第ニ餅 サクリファイス


紅炎 > スパイダーマンだった。
        そして五時のチャィムが鳴ったので帰っていった。 
        それと同時に、竜宮城の扉も閉まろうとしている。 
         二人はあわてて中に入った。
         ご馳走をみつけるために。いやなによりも… 
         スパイダーマンのサイン入り色紙をもらうため−−−

ナオ > 彼らの背後で扉はゆっくりしまっていった 
        安堵の息がもれる 
        その時だった。 
        上からスパイダーマンの色紙がふってきたのは! 
        驚いて上をむく二人。そこには...!!!

紅炎 > ついさっきまでニュースを読んでいた間宮きり男さん(38)の姿が。 
        彼は天井に独自で穴をあけ、そこを心の拠り所としていたのだった。 
        そのスパイダーマンの色紙は、彼が若い頃、ビザの斜塔でかいてもらったものだという。 
         二人は、彼に聞こえないような小声でお礼を言い、色紙をショーケースの中にしまった。 
        竜宮城の内部は、こげ臭く、そして壁がレインボーカラーに塗りたくられている。 
        二人はその匂いの正体を知った。 
        それは

ナオ > 匂いの正体は、びんちょうたんであった
        壁のいたるところに、それはかけてあった。 
        その匂いは二人に、昔、一緒に山形新幹線にのった事を思いださせたのであった。
        うっとりする二人。 
        不意に後ろから呼ばれた。 
        はっとして振り向くとそこには...!!

紅炎 > マリエーヌ石田の母・石田たけの姿が!
        その姿を確かめ、二人は緊張した面持ちで距離をとった。 
        石田たけ・・・ 
       彼女はいそべ餅派の団体「アッサム」をおこした張本人だ。 
       ただ男さんとよし男さんは、そんな大物を前に半分、死を覚悟した。 
       二人ともそれぞれ、最寄の駄菓子屋で買った、「すだこさ○」をそれぞれ二枚ずつ構える。 
       しかし、その必要はなかった。 
       両者の間に突然、死の影が濃くなったマリエーヌ石田が現れたのだ。

ナオ > マリエーヌ石田はにこりと微笑み、そしていった。 
       「フフ...今日は慰安旅行の日なのよ...」 
        二人はあわてて周りを見た。 
        しかし時すでに遅し。 
        彼らの周りをいそべ餅派団体「アッサム」の人々が包囲していた。

紅炎 > もはやこれまでか・・・
        というような顔をし、ただ男さんがすだこさんの袋をやぶった。 
        冷静に自分達を囲む「アッサム」の人々のファッションセンスをチェックしている
        チェック後、わかったことが一つあった。 
        ヤツらは影で、平塚雷鳥をあやつっていた者達だ、と。 
        そんなことをしているうちに、マリエーヌ石田が不敵に微笑み、そしてふところから何かをとりだした! 
        それは角餅だった。 
        彼女はそれを隣に控える団員その一に食べさせた。 
        すると

ナオ > みるみるうちに団員がおおきくふくらんでいった。
        二人は恐怖で足がすくんだ。 
        ただ男さんはおもわずすだこさんを下に落としてしまった
        しかし次の瞬間、目の前には驚くべき光景が広がったのである...!!! 
        団員が全員ですだこさんの取り合いをはじめたのだ!! 
        あせるマリエール石田...争う団員... 
        死闘だった 
        そんな彼らを尻目によし男さんはただ男さんにささやく..

紅炎 >「ボーイズ・ビー・アンビシャス」 
        一見理由が通ってそうで通っていないその一言に、その場にいた全員がたじろく。 
        今だ。ただ男さんはその瞬間、地に落ちたすだこさんを回収した。 
        その外見からはとても想像ではない、タコのような動き。
        そしてただ男さんは、走りながらよし男さんに言った。
        自分が団員たちをひきつける。だから君は石田親子を・・・ 
        分かった。よし男さんは、力強くうなづく。 
        ふっ・・・。笑みを浮かべ、ただ男さんは走った。
        相棒のため、世界のため、きな粉餅派のため、 
        そして何よりも、自分のおやつのため。 
        ・・・だかしかし、そんなただ男さんの作戦にのるものは、誰もいなかった。 

ナオ > ひややかな視線が、ただ男さんにむけられた。 
        ただ男さんはあまりにも恥ずかしくてその場にたおれこんだ。 
        いい年にもなって一体、自分は何をやってるんだろう!! 
        すだこさんをふりかざして走るなんて... 
        オレはサO゛エさん並のまぬけさあぁ!!! 
        涙ながらのただ男さんの演説に、皆、言葉がなかった。
        それを見ていたよし男さんがそっと近づく  
        ほら、これ、やるよ... 
        よし男さんが渡したのは、「ボーイズ・ビー・アンビシャス」と彫られたクラーク博士の像だった。 
        それを見ていた団員達の頬に、一筋の涙が流れていくのだった。

紅炎 > なんていい物なんだ・・・!! 
        ただ男さんは涙をぼろぼろと枯れるまで泣きそうな勢いで、クラーク博士の像を調べた。 
        そして裏がえした時、なんとクラーク博士の頭の後ろに穴があいているのをみつけた。 
        長方形の大きさの、ちょうどコインが入りそうな穴。 
        そう、まぎれもなくそれはただの像ではなく、「クラーク博士の像・なんちゃって貯金箱」だったのだ。
         あまりのプレゼントに、驚愕を隠しきれない。 
        ふと横を見ると、なんとあの自称・鉄面皮の女のマリエーヌ石田の頬にも、光るものが! 
        その場にいた全員が思った。「あれはNAMIDA!」
        それは太古の昔、選ばれし勇者とその他三人戦士たちだけが持っている、 
         伝説の秘法である。 
        その秘宝をもっている彼女はもしや・・・!!
                              <続く>