これは危険な思い出だろう。
去年の秋のことだ。会社でM田さん(44歳)に侮辱されて悔しかった私はなんと彼を不安に陥れようと思った。
「M田さんちのコンバイン壊れるように呪ってやる〜〜」
M田さんの家は兼業農家だ。それにしてもバカな発言をしてしまった。
何でコンバインなのか?何で呪いなのか?呪いなんて、いい大人が口にすることか。バカだ。ほんとにバカだ。そんなだからだめなんだよ。そんなんで脅しになってんのか。考えてから言えよ。ば〜〜か。
数日後のことだ。M田さんが私によそよそしい。顔色も冴えない。話し掛けても目をそらすのだ。
M田さんと目をあわさなかろうが一向に業務に関係の無い私は別に気にせずに仕事を続けた。
お昼休みにM田さんが「俺、400万の車買ったよ。予定外に。」と告白。貧乏人ばっかりのうちの社員は一同にどよめいた。
400万の車。もちろんセダンだろう。
クラウンか?セドリックか。もしやセルシオか?
なんにせよ凄い。その割に顔色が悪い。
「なんの車買ったんですか?教えてくださいよ〜〜」
「・・・・コンバイン」
!!!!
「呪われたよ。完璧に。怖えぇよ。」
それからというもの。私の呪いはM田さんに限りたまに通用する。「呪うよ」と言う脅し文句は現在もかなり有効だ。
気になることがひとつある。
呪いはかけた本人に帰ってくるという。
400万の呪いがいつ帰ってくるのか。ちょっと怯える日々。