かしわの水炊き和紙の鍋で、丸い金網の上に特製の和紙を敷いて下から加熱する。不思議と焦げずに余分な油やアクを吸い取ってくれるので、最後まであっさりした鍋が楽しめる。水炊きのダシは地鶏のガラを2日ほど煮込んだ白いスープ。地鶏のかしわをさっと煮て、やわらかいうちにポン酢で食べる。京野菜や湯葉などが入る。
スッポン鍋鍋に入れるのは浜名湖でとれるスッポンだけ。タレは自家製の醤油と酒、水だけでつくる。スッポン鍋は土鍋で煮込むことによって味が出る。
湯豆腐精進料理の1つとして発達したもの。
うどんすきダシは笹目近カツオ節でとり、利尻昆布をサッとくぐらせて薄口醤油とみりんで仕上げる。焼きアナゴ、車エビ、湯葉、がんもどきなどの具が入るが、大半が下味が付いているので、それほど煮込まなくても食べられる。
スッポン鍋スッポンは鍋が大切。この赤楽鍋は沸騰するまで時間がかかるが、熱が逃げにくくて味がまろやかになる。スッポンは春から秋にかけて栄養をつけ、晩秋から冬に脂がのってうまい。
てっちり”てっちり”とはフグのちり鍋。煮えにくい野菜を最初に入れ、フグの白身はサッと湯通しする感じで煮て、ポン酢で食べる。ダシは昆布とフグのアラでとってある。鍋が終わったら雑炊がお勧め。具をさらった汁にご飯と溶き卵を入れると、フグのうま味が溶け込んで、一層うまい。
ハリハリ鍋クジラの赤身の薄切りと水菜を一緒に煮る大阪の冬の味覚。
ボタン鍋丹波篠山のボタン鍋は全国的にも有名。この鍋の名前の由来は、皿に盛った猪の肉の色合いが牡丹の花のようだからという説が有力である。猪の肉は、秋に捕獲した3歳の雌が一番おいしいという。この鍋は、猪のあばらからとったスープと自家製の合わせ味噌を煮立て、肉と山椒の粉を入れてから野菜と煮込む。
すき焼き・しゃぶしゃぶ海外にもその名を知られる神戸牛の産地だけに肉の鍋料理は有名。
かも鍋琵琶湖の冬の味覚。鴨すきが代表的。
若草鍋鍋には、若鶏、伊勢エビ、ハマチ、鯛、ハモ、湯葉、銀杏など10種類以上の素材が入る。カツオ節と昆布でダシをとり、醤油で味付けて、炭火でことことと炊きあげる。鍋に盛られた材料の雰囲気が若草山のように見えるところからこの名が付いた。
飛鳥鍋飛鳥時代に、妙薬寺の僧侶達が禁を薮って密かに食べたと伝えられるのがこの鍋。鍋に使う汁は昔はヤギの乳を使ったと言われるが、今はショウガ汁を混ぜた牛乳7に、大和肉鶏のガラでとったスープ3の割合でつくったものを使っている。ブランデーとサラダオイルに一晩漬けた地鶏と地元でとれる季節の野菜が入り、煮込むと牛乳特有のアクや臭いがなくなる。味はあっさりしたクリームスープのようである。鍋が煮えたら溶き卵につけて食べる。
ボタン鍋白味噌と赤味噌の合わせ味噌にニンニク、牛乳、七味で味を調え、猪の肉とこの地でとれる季節の野菜が入る。温泉の湯は猪の味をまろやかにし、胃にもやさしい。
クエ鍋白身魚のクエと野菜類を入れるちり鍋。
どぜう鍋ドジョウは、最初に酒の中に入れて酔わせてから海女味噌仕立てで煮る。こうすると臭みもとれてやわらかくなる。平たい鉄鍋で自家製のタレをかけて炭火で煮る。上に刻みネギをたっぷりのせ、山椒をかけて食べる。コリコリした歯ごたえでうまい。
桜鍋馬肉を桜肉というのは、肉が桜色であり、また桜の季節が一番おいしいからでる。タレは江戸甘味噌をベースにみりん、砂糖、日本酒を湯に入れて味噌おでん風の濃い風味をつくる。この上に肉をのせ醤油でつくった割下で味を調えて煮込む。
ず鍋ナマズは昔から板前の間では”ず”略して呼ばれていた。ず鍋は、ソバ味噌の合わせ味噌で煮込む。味は淡泊で身は鶏のささみのような歯ごたえがある。鍋の中にはシイタケ、白菜、春菊、大根、豆腐などが入る。
豆乳鍋豆乳は北海道産の大豆を水に漬けて一晩寝かし、一粒一粒丹念に皮を剥いてジューサーにかけてつくる。ダシは削り節と昆布でとり、白味噌と合わせてダシ汁にする。ダシ汁が煮立ってから豆乳をたっぷり注ぎ、そこへ鮭、地鶏、カキ、ズワイガニ、エビなどを入れる。
マグロの目玉鍋本マグロの目玉の鍋で味噌味である。目玉の周囲は肉質がよく、トロに似たような口当たり。目玉そのものはゼラチン質で珍味である。
モツ鍋牛の内臓を直前にタレに漬けて鍋に入れ、その上にキャベツ、ニンニク、タマネギ、ニラ、トウガラシなどを盛り、煮立ってきたところで卵につけてすき焼き風にして食べる。
すき焼き文明開化の時代に生まれ、今や日本を代表する料理となった鍋料理。当初、関東では「牛鍋」と呼ばれていた。
蛤鍋(はまなべ)ハマグリのむき身をすき焼き風に味噌だけで煮ながら食べる鍋料理。
牛鍋牛鍋は、鉄鍋で牛肉と野菜を一緒に煮て卵をつけて味わう。食べ方としてはすき焼きに似ているが、牛鍋はタレで煮、すき焼きは醤油と砂糖で煮て、入る野菜も多い。
ブイヤベース銚子港この鍋は、キンメ、ヒラメをはじめ季節の魚とカニ、ハマグリなどを煮込んだもの。
ほうとう”ほうとう”は山に囲まれ米の収穫が少ない山梨では昔から米に代わる主食でもあった。肉を使わずに、カボチャ、大根、サトイモ、長ネギなど、野菜だけを甲州味噌で煮込み、最後に湯通ししない平らなうどんを入れてできあがり。
猪豚鍋猪豚とは猪と豚とを交配したもの。肉は猪のように臭みがなく、豚よりも脂身があってうまい。
なまず鍋なまずの旬は冬。皮をむいて切ったなまずを割り下で煮ながら食べる鍋料理。
猪のしゃぶしゃぶと鹿の紅葉鍋更に日本雉の刺身を追加したセット料理を「イノシカチョウ」という。特に鹿の紅葉鍋は肉質がやわらかく美味。
アンコウ鍋アンコウ鍋は、地元では”どぶ汁”といって、アンコウをぶつ切りにして、味噌で煮込んだもの。アンコウはその白身の肉は淡白で、もっともうまい部分は肝とされる。俗にアンコウの七つ道具とは、皮、とも(肝)、ぬの(卵巣)、ひれ、えら、水袋(胃)、柳肉(ほほ)で珍味が多い。
奥美濃古地鶏のとり鍋奥美濃古地鶏は天然記念物指定受けている日本在来種「岐阜地鶏」の血が50%以上混ざり、80日以上飼育された地鶏。弾力のある肉質をもち心地よい歯ごたえがあり噛めば噛むほど味わいが深くなる。これを使ったにんにくとショウガをきかせた濃厚な味噌仕立てのとり鍋。
飛騨牛のすき焼き飛騨牛は岐阜県で飼育される上質の牛肉。鮮やかな肉色ととろりとしながらもしつこすぎない味が特徴。これを使ったすき焼き。
美濃ヘルシーポークのしゃぶしゃぶ美濃ヘルシーポークは、飼養管理によって健康的に育てられた豚肉。脂肪はさっぱりとして食べやすく、爽やかな口当たり。専用飼料に大麦を添加しているためコクとうま味がある。これを使ったしゃぶしゃぶ。
いけんだ煮いけんだ煮は、漁から帰ってきた漁師達が須崎のいけんだ浜で、鍋に魚介類をたっぷりと放り込み、野菜も入れて味噌仕立てで煮込んだ豪快な鍋。
弁天鍋弁天島から名をとった味噌風味の鍋。伊勢エビやサザエ、ワタリガニ、トコブシなど近海の幸を盛り込んだ鍋である。
猪鍋天城山は、丹波篠山、岐阜の郡上と並ぶ猪の産地。とくに秋に捕獲した猪の肉は木の実の香りがして格別である。自家製の味噌にみりん、酒でとったダシが猪特有の臭みを消し、ぐつぐつと煮えるほどうまい。
アワビのしゃぶしゃぶ昆布でとったダシが鍋で沸騰したら牛しゃぶのように切り身のアワビを漂わせる。アワビはアクを嫌い、野菜との相性もよくないので、アワビを最初に食べるとおいしい。サッと鍋に通してポン酢で食べると美味である。
越の錦鍋鮭と野菜が入った寄せ鍋風の鍋だが、鮭が川に戻るので「故郷に錦を飾る」の言葉から命名された。鮭の切り身は醤油に10分ほど浸して下味を付け、味は酒粕と醤油、みりんでつくる。白菜は巻きすで絞って水分を出してあるので、鍋で煮ると汁を吸ってうまくなる。器に盛ってから振りかけるのは茹でたイクラ。地元では”ととまめ”と呼ばれる絶品の味である。
わっぱ煮魚、岩のり、ネギと汁が入った木製の器に玄武岩の石を焼いて入れる。石を入れると驚くほどの蒸気が上がる。不思議なほどまろやかな味で、焼き石が独自の風味を作り上げる。材料は、春にはクロイソやアカハチメなど、秋からは石鯛やアブラコ、タコなどが入る。
番屋汁番屋とは漁師小屋のことで、漁から帰った漁師が近海でとれた2〜3種類の魚を鍋にぶち込んで味噌仕立てで煮込み、番屋で食べたのが始まり。鍋の中には鮭、紅ズワイガニ、ホタテなどが入る。
桜鍋桜肉ともいわれる馬肉をすき焼き風にした鍋料理。
カキの土手鍋広島はカキの養殖が盛んな地で、広島産のものが全国の7割を占める。養殖の歴史も古く室町時代に始まる。鍋の周囲に味噌を土手のように塗るのでこの名が付いた。ダシはとらずに合わせ味噌だけで煮るが、味噌と野菜から出る水分で濃厚なうま味がある。
ふくちりここでは、フグのことを「フク」と濁らず、福を招いてくれる魚と縁起つけて呼ぶ。ここの鍋は天然物の中型のトラフグを使い、捌いてから一昼夜おいたものを料理する。ポン酢は地元の醤油と萩のダイダイを使って2週間かけて仕込む。
かにちり鳥取の冬の特産品、松葉ガニ(ズワイガニ)と豆腐やシュンギク、キノコ類などを入れる鍋料理。
打ち込みうどん讃岐うどんの名産地の鍋。打ちたてのうどんとさまざまな具材を鉄鍋に入れ味噌で煮込む。
モツ鍋牛の内臓を直前にタレに漬けて鍋に入れ、その上にキャベツ、ニンニク、タマネギ、ニラ、トウガラシなどを盛り、煮立ってきたところで食べる。
博多水炊き鶏ガラを長時間煮込んで白く濁ったスープが特徴。鶏肉のうま味を引き出す鍋である。鍋はぶつ切りにした鶏肉と野菜、丸餅を煮込み、薬味を入れたポン酢につけて食べる。鶏は鹿児島の地鶏、さつま若しゃもを使っているが、それも雌は脂肪が多すぎるので、雄だけを用いる。肉は固くなく食べやすい。
ふぐちり美味で有名な玄界灘のとらふぐを使ったちり鍋。
具雑煮土鍋仕立ての雑煮。餅の他に、野菜、練り物、厚焼き卵、鶏肉などを入れ、具沢山なことが特徴。
炒り焼き鍋イワシなどを炒ったあと、野菜と一緒に鉄鍋で煮込む鍋料理。対馬の名物。
あざら鍋古くなった白菜漬けの水を捨てて酒粕で白菜と魚を煮込む鍋。鍋には、キンキやカキ、白子などが入る。
地鶏鍋遠野では、地鶏の交配種”南部かしわ”が飼育されている。この鶏は無駄な脂肪がなく、食べると弾力のある歯ごたえで食欲をそそる。辛味のあるタレを使うのが特徴で、地元の味噌を使って煮込む。鍋の中にはマイタケやシメジ、タケノコなどが入る。
ホタテ鍋鍋はハタハタを発酵させてつくった魚醤のしょっつるに白味噌を加え、ホタテのダシで煮込む。普通、ホタテを煮ると甘味が出るが、しょっつるの辛さが甘味を抑え、おいしく食べられる。中に入るのはネギ、白菜、セリ、焼き豆腐、糸こんにゃくなど。
キンキン鍋キンキンの正式名称はカジカの仲間のキチジのこと。ダシは昆布と津軽味噌でつくり、キンキンが煮えると汁に脂がのって濃厚な味になる。ほかに白菜、豆腐、キノコなどが入っている。
じゃっぱ汁”じゃっぱ”とは津軽地方の方言で意味は「捨てるもの」のこと。じゃっぱ汁は一般にタラを用い内臓やアラなど、”じゃっぱ”の部分を使った郷土料理。タラのほか、白子、大根、ネギ、ニンジン、高野豆腐などを味噌で煮込んだものだが、タラのアラからにじみ出すうま味が味の主役。野菜は崩れるほど煮込んだものがうまいと言われている。
魚の貝焼き味噌ホタテ貝の大きな殻を鍋の代わりにして、炭火の上で味噌が煮立ったところで魚介や野菜を入れ、最後に卵を落として半熟にして食べる。栄養価も高く、昔は風邪をひいたときや産後によく食べたと言う。貝類の鍋にはカトウ鮫、ヤリイカ、ホタテ、白子、真ガレイなどに季節の山菜が入る。
飛島鍋飛島は酒田港の北西39キロの海上に浮かぶ小さな島。この島に、昔からイカのはらわたと塩を使い発酵させてつくる魚醤がある。この魚醤を使って数種類の魚を煮る、寄せ鍋風の鍋である。鍋には、タラ、マス、ハタハタ、カジカの仲間のカナガシラ、シラガニ、ハマグリなどが入る。
どんがら汁”どんがら汁”はタラぶつ切りにして、昆布ダシの味噌汁に入れたもの。最初にタラの頭、内臓を入れて、煮立ったところでタラの切り身や豆腐、ネギなどを加える。
山菜鍋わらびや根曲竹(ねまがりだけ)、キノコ類など、山の幸をふんだんに用いた鍋料理。山菜が種類豊富に揃う地方ならではの一品。
芋煮山形県の秋の風物詩といえば「芋煮会」。河原で石を集めてかまどをつくり大鍋で芋煮を作って大勢で食べ合う伝統行事。鍋の中身は、サトイモに牛肉、こんにゃく、ねぎなど。味付けは、しょうゆ、酒、砂糖などで、みんなで味見しながら味を調えていく。山形県の各地で行われているが、最も有名なのは山形市馬見ヶ崎川の河原で毎年行われる「日本一の芋煮会フェスティバル」。直径5.6mの巨大鍋に3トンのサトイモを投じてダイナミックに作られる。
きりたんぽ鍋きりたんぽは、その昔、炭焼きや伐採のために山籠もりした人達が山小屋で残りご飯を練り、味噌を塗って炉端で焼いたり、鶏鍋に入れて食べたのが始まりとされている。鍋には大館地方にしかいない地鶏で山鳥に類した風味ある比内鶏の鶏鍋にきりたんぽを入れる。比内鶏のガラでとったスープに醤油と酒で味を調え、ゴボウ、ネギ、セリ、マイタケなどに野菜が入る。
タラのだだみ鍋秋田ではタラの白子を”だだみ”といい、だだみ鍋はふんだんに白子が入った豪華な鍋のことである。ダシは秋田味噌と仙北味噌の合わせとカツオ節。鍋にはだだみのほかに、マダラの切り身や長ネギ、セリ、白菜、シイタケ、シメジなどが入る。
しょっつる鍋”しょっつる”は、ハタハタと昆布を麹と塩漬けにして2〜3年経った上澄み液の魚醤で、「塩魚汁」が訛った言葉である。鍋はホタテの殻を鍋代わりにして食べる。盛り皿からは自分の食べる量だけとって各自の殻で食べる。
だまっこ鍋”だまっこ”とはきりたんぽの兄弟分で、新米を押し固めた丸い餅。エビやイカのすり身が入り、味付けしてあるのが特徴で、汁は比内鶏1日煮込んだもので、そこにキノコ類や三つ葉などが入る。
ヤツメウナギ鍋角館の檜木内川でとれたヤツメウナギの鍋。味はコリコリした噛みごたえで少し泥臭い気もするが濃厚な味。
かまくら鍋鯉を使った鍋。鍋の味付けは地元の味噌と酒粕。ゴボウを入れると鯉の泥臭さが消え、うま味を出す。鯉のほかにシメジ、マイタケ、シイタケなどのキノコや白菜、タケノコなどが入る。
石焼き鍋木桶の中に鯛や海老、タケノコ、豆腐などの具材と水を入れ、真っ赤に焼いた石を投入して沸騰させる男鹿半島の名物。
石狩鍋白味噌と酒粕で汁をつくり、白菜でなくキャベツを使う。野菜はタマネギがベースで、他に長ネギ、豆腐、こんにゃくなどが入る。鍋は汁が煮立ってから鮭のぶつ切りを入れて煮込み、薬味に香ばし山椒の粉をまぶしてできあがり。
三平鍋塩をふったタラの白身を5時間ほど寝かせて塩味を染み込ませる。昆布でとっただし汁が煮立ったらタラを入れ、半分煮立ったところで大根、長ネギ、白菜などの野菜を入れて煮込む。最後に白子と酒粕を入れてできあがり。
イカの団子入り磯鍋イカ団子は採りたてのイカの皮を除いてミンチにし、卵の白身などと混ぜてすり身にしたもの。脂がのったキンキンのアラを煮詰めてダシをとり、そこにアサリやワカメ、ナメコ、白菜、ワラビなどを入れて煮る。
ジンギスカン鍋かぶと型をした鉄鍋の上で羊肉を焼いて食べる。鍋と名はつくものの焼く料理である。