質、コレステロール制限
  3. たんぱく質の確保
  4. 糖質は比較的多く摂取するが過剰に注意
  5. 食物繊維の摂取
  6. 硬いものは避ける
  7. 味付けは薄め
  8. アルコール飲料、カフェイン飲料、炭酸飲料および香辛料の禁止
  9. ビタミン、ミネラルは十分に