結論から先に言うならば、これは、あなた自身の問題というよりは、おそらく、文化の違いから生じるコミュニケーションの問題だと思います。
つまり、日米では、他人とのかかわり方・コミュニケーションの仕方が文化的に異なっているため、日本人とつきあうのと同じ感覚で、アメリカ人とデートしていると、上手くいかないことが多いのです。
(もちろん、アメリカ人といっても、各人違った文化的背景をもっていて一般化はできませんが、以下では、話をわかりやすくするために、中・上流階級で生まれ、メイン・ストリームで育った典型的なホワイトの男性を「アメリカ人」と言うことにします。)
アメリカ人とつき合うためには、アメリカ人のデート文化に精通している必要があります。
今回は、二点(white lie と boundary)に限ってお話しします。
1) white lie:人を傷つけないためにつく嘘。ついてもいい嘘。
日本人は「ノー」と言えないのに対し、アメリカ人は「イエス」「ノー」とはっきり言うことができるとよく言われます。でも、実はこれ、正確じゃないんですよね。確かに「納豆が好きか」というような質問には、アメリカ人は、はっきりと「イエス」「ノー」と答えます。
この辺は、日本人が「まあまあ」とか「時々」と答えるのとは違っています。ところが、デートとなると、アメリカ人はっきりと「ノー」と言うのを極端に嫌うんですね。
でも、「まあまあ」というように曖昧に答えることができないので、いきおい、答えは「イエス」になってしまう。
これは、相手を傷つけるのを避けるためについた嘘なので、white lie と呼ばれ、美徳とされます。
私も何度か「そんな嘘なんかつかないで、よくわからないなら、わからないってはっきり言ってよ!」と言ったことがありますが、彼らには、私が何を言っているのかよく理解できないようです。
【教訓1】デートの際に、アメリカ人からポジティブなことを言われても鵜呑みにするな!
2) boundary:自己の空間的・時間的・心理的・情緒的・精神的な領域と、他人のそれとの間の境界線。
アメリカ人は、人間は一人で生きていかなければならない(independence)と信じています。自分の家と隣の家とに境界があるように、人間同士にも境界があって、自分の領域は自分で守らなくてはいけないと考えます。
他人が自分の土地に勝手に入ってくるのを嫌がるように、他人が自分の個人的領域に入ってくることを良しとはしません。
これに対し、日本人は、人間はお互いに頼り合い、いたわり合いながら生きていく(interdependence)と考えます。確かに、他人のことばかりを気にしている、他人がないと自分が存立しないという相互依存症(codependence) の日本人はたくさんいます。
でも、本質的には、日本人は、codependence ではなく、interdependence を目指しています。
interdependence は、うまく機能した場合、independence よりもずっとすばらしいことだと私は思っているのですが、アメリカ人の多くは、codependence と interdependence の違いが理解できないようです。
Interdependent な社会で生きてきた日本人は、他人の領域を侵すのも、侵されるのにも慣れきっています。(だいたい、そんな境界線があること、普段は意識していないんですから。)
でも、この調子で、恋人候補のアメリカ人にいたわりの気持ちを示したり、世話をやこうとすると、相手は、あなたがあまりにも needy で、codependent だと感じるのだと思います。
「あなたのこと愛しているから、心配しているんじゃないの。」って、日本でよく聞かれるセリフですが、独立心の強いアメリカ人が聞いたら、「本当に愛しているのなら、俺のことを信頼して、一人にしておいてくれ。心配になるのはあなた自身の問題であって俺とは関
係ない。自己満足のために俺に世話を焼くのは止めてくれ。」なんて言うかもしれませんね。
おそらく、「気に入らない男性達からは連絡が入って、気に入った男性達からは、連絡が途絶える」というのも、このことと関係があるのだと思います。
つまり、興味のない男とは、あなたがある程度距離を置いて接することができる(だから、相手はあなたといて心地よい)のに対し、興味のある男には、あなたが、ついつい親身になったり、いたわったりする気持ちを日本風に表現してしまう。
そうすると、相手は、「自分の領域が侵害された」あるいは、あなたが「自分に頼りきっている」と窮屈に感じ、結果的にあなたを敬遠することになるのではないでしょうか。
【教訓2】相手への興味を日本風に表現すると、誤解されたり、疎んじられる可能性がある。
それでは、どうしたらよいでしょうか?おそらく次の2つのうちのどちらかを選ぶしかないでしょう。
1)ローマに入らばローマに従え---アメリカでアメリカ人とつき合おうとしているのだから、アメリカ人のデートの仕方、コミュニケーション、感情表現を学び、あなた自身が「アメリカ人」となって恋人を探す。
2)カエルの子はカエル---アメリカにいようと、あなたが日本人であり、日本文化を背負っている事実を否定するこはできない。
そうだとしたら、なかなか理解されなくても、理解するアメリカ人が現れるまで、あなたのありのままで当たり続ける。
最後に、インターネット・デーティングについて一言。
実は、私もこれまでに7〜8回自分のアドを出しました。
面白いのは、私がどういうアドを出すかによって、返事をする人のタイプが劇的に変わることです。
私がお勧めするのは、まず、どういう相手と巡り会いたいのかしっかり念頭に置いて、そういう人がレスポンドしたくなるようなアドを書く。
あるいは、(こっちの方がもっとお勧めなのですが)できるだけ素直に自分のことを書く。というのは、あなたの本音にレスポンドする人は、あなたをありのままに受け入れる用意のある人です。
そういう人とは、デートの際でも、文化の違いを気にする必要はあまりないと思います。
とにかく、何度もあきらめずにトライしてください。うまく行った時は、ちゃんと知らせてくださいね。私自身の参考にしたいと思います。
P.S. ここでは、便宜上、「アメリカ人」を一般化しましたが、実際には、人それぞれで、私が書いたことが必ずしもあてはまらないかもしれません。
うまくコミュニケーションができていないと思ったら、とにかく口に出して説明、質問してみてください。
いくつもの文化が交わるところで生き残っていくためには、これをする以外に方法はないと思います。 |