手打ちそばの工程
1.タマ作り
〜切り3ヶ月・のし3年・タマ一生〜
この言葉が示すように、手打ちそばの工程の中でも、「タマ作り」は最も重要で難しい作業です。「タマ作り」の善し悪しが、この後の全ての工程、そしてそばの味にまで影響してくるからです。
(1)粉合わせ
まず始めは、そば粉とつなぎ粉(多くの場合、小麦粉)を混ぜ合わせる粉合わせの作業です。性質のまったく異なる2種類の粉を合わせるのですから、念入りに行わなければなりません。
(2)水回し
次に、合わさった粉に、卵水を加える、水回しの作業を行います。粉の粒子一粒一粒まで均一に水が回るよう、少しづつ水を加え丁寧に作業を進めていきます。
(3)揉み
粉と水とが均一に混ざり合うと、自然と小さなタマになっていきます。これを集めて圧力をかけ、表面につやが出るまで、しっかりと揉み込みます。
(4)へそだし
最後に、揉みきったタマのシワを一ヶ所に集め、タマを円すいにする作業を行います。タマの表面にシワがあると、そばにした時にその部分から切れてしまうからです。
以上が「タマ作り」の工程です。これらの作業のうち、一つでも失敗すると旨いそばはできません。また、水を入れすぎた柔らかいタマを「ズルダマ」、逆に水が少なく硬いタマを「キラズダマ」といい、どちらとも食べたときに、コシも甘味もない、エグさを感じるそばになってしまいます。
2.のし
〜のしとは蕎麦の玉を蕎麦切りの細さで生地を作る工程です〜
蕎麦の太さは1mmでは細く2mmでは太い(太打ちは別)ので、ミクロの単位で合わせる技術が必要とされます。
また2kg玉で約2mの生地になることから細やかな神経と厚みを瞬時に判断出来る手の感覚が要求されます。
(1)丸出し
円錐になった玉を手でつぶし、丸い形を作っていきます。この時全体がなるべくおなじ厚さで滑らかな表面をつくらなくてはいけません。
(2)丸のし
のし棒を使い丸くなった蕎麦の玉をさらに大きくそして表面を平らにする作業です。程よい大きさまで丸のしをします。
(3)角だし
大きくなった丸い生地をのし棒に巻き取り圧力をかけながらころがす事によって生地の形状を四角にする作業です。
(4)本のし
四角くなったら今度はのし棒を使いそばの厚みに仕上げていきます。
江戸流は巻き取り様に2本とのし様で1本の計3本を使います。
3.切り
〜最終工程です。のした生地をたたみ蕎麦の太さに切っていきます〜
(1)たたみ
のした生地はのし棒に巻かれています。きじを広げながら一回折り返し二つ折りにします。その後下から上に2回折り返し生地の1/8の大きさにたたみます。
(2)切り
蕎麦包丁とこま板を使って切っていきます。かすりといわれる細い蕎麦を切ってしまうと茹でる時溶けてしまって水切れが悪い蕎麦になってしまいます。また究極的にはそろって角の立った足のある蕎麦を切りたいものですがそれは技術のいる話です。
