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お水のあぜ道
二代目ママ奮闘記

第3章

さて、麻味子は、いよいよ卒業を迎える事に成りました。就職先は大学では英語を勉強していたので境港に帰り、米子空港の日本エアーシステムに就職する事になりました。ここからは仕事とスナック了のNO1という二足のわらじを履く事になります。

この当時位から麻味子は、店のチーママの仕事をしているみず子と私のあいだに調度スッポリ入ってくるようになりました。私への呼び方も「お母さん」から「ママ」へ変り、こんどはいつのまにやら「ママ」から「ハハ」になっていました。スタッフ全員、そして、お客様まで「ママ」では無く「ハハ」と呼ぶようになっていました。

麻味子はこの当時、よく私に聞いてくる事がありました。それは、

「ハハが付くお客様は、なんでヘネシーなの?ハハは酒は飲まんのに」

「さっきハハはなんで、あの若いお客様に付いてたの?売上にもならんのに」

「あのお客様、ハハが付いたらスゴク態度が違うよ。おりこうさんになるよ。いつもは態度が悪いのに。」

「なーハハ、あの人、絶対ヤクザだよ、大丈夫?なんで、だまって見てんのあんた」

私は、その「なぜ?」にきちんと答えていきました。なぜなら、麻味子の目に真剣な光を感じたからです。どういう風に答えたかというと、
 ママが付いてくれた。そしたらお客様は、ママのお客を演じようとする。お客様は、私のママという顔を大事にしてくれる。私のママとしての顔の為にヘネシーを入れてくれる。こういうお客様は私個人では無く、スナック了のママに対して高価なボトルを入れてくれる。そしてお客様自身も優越感を味わえる。売上にもならないお客様に付くのは、そのお客様がスナック了を好きでいてくれる。店の女の子の好き嫌いはあっても、この店を愛していてくれる。飲みに行く時でも、このお客様は「飲みに行こう」では無く「スナック了に行こう」と思っていてくれる。たとえヤクザでも、ドカタの兄ちゃんでも、この店を大事に思っていてくれるから、自分からはトラブルはおこさない。逆にトラブルから避けるだろう。そしてココでは、良い人間を演じ様としてくれる。いつも態度が悪いのにママが付くと良くなるのは、その人の心の中に、私自身が女では無く、母親という役割で存在しているから。と、答えました。

この「なぜ?」は麻味子が、お水の仕事に対して前向きになったという印です。
 第三章が終わりました。
 まだまだ続きますよ!期待しててね。


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