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成長が早く、今日摘んでも翌日にはまた新しい芽が出てくるところから「明日葉」の名がついたという。伊豆七島の八丈島に多いのでハチジョウソウ、ハチジョウナともいう。自生のほか栽培もされていて、やわらかい若葉を食用にする。独特の香りとほろ苦味がある。ゆでてアクを除いてから、おひたし、和え物、汁の実、油炒めなどに。緑黄色野菜の一つで、ビタミンAのもとになるカロチンのほか、ビタミンC、鉄、カリウムが多い。
深い切れ込みの入った縮れ葉が、サラダ菜のように根元から多数出た西洋野菜。葉はそのまま育てると苦味が強すぎるため、適当に成長したころ葉をまとめて束ね、内部の葉を軟白して苦味をやわらげてある。そのため、外側の葉は濃い緑色だが、内部の芯に近づくにつれて黄緑色をしている。選ぶときは、葉が細かく縮れてよく軟白されているものがよい。特有の苦味と風味があり、歯触りもよい。やわらかい葉は手でちぎってサラダに。かたい部分は、スープの実やクリーム煮などに。ゆでておひたしにしてもよい。
茎から多数の枝が分かれ、細かい円柱形の肉質の葉がついている。葉の長さは3cm前後。草の姿がちょうど海草のヒジキに似ているので陸ヒジキの名がある。若い葉や茎はやわらかく、これを食用とする。海岸の砂地に自生するが、山形県では古くから栽培され、県内で自給してきた。最近は県外へも出荷されている。カロチン、鉄、カルシウム、カリウムが多い。ゆでてから用いるが、シャキシャキした独特の軽い歯触りと、鮮やかな緑色が身上なので、ゆですぎないことが大切である。からしじょうゆ和え、酢の物、汁の実、サラダ、さしみのつまなどに。
若葉の出始めに、おおいをして日光をさえぎり、軟化栽培したもの。葉は美しい黄色で、別名コガネニラという。モヤシ状なので、ニラモヤシともいう。ニラには特有の臭いがあるが、それよりおだやかである。また、やわらかく、甘味がある。調理法はニラと同じで、豚肉と炒めたり、ギョウザやワンタンの具、スープの実などに用いる。
葉が緑色のものが一般的であるが、紫キャベツのように濃紫色のものもある。各地で時期に応じて生産されるので、四季を通じてある。キャベツ特有のビタミンUには、潰瘍をおさえる効果がある。サラダ、ロールキャベツ、煮込み物、煮物、汁物、漬け物などに。グリンボールは生食用につくられた、緑色の濃い小型のキャベツ。紫キャベツは、葉の質がふつうのキャベツよりかたい。赤紫の色を利用してサラダの彩りに。ピクルスにもよい。キャベツをゆでたりジュースにしたときの特有の青臭いにおいは、酢を少量落とすと消える。巻きがかたく、大きさのわりに重いもの、外葉が緑色で新鮮なものがよい。外葉が白いのは、いたんだ外葉を何枚かむいたもので歯切れが悪い。半分に切って売っているものでは、葉にすき間のないものを選ぶとよい。
サンショウの若芽。天然のものとハウス栽培のものがあり、一年中手に入るが、4〜5月ごろのものが香りがよく、季節感も味わえる。吸い物の吸い口にしたり、ちらし寿司、野菜や魚の煮物、田楽などに添えるほか、木の芽和え、木の芽焼きなどに。木の芽和えは、木の芽をすり鉢ですり、みそを加え、ダシ、みりん、砂糖などで調味した木の芽みそで、下味をつけたタケノコ、イカ、ウドなどを和えたもの。木の芽焼きは、細かくたたいた木の芽を加えたみりんじょうゆを魚にかけながら焼いたもの。木の芽はとくにタケノコと相性がよい。木の芽の香り成分は細胞の中にあるので、使う前に、てのひらでポンとたたくと、一部の細胞膜が破れて香りが高まる。
京都付近が原産。関西では水菜という。一株から葉が多く出るので千筋菜、千本菜ともいう。葉柄は青白くてすらりと長く、葉には深いギザギザの切れ込みがある。晩秋から早春にかけて出回る冬の野菜。関西とくに京都、大阪で有名なはりはり鍋は、薄切りのクジラ肉とともに、うすいしょうゆ味のだし汁で煮ながら食べる料理。もっとも、クジラは捕鯨禁止になったので、牛肉や豚肉で代用されていることが多い。さっとゆで、からし和えにしても、ピリッとした辛味と歯触りの調和がよい。塩漬け、ぬか漬けにもよい。シャキシャキしたところが生命なので、煮すぎたり漬けすぎたりしないことが大切。株が大きく、株の切り口の小さいものがよい。カロチン、鉄が多い。
ヨーロッパ中部の水辺に生えていた野生のものを、フランスで栽培を始め、広まったものをいう。クレソンはフランス名で、英語ではウオータークレスという。水田やゆるやかな流れで栽培される。また、水を流しながら促成栽培も行われている。ピリッとした辛味と特有の青っぽい香りが油っこい料理とあうため、ビーフステーキ、ローストビーフなどに添えて用いられる。生食が多いが、さっとゆでて、おひたしやゴマ和えにすると香りがよい。葉が大きく、葉と葉のあいだが葉先が紫がかった濃緑色で、茎が太くやわらかいものがよい。途中からヒゲ根の出ているのはよくない。カロチン、ビタミンCが多い。
コマツナの名は、産地の一つである東京都江戸川支流の小松川の地名にちなんだもの。寒さに強い野菜で、古くは冬菜と呼ばれた。春先のウグイスの鳴く頃につまみ菜とするものはウグイス菜という。栽培しやすいため一年中つくられている。浸し物、和え物、煮物、みそ汁の実、炒め物、漬け物などによい。アクが少ないので、ゆでずに煮物や炒め物にできる。東京では正月の雑煮に欠かせないものの一つである。葉の色が濃くみずみずしく、背丈が短いものを選ぶとよい。カロチン、ビタミンCのほか、カルシウム、鉄、カリウムを多く含む。
玉レタスと同種のもの。玉レタスのうち、葉の巻きがゆるく、葉質のやわらかいものを通称サラダ菜と呼んでいる。サラダ菜も収穫しないで長くおくと、最後には軽く結球する。ふつうは、本葉14〜15枚程度で半結球のあいだに収穫する。レタスにくらべカロチン、ビタミンCが多い。葉が濃緑色でツヤがあり、葉肉の厚いものがよい。料理の添え物として用いられることが多いが、緑黄色野菜なのでサラダなどにして食べたい。一枚ずつはがしてきれいに洗い、水気をふいた葉を皿に盛って食卓に出し、焼きめし、焼き肉などに少量ずつ包んで食べると、野菜も同時にとれるので、栄養のバランスがよくなる。
葉が緑色のものを青ジソ、紅紫色のものを赤ジソという。青ジソの葉は大葉ともいう。赤ジソの葉はおもに梅干し用で、一般に利用されているのは、青ジソのほうである。青ジソの葉は、さしみやあらいに添えたり、刻んできゅうりもみに混ぜたり、キャベツやナスなどの一夜漬けの風味づけに混ぜる。てんぷらにしたり、そうめん、冷や奴の薬味にもよい。刻んだ葉をご飯にまぜた紫蘇ごはんも風味がよい。シソの葉は鮮度が生命。香りも新鮮なものほどよい。従って、緑色が濃く、ピンとしたものを選ぶとともに、できるだけ新鮮なうちに使い切ることが大切。カロチンを多く含む。
原産地は地中海沿岸地方だが、欧米ではキクの香りが好まれないようで、食用としているのは日本、中国などのアジア諸国だけである。葉の大きさにより大葉種、中葉種、小葉種がある。このうちもっとも多く栽培されているのは中葉種。冬から春先にかけて多く出回るが、施設栽培などにより年中ある。香りを生かし、さっとゆでて白和え、ゴマ和え、浸し物のほか、鍋物、煮物、すまし汁の青みなどに。線維がやわらかく、ゆですぎると形がくずれるので、加熱はさっと手早く。丈が短く、緑色の鮮やかなものがよい。茎が太くて長いのはかたいことがある。ビタミンA効力のあるカロチンや鉄、カリウムを含む。
春の七草の一つ。清水が湧き出るところに競り合って密生するところから”セリ”の名がついたという。小川やわき水など、水のなかのものは水ゼリ、田の畦などに生える野ゼリは陸ゼリ、水田で栽培されるものを田ゼリと呼ぶ。一般には、流水を利用して水田などで軟白栽培したものが出回っている。野生のものに比べ茎が長く、アクも少なくやわらかい。香りと歯触りを楽しむが、香りは、野生の早春のものがとくにすぐれている。緑黄色野菜の一つで、カロチンが多い。ゆでてゴマ和え、浸し物に。また、汁の実、鍋物にもよい。ゴマ和えはシュンギクよりも風味がよい。野生のものはアクが強いので、ゆでたあと水でさらすことが大切である。ネギと同様カモ肉と相性がよく、鴨鍋や鴨雑炊にも用いられる。油揚げともよくあい、簡単に煮物ができる。
中国から入ってきた野菜。日本へは1934年頃導入され、2月頃に収穫が多いので如月菜と呼ばれていた。冬は葉が放射状に地面をはうように広がって育ち、直径20〜30cmの盆状になる。気温の高い夏は葉が立ち上がり立性となる。寒さに強く、冬に味がよくなる。葉の色は濃緑色で見かけはかたそうだが、やわらかく、歯切れがよい。アクがないので、そのまま炒め物、スープの実、ゆでて和え物などに。火の通りが早いので手早く調理する。カロチン、ビタミンC、鉄が多い。
白菜の芯のような形で、乳白色をした野菜。フランスではアンディーブという。秋に掘り取った株を土に埋め軟白した芽を食べる。緑色の葉には強い苦味があるので、キクニガナとも呼ばれる。特有の香気があり、ほろ苦く、歯触りはサクサクしている。生でサラダにしたり、一枚ずつはがした葉のくぼみに、いろいろなものを詰めてオードブルに。グラタン、バター炒めにもする。いきなり加熱すると黒ずみやすいので、レモン汁を加えて下ゆでして用いるとよい。きれいな乳白色で、傷のないものがよい。
茎や葉に特有の香りと辛味のある香辛野菜。ふつう、タデというと葉がヤナギの葉に似たヤナギタデをさし、古くから若い葉を利用してきた。ヤナギタデは別名マタデ、ホンタデともいう。一般には栽培品で、茎や葉の赤いムラサキタデやホソバタデ、緑色のアオタデやアザブタデなどが用いられている。葉が緑色のタデはタデ酢としてアユの塩焼きに欠かせない。タデ酢は、タデの葉を少量の塩とともにすりつぶして裏ごしにかけ、三杯酢にクズ粉を加えて加熱し、とろりとさせた吉野酢とまぜあわせてつくる。辛くてにおいの強いタデにも虫がつく。そこで、人の好みはさまざまといった意味で「タデ食う虫も好きずき」と使われている。
中国から入ってきた野菜。葉柄は淡緑色で、中国では青梗菜または青菜と呼んでいる。茎の白い物は白梗菜といい、日本では白茎パクチョイ、または、たんにパクチョイと呼んでいる。緑黄色野菜の一つ。葉、茎ともにやわらかく、歯切れがよい。アクがなく、調理しても煮くずれしにくく、かさの減り方も少ない。加熱をするといっそう緑色が鮮やかになる。中国風の炒め物やスープの実、和風おひたし、煮物などに。茎はたてに切ったほうが歯切れがよい。料理により、根元に十文字の切れ目を入れ、二つか四つにさいて用いる。あるいは、茎はたて割り、葉先は適当な長さに切って用いる。茎の切り口がきれいで、茎に張りのあるものがよい。カロチンが多い。
日本ではおもに観賞用植物として栽培されているが、熱帯地方では大切な野菜の一つとして広く食用されている。ツルが紫紅色なのでこの名がついたといい、この種類は葉も花も紫紅色をおびているが、茎、葉が緑色で、白花をつけることもある。カロチン、ビタミンC、鉄などを豊富に含むため、健康野菜として近年注目されるようになった。若い葉と、ツル先から15cmくらいの茎を食べるが、花軸や芽も食用となる。そのまま油炒め、てんぷら、汁の実にしたり、ゆでて浸し物や和え物に。加熱すると、少しぬるっとした粘りが出る。紫黒色に熟した実の果汁は、食品の色づけに使える。
中国から入った野菜で、エンドウの若葉とツルを、ツル先10cmくらいのところでつみ取ったもの。トウミョウ、ワンドウミャオオともいう。中国野菜のなかでも高級なものとされている。サヤエンドウに似た特有の甘い香りがあり、やわらかで、シャキッとした歯ごたえがある。油炒めやスープの実にする。さっとゆでて浸し物、和え物など和風に食べるのもよい。
紫キャベツに似ているが、色がワインレッドの野菜。葉の芯の部分は白色をしている。イタリアが原産地。日本で市販されている結球したもののほか、葉の長いものもある。分類上はキク科で、チコリやレタスと同じ仲間。トレビーツともいう。ほろ苦味のあるのが特徴で、見かけのわりに口当たりはやわらか。美しい色を生かしてサラダや料理の彩りや付け合わせにする。
葉の大きい大葉ニラ、小さくて細葉の子葉ニラがある。大葉は葉の幅が1cmくらいになり、やわらかくて良質。子葉は夏の暑さに強い品種。一年中あるが、とくに早春のものがやわらかい。ビタミンA効力のあるカロチンが多い。みそ汁の実、酢みそ和え、卵とじ、雑炊、麻婆豆腐などにする。にら粥は、昔から体が温まるとして用いられてきた。中国料理では、ギョウザの具、ニラとレバーの炒めものなどに広く用いられる。調理のときは、使う分だけ、その直前に洗う。早くから洗っておくとぬれた部分がいたみやすい。
ネギには白根のみを食用とするものと、葉も白根も食用とする品種がある。前者を根深ネギまたは白ネギといい、根元に土を寄せて軟化栽培する。関東以北での栽培が多く、関東でネギといえば根深ネギをいう。後者は葉ネギまたは青ネギともいい、関西から九州地方での栽培が多い。関西でネギといえばこちらをいう。葉ネギは緑黄色野菜でカロチンが多い。生を細かく刻み、冷や奴、うどんやそば、鍋物などの薬味には不可欠。また、ねぎま鍋やねぎま焼きにもネギは欠かせない。ネギは焼くと特有の香りが出てくるので、根深ネギのぶつきりを網で焼いてしょうゆで食べたり、鶏肉と交互にさして焼き鳥にしたりする。ネギは地方ごとに特徴のある品種が多い。いくつかあげてみると次のようなものがある。白根の直径が4〜5cmと太くて短い下仁田ネギは、群馬県下仁田地方の特産品。やわらかくて甘味があり、鍋物、煮物向き。九条ネギは京都原産で葉ネギの代表的一品種。茨城県水戸市近郊の赤ネギは根深ネギの仲間で、白根を一皮むくと赤紫色、もう一皮むくと白色となる。岩槻ネギは埼玉県原産の葉ネギ、越津ネギは愛知県原産の葉ネギ、また、空輸ネギとして知られる博多万能ネギは、福岡県朝倉町でつくられる九条ネギを若いうちに収穫したあるである。
品種としては結球ハクサイ、半結球ハクサイ、不結球ハクサイがあるが、一般にハクサイといえば結球ハクサイをさす。品種の違いや、栽培地が異なることから一年中出荷されている。しかし本来は冬の野菜で、大量に出回り味がよいのは11月〜翌年2月ころのもの。ハクサイは霜がおりるとおいしいというのは、霜がおりるころのハクサイは繊維もやわらかく味がよいということ。ビタミンCやカリウムを含む。塩漬けなど漬け物のほか、煮物、和え物、クリーム煮、鍋物、八宝菜、スープ、炒め物などに。キムチの材料の一つとしても欠かせない。なかのやわらかい部分は、生のままサラダにしてもよい。丸のまま保存するときは、一日陰干しし、新聞紙に包み、低温のところに立てかけておくと冬なら三週間程度はもつ。形の割りに重く、巻きがしっかりしているものがよい。半きりのものは、ねかせておくと芯が起きあがる。このとき糖分が消費されて甘味が減る。なかがオレンジ色をしたハクサイは、バイオ技術により開発されたもので、カブとハクサイをかけあわせた新品種。使い方はふつうのハクサイと同じだが、甘味があり、歯切れがよい。
ヨーロッパでは紀元前から食べられ、昔ローマ人は、パセリは血液の浄化作用をもつものとして薬用や儀式に用いたという。常時出回っているが、早春のものがやわらかく香りも高い。カロチン、ビタミンCが豊富である。特有の香りには口の中の臭いを消す作用があり、肉料理のあとなどに食べると口の中がサッパリとする。みじん切りにしたあと、水さらしはしないほうが香りが生きる。みじんに刻んで密閉容器に入れ、冷凍しておくと、香りはやや落ちるが、凍ったまますぐ使えるので便利。葉の色が濃緑色で、縮みの多いものがよい。新鮮なものほどやわらかく香りも高い。
ワサビの葉と葉柄の部分を葉ワサビ、花茎のついたものを花ワサビという。根茎のワサビの辛味を逃さないため、花のつぼみがかたいうちに地上部を切り取るが、これが葉ワサビ、花ワサビとして出荷されている。3〜5月ごろ出回る。刻んで軽く塩でもむか、容器に入れて熱湯を注ぎ、ふたをして15秒ほどおくと辛味が強く出る。これを三杯酢やおひたしにして食べる。
東洋種と西洋種の長所を取り入れた交雑種が多い。アクが少なく生食できる品種もある。さっとゆでて、お浸し、和え物、汁の実などに。やわらかい葉や生食用は、生のままサラダに。鍋物にも欠かせない。油を熱したなかに塩をひとつかみ入れ、ざく切りにした生のほうれん草を入れてさっと炒めると緑が美しい。ビタミンA効力があるβカロチン、貧血によい鉄、それにカリウムを多く含む。造血作用がある。結石をつくるといわれるシュウ酸は、ふつうに食用する量では毎日食べても害はない。葉がみずみずしく張りのあるもの、葉柄が短く、葉が下から密生しているものがよい。
小さいスプーンのような形をした緑色の葉の野菜。一株で7〜10枚の葉をつける。フランスでよく食べられている。葉はやわらかく、苦味もアクもない。サラダに混ぜて使うほか、かわいい形を生かして、料理の飾りなどに用いられる。
栽培の歴史は古く、元禄時代ごろにはすでに栽培されていたらしい。栽培法により切り三つ葉、糸三つ葉、根三つ葉などがある。切り三つ葉は軟化栽培したもので、長く白く伸びた葉柄を根元から切り取ったもの。糸三つ葉は、露地栽培では密生してやや軟化させるが、近年は水耕栽培が主力で、一年中出荷されている。根に小さなスポンジのついているのがそれである。根三つ葉は、土をよせて軟化したもので、土で覆われた部分の茎が白い。根もつけて出荷される。いずれも軽くゆでてお浸し、和え物に。また、唐揚げ、鍋物、汁物の青みにもよい。アクが少なく、軟化したものはクセがなくやわらかいので、生のままサラダにも。根三つ葉の根はきんぴらのように煮付けるとよい。緑黄色野菜の一つでカロチンが多い。
原産地は、英名ブリュッセルスプラウトの示すように、ベルギーの首都ブリュッセルの近郊である。葉はキャベツに似ているが葉柄が長く、茎は50cm〜1mくらいにも伸び、葉の付け根に、結球キャベツのミニチュアのような球状の芽を多数つける。この芽を芽キャベツとして食べる。日本では子持甘藍、子持玉菜ともいう。出回りは秋から春にかけて。やや苦味があるので、あらかじめ、ゆでてから用いる。外葉を除き、切り口に十文字に切り込みを入れ、塩を入れた湯でゆでる。バター炒め、グラタン、シチューなどの煮込み用に。またつぶしてスープにも。和風煮物、からしじょうゆ和えにしてもよい。形が丸く、緑色できれいでよくしまったものを選ぶ。黄色みがかっているのは外葉を除いたもので 鮮度が落ちている。ビタミンCがとくに多く、ゆでてもよく残る。
エジプト、アラビア半島など、北アフリカや中東で古くから常食されている野菜。モロヘイヤはアラビア語で、「王様の野菜」の意味をもつ。日本では昭和50年代の終わり頃から知られるようになった。ビタミン、無機質が豊富で、健康野菜として注目されている。味にクセがなく、食べやすい。刻んでゆでたりすると粘りが出てくる。さっとゆでてお浸しにしたり、ゆでたものを細かく刻んで粘りを出し、しょうゆ味でトロロ風に。葉の片面に衣をつけててんぷらにしてもよい。酢の物、ゴマ和えなどにもよい。
レタスの種類は多いが、ふつうレタスというと玉レタスをさしている。玉チシャ、ニューヨークレタスともいう。周年出回っているが、7〜8月に出る高冷地ものが味がよい。葉肉の厚いもの薄いものなどがあるが、これは品種の違いによるもの。葉は淡緑色で茶色い部分のないもの、巻きにある程度の弾力性のあるものを選ぶ。かたく巻きすぎたものはいたみが早い。また、根元の軸の切り口が小さく、変色していないものがよい。生食がふつうだが、スープの実、炒め物にしても甘味が出て味がよい。韓国料理では焼き飯、焼き肉を包んで食べる。カリウムを多く含むがビタミン類は少ない。
ワケギは、種子をつくらず株分けによって繁殖するので、分けるとネギ、分葱からきた名称。ネギに似ているが、ネギよりやわらかく、においもおだやかで、特有の風味がある。緑色が濃く、葉がすらっと伸びたものがよい。さっとゆでて、貝類とともに酢みそ和え、ゴマ和えなどに。みそ汁の実にもよい。薬味にも使える。緑黄色野菜の一つで、ビタミンAのもとになるカロチンが多い。
冬場を除き、葉を掻き取っていつでも食べられるので「不断草」と呼ばれる。春から夏にかけてが一番美味。ふだん草とほうれん草で、どこか風味が似ているのは両者がごく近い種類だから。ほうれん草に押されてふだん草の生産は低迷しているのが現状。鉄分、カルシウム、カリウムなどのミネラルの宝庫で血液の状態を良くしてくれる。さらに抗酸化成分のβカロチンも豊富で血液サラサラ。青くささと土くささがあるので、一度熱湯をくぐらせてから調理する。煮物、おひたし、炒め物、などほうれん草と同様に使う。
ビタミン菜は1954年に島根農試で育成したツケナの一種。ツケナとは、同じ野生アブラナのハクサイとカブを含まない葉と茎を食する種類で雑種を含め約7種類に分けられる。まずはハクサイの血をひく仲間で、広島菜、そしてベカナこと山東菜、大阪シロナこと天満菜。それから中国から来た体菜もしくは杓子菜と呼ばれる種類は、チンゲンサイや広東料理の食材として高級な油菜心が仲間。タアサイも中国の華中から来て如月菜と呼ばれ、ビタミン菜という品種が開発された。これはビタミンA含量が多いという特徴があり、1960年頃までは県内ばかりでなく県外にも広く普及してきた。お浸し、みそ汁に、と何でも使える。その中で意外にうまいのが油で炒めるという簡単な調理法。
からし菜の仲間(高菜やザーサイなど)はみな、シュグリンという辛みの成分を含み、特に辛みの強い「実からし菜」はからし粉用として栽培される。主に葉を食べるのが「葉からし菜」で、葉は鮮やかな緑、縁に大きな切れ込みがあり、ビタミンA・Cやカルシウム、鉄分などの無機質を多く含み、特有の香りとピリッとした辛みがある。漬け物にするのが一般的であるが、漬け物以外のおすすめは、油でさっと炒め醤油、みりんで味付け、さっとゆでてお浸しやごま合え、味噌汁の具や煮物など。火を通しすぎないことが、からし菜に歯ごたえを楽しむポイント。
わさび菜は、アブラナ科のからし菜の仲間で、葉先は大根の葉のように大きな切れ込みのあるちりめん状。柔らかく、からし菜同様ピリッとした辛味があるのが特徴。サラダ、漬物、おひたし、天ぷら(かきあげ)、鍋などにしても美味しく食べられる。ちなみに「葉わさび」と、この「わさび菜」は全くの別物。
あおなの名で「日本書紀」にもみられる古い野菜。春の七草の一つに数えられ、古名はスズナ。大きさから大、中、小の系統があり、品種名には聖護院カブ、金町子カブのように地名がつくことが多い。独特の香りがある。一般には赤カブは漬け物、白カブは漬け物のほか、煮物、ホワイトソース煮、汁の実、大きいものはふろふきなどにする。かぶら蒸しは、おろしたカブを白身魚などにかけて蒸す。菊花カブは子カブに細かい切り込みを入れて、菊の花に見たて甘酢に漬ける。カブを煮る場合、ダイコンより火の通りが早いので、煮すぎないように注意する。ゆでてから使う場合は、米のとぎ汁や米粒を入れた湯でゆでると、アクがぬけて白く仕上がり、甘味も増す。葉や茎も漬け物、炒め物、汁の実などに。葉は緑黄色野菜である。
春と秋に種をまくので、ほとんど1年中出回る。とくに初夏に出るものは新ゴボウと呼ばれ、やわらかい。買うときは、あまり太くないものを選ぶ。太すぎるのはスが入っている。また、洗ったものや、ささがきにしたものより、土つきのほうがゴボウ本来の香りがある。皮の近くに風味があるので、皮を除く場合は、たわしでこする程度にする。ゴボウはアクが強く、空気に触れると褐色に変わりやすいので、切ったらすぐに、酢を加えた水につけて、アク抜きをする。きんぴら、煮染め、たたきごぼうなどに。きんぴらは、さきがけにしたゴボウを油で炒め、しんなりしたら砂糖、酒、しょうゆを加えて炒り煮のする。歯触りが悪くなるので、水は加えずに、箸で混ぜながら中火で仕上げる。ゴボウは組織があらく調味料を吸収しやすいので、味付けはうすめに。千切りにしてゆでたものをドレッシングで和えたゴボウサラダは、若い人に人気がある。煮染めなどを正月のお節料理に加えるのは、細く長くつつましく生きることを願ったものといわれる。食物繊維が豊富な野菜。腸を刺激し便通をととのえる。
淡黄色の地下茎には辛味と食欲をそそるよい香りがある。英語でジンジャー。別名ハジカミともいうが、語源は、根の端が赤いからの「端赤」が転訛したものといわれている。根茎の大きさから大ショウガ、中ショウガ、小ショウガ、利用面から芽ショウガ、葉ショウガ、根ショウガなどの分け方があるが、後者のほうが一般的。芽ショウガは光をさえぎり新芽を軟化して30cmくらいに伸ばしたもの、葉ショウガは根茎の小さいものを茎葉をつけたまま収穫したもの、根ショウガは成熟した根茎を秋に収穫して貯蔵し、随時出荷するもので、土ショウガ、ひねショウガともいう。梅雨のころに出回る白い塊の根茎は新ショウガといい、根ショウガより辛味は少なく香気がある。芽ショウガ、葉ショウガは熱湯をさっとくぐらせてさまし、甘酢につけて酢どりショウガにし、焼き魚などの付け合わせに。新ショウガは甘酢や梅酢につけ、細切りの針ショウガにしてすしや焼き魚などに。根ショウガは、薄く刻んで肉や魚介類を煮るとき加えると、くさみが消える。生臭みの成分とショウガの香り成分が結合して、においがでなくなるため。おろしショウガは冷や奴、そうめんなどの薬味や、ショウガ酢、ショウガじょうゆとしてさしみや貝、カニなどに添えたり、肉や魚の臭み消しの下ごしらえなどに。ショウガの辛味成分には殺菌作用がある。昔からすしやさしみなど、魚料理のショウガが用いられてきたのはこのような意味がある。根ショウガは、よく洗って丸のまま、あるいはすりおろして少量ずつをラップフィルムに包んでフリーザーで凍らせておくと便利。保存用に丸のまま凍らせたものは、必要な量だけ凍ったまますりおろして使う。
品種が多く、種まきの時期も異なるため、四季を通じて出回っている。おろし、さしみのつま、酢の物、煮物、ふろふき、おでん、漬け物などに。ダイコンの辛味はダイコンの先端のほうに多い。この辛味は揮発性なので、早くからおろしておくと辛味がなくなる。おろしにするときは食べる直前に。おろしは小さい容器に入れて冷凍しておくと便利。辛味成分は加熱により甘味成分に変化するので、辛いダイコンほど煮ると甘い。おもな品種と用途の一例は、練馬系(煮物)、宮重系(青首ダイコンともいう。煮物・漬け物)、方領系(ふろふき・煮物)、三浦系(煮物・おろし・なます)、美濃早生系(煮物・浅漬け)、聖護院(ふろふき)など。はだが白く、しまりがあり、持ったときに重く、すんなりしているものがよい。葉を落として販売されているものが多いが、これは日持ちをよくするため。葉を全部つけておくと、根の部分が葉から多量に蒸発し、根のしなびが早い。
古代エジプトでは、タマネギをピラミッド建設の労働者に与えたといわれるほど栽培の歴史は古い。黄、赤、白色系の三種がある。黄色種は外皮が黄色く内部は白く、肉質がしまって、かたく充実している。一般にはこの黄色種がほとんど。生食、フライ、炒め物、オニオンスープ、煮物などに。赤色種はレッドタマネギ、紫タマネギといい、外皮や内部の各片鱗の表皮が紫紅色をしたタマネギ。輪切りにすると、白地と紫紅色が層になって美しい。辛味が少なく、サラダなど生食向き。白色種は辛味が少なく、水分が多いので、生食向き。ペコロス、プティオニオンとも呼ばれる小型のタマネギは、ふつうのタマネギを密集して植えて小型化したもの。丸のまま、シチューやカレーなどに。タマネギは貯蔵にたえること、品種により収穫期を異にすること、また、1〜4月の端境期には、外国から輸入もされるため周年出回っている。新タマネギは主として春早く出荷されるもので、辛味が少ない。肉質がやわらかく水分が多いので、貯蔵は困難。タマネギの臭いは、肉や魚のくさみを消し、料理の風味をよくするので、生のまま薄切り、みじん切り、すりおろして肉や魚の下味つけに。また、ソース類やサラダに混ぜて香辛野菜とする。タマネギを切ると出てくる刺激成分は、水にとけやすいので、水でさらすとやわらぐ。傷がなくてかたく、皮にツヤのあるものを選ぶ。芽がでたりブカブカしたものは避ける。球が肥大しはじめたばかりの葉つきのものは、葉タマネギという。葉は少しかたいが、葉ごと長ネギと同じように使う。
タマネギの変種。英語ではシャロットという。ラッキョウくらいの大きさで、褐色の皮に包まれている。においが強く、香辛野菜としてフランス料理によく用いられる。おろしたり、みじん切りにしてシチュー、ソース、スープなどの香味づけに。ピクルスにしたり、炒めて付け合わせにしたりする。日本では、ラッキョウの軟白栽培もエシャロットの名で市販されている。ふつう、葉を束ねて売られている。1955年ごろ静岡県でつくりだされたが、ヨーロッパのエシャロットに似ていたので、同名となった。生のまま、みそやマヨネーズをつけて食べる。サラダに混ぜてもよい。茎が白くツヤがあり、葉や茎が生き生きしているものがよい。
短根で濃橙食の西洋種と、長根で濃紅色の東洋種がある。近年はほとんどが西洋種である。西洋種はビタミンAのもとになるβカロチンがとくに多く、卵大の量で一日の所要量がとれる。煮染め、てんぷら、なます、白和え、サラダ、バター炒め、シチュー、カレーなどのほか、スティック状に切ってそのまま食べたり、すりおろしてケーキに加えたり、ジャムにしたりする。ビタミンC酸化酵素を含むが、切ったりおろしたものを、他の材料と混ぜる前に酢や酢じょうゆとあわせると酵素の働きは止まる。色が鮮やかで大きすぎないものを選ぶ。大きいのはスが入っていることがある。西洋種は皮がなめらかで根の先まで太いものがよい。ガンを予防するβカロチンを多く含む。食物繊維も多い野菜である。
ニンニクは世界各地で古くから香辛料や強壮剤として使われ、古代エジプトでは、ピラミッド建設の労働者にニンニクを食べさせていたといわれている。日本でも「古事記」などに、すでに大びるの名でニンニクが記されている。ニンニクは薬効のあることが昔から知られているが、スパイスとしても重要である。細かく刻んだものは、カツオのたたきの薬味に欠かせない。ニンニクを油で熱するとにおいが除かれ、かすかな甘味と香気が出るが、これを利用して中国料理では、刻んだりつぶしたニンニクを油で炒め、その香りを炒める材料に移して、料理の味や香りを引き立てるのに用いる。また、サラダをつくるとき、サラダボールの内側にニンニクの切り口をこすり、このなかにサラダを盛ると、かくし香りとして味や香りが引き立つ。そのほか、カレー、シチューハンバーグステーキなど多くの料理の味の引き立てに用いられる。但し、生のニンニクは、一度に多く取りすぎると胃腸への刺激が強く、胃炎や下痢を起こすことがあるので、注意が必要である。形が丸く、大きめで粒が揃い、かたくしまったものがよい。軽すぎるものは中身が少ない。保存は、暗いところにおくと芽が早く出るので、茎をしばるか網袋に入れ、風通しのよい日陰に吊しておく。
根茎を香辛料として用いる。ワサビダイコン、西洋ワサビともいい、フランス語ではレホール。根茎は長さ30〜50cmの太い混紡状で、色は黄白色。ワサビに似た辛味や香りをもつが、香りは弱い。なかは白いのですりおろしたものは白く、ローストビーフやステーキに添えたり、ドレッシングに混ぜたりして用いる。欧米ではホースラディッシュソースといって、ホワイトソースやマヨネーズ、生クリームなどをベースにしたソースに、すりおろしたホースラディッシュを加えてものが、魚介や鶏肉料理のソースとして用いられる。使うときは、頭のほうから必要な分だけ皮をむいてすりおろす。根の外側から包丁で細かく削り、たたいてから使うこともある。ワサビと同様、おろしたものは風味が逃げやすいので、使用のつどおろす。根部をおろして乾燥粉末にしたものは、着色して粉ワサビや練りワサビの原料にも用いられる。
品種により大粒のもの、小粒のもの、その中間のものがある。6〜7月に出回り、ラッキョウ漬けにはこの季節は見逃せない。俳句でもラッキョウは夏の季語。特有のにおいと辛味があり、用途は漬け物がほとんど。花ラッキョウには小粒種が適している。大粒種は、花ラッキョウ用には二年栽培して小粒にしている。買うときは、かたくしまってツヤがよく、粒のそろっているものがよい。茎の切り口が伸びているのは収穫後時間のたったものである。
ダイコンの仲間。種子をまいてから20日あまりで収穫できるということから、日本名は二十日ダイコン。しかし、栽培法によって三十日から四十日かかることもある。形は、丸形、長円形、紡錘形などがあり、外皮の色は、赤、紫、また上部が赤く下部は白いものなどがある。いずれも中身は白い。しかし、赤くて丸いものがほとんどである。細根を除き、花形などに飾りきりにし、氷水または冷水につけると、切り口が開いて美しく、また、歯触りもよくなる。塩水や温度の高い水では切り口が開かない、緑の葉が生き生きしているもの、根部がかたく、直径2cm内外のものがよい。
ハスの地下茎のこと。ハスともいう。早出しの新レンコンは7〜8月ごろ出回るが、もっとも多いのは11月〜翌3月。支那種、備中種、天王寺種など種類は多いが、店頭ではわからない。煮染め、酢レンコン、揚げ物、五目寿司、五目飯などに。熊本県のゆでたレンコンの穴に、ときがらしみそをあわせて詰め、豆粒と小麦粉の衣をつけて揚げたからしレンコンは有名。長く煮るとざっくりした口当たりになるのは、レンコンに含まれる粘物質のため。一方、酢などを用いると粘物質は粘性を失い、歯切れがよくなる。酢レンコンが歯ごたえがよいのはこのためである。皮をむいたり切ったら、アクで色が悪くなるのを防ぐため酢水につける。外皮がきれいで、太くまっすぐなものを選ぶ。芽に近い太い節は芽節とも呼ばれ、若くて味もよい。ふくらみが少なく節間の長いのや細いものは、古い節で風味もやや落ちる。正月のお節料理や祝い料煮に用いるのは、レンコンには穴があるので、見通しがよいとの縁起をかついだため。ビタミン類は少ないが食物繊維のよい供給源。
野菜として栽培されているおもな品種にオニユリ、コオニユリが、観賞用にできるものにヤマユリがある。ユリネは加熱するとほくほくとして、ほろ苦い風味とほんのりとした甘味がある。さっとゆで、アクを除いてから料理に用いるが、あまりアクのないものは、生から煮たほうが味がよい。形を美しく整えて姿のまま含め煮に。また片鱗を一枚ずつはがし、卵とじ、茶碗蒸しの具に。きんとん、茶巾しぼりにもする。さっとゆでて梅肉で和えたものは彩りも美しく酒の肴向き。鍋物にも使える。煮くずれしやすいので、加熱しすぎないようにする。
ワサビの根茎は香辛料として、すしやさしみ、また、そばや茶漬けの薬味などに欠かせないものである。根茎は表面がごつごつしているが、このごつごつは、根茎の葉が古くなって落ちたあと。ワサビは生長が遅く、苗を植えてから収穫までに約2年かかる。ワサビの特徴は特有の香りと辛味であるが、辛味成分は、根の下端より、中央部、上端のほうに多い。葉茎のついたほうから、目の細かいおろし器で、「の」の字を書くようにゆっくりおろすと、辛味が強く出る。サメの皮を板に張り付けたワサビおろしを使えば最高。すりおろしたものは辛味があまり持続しないので、必要な量だけおろす。買うときは、太くてみずみずしいものを。葉柄や茎に黒いスジのあるものはよくない。保存は、ぬれ新聞に包み、ポリ袋に入れて冷蔵庫で。
アメリカから入り、ネバネバしているので、アメリカネリの名もある。長さ5〜8cmの若いサヤを食用にする。表面のうぶ毛は塩でもむととれる。生のものを細かく刻み、しょうゆを加えてかきまぜると、トロロのように粘りが出てくる。これに削りカツオをかけたり、納豆とあわせて食べる。また、生のまますりおろしてもみ海苔をかけ、二杯酢やわさびじょうゆで食べてもよい。塩を加えた熱湯でさっとゆで、バター炒めやクリーム和えにしてもよい。オクラはスペイン語でガンボとういうが、アメリカ南部のニューオーリンズでは、オクラの粘りを利用したガンボ料理が盛んである。全体がピンとして緑色が濃く、ヘタもしっかりしているものがよい。大きくなりすぎたものは、サヤがかたい。種子を指先で押してみて、つぶれる程度のかたさならサヤもやわらかい。カロチン、カリウムが多い。
冬至にカボチャを食べる風習は江戸時代からのもの。野菜の少ない冬に、保存しておいた貴重なカボチャを食べたのであろうか。欧米でも10月31日ごろのハロウィンのお祭りでカボチャが使われる。もっとも、ハロウィンで使うのは、ポンキンという、主として飼料用のカボチャである。カボチャの種類は日本カボチャ、西洋カボチャ、それに形や色に変化のあるペポカボチャなどがある。西洋カボチャのうち黒皮のエビスは、日本カボチャと西洋カボチャの雑種で、ニュージーランドなどで日本の種子を栽培したものが、冬季に日本へ輸入されている。日本のカボチャは、ダシをきかせたうす味の含め煮や、肉詰め、てんぷらなどにあう。西洋カボチャのうま煮は、甘味をきかせてやや濃いめに。輸入品のペポカボチャは、西洋カボチャより水分が多く味が淡泊なので、スープやシチュー、また、フライパンなどで焼いて肉のつけあわせやパンプキンパイなどにする。種子はナッツとして利用する。緑黄色野菜の仲間でβカロチンが多い。油の働きがカロチンの吸収をさらに高める。
大分県特産のかんきつ類で、ユズの近縁種。原産地は大分県臼杵地方といわれ、12〜13世紀ごろ実生が発見され、改良を重ねながら栽培されてきたという。8月頃から緑色の果実が出荷され、11月頃になると黄色に色づいたものが出回る。露地、ハウス栽培もののほか、緑色のまま低温貯蔵したものも出回っている。果汁は酸味が強いので生食には不向き。香りがよいので果皮や果汁を料理に用いる。果皮はすりおろしたり、細かく刻んで、吸い物や吸い口やそうめんの薬味に。果汁は、湯豆腐、冷や奴、さしみ、鍋物の付け汁にしたり、焼き魚、揚げ物などにしぼってかけてもよい。薄切りにしてレモンのように紅茶やカクテルにも。保存はポリ袋に入れて冷蔵庫で。
熟すと黄変するので黄瓜といったのが「キュウリ」の語源という。漢字の胡瓜は、中国では西域から入ってきた瓜という意味で胡瓜と書いたことに由来する。かつては夏の野菜だったが、露地栽培、ハウス栽培のほか促成・抑制栽培などにより、年中出荷されている。品種には白イボ系と黒イボ系があるが、最近はほとんどが白イボ系。生で食べることが多く、サラダ、キュウリもみ、キュウリにもろみをつけたもろきゅうなどにする。中国料理では炒め物や煮物にもする。ぬかみそ漬け、ピクルスなど漬け物にも欠かせない。今のキュウリは保存性をよくした品種なので、皮はかたく、なかがやわらかいものがあり、生食より加熱処理したほうがおいしいものが増えている。以前は、ヘタに近い部分の苦味をとるのに、切り口をこすりあわせたりしたが、今は品種改良により苦味はほとんどない。キュウリには利尿作用がある。ビタミンC酸化酵素を含むが、酸性にあうと、その働きは弱くなる。刻んだおろしキュウリは、先に酢や酢じょうゆとあわせてから他の野菜を加えると、ビタミンCの損失は少ない。茎から切り口に近い部分を押さえてみて、フカフカしているものは、日のたったものでスが入っている。花つきの小型のキュウリは花丸キュウリ、花つきキュウリといい、さしみのつまなどに用いる。
トウガラシのうち、辛味のない品種の一つ。略して「シシトウ」とも呼ぶ。トウガラシは通常、果実の先端がとがっているが、このトウガラシは先がとがらず、凹凸があって獅子の顔に似ているので「獅子」という品種名がついた。市場に出回っているのは、長さ5〜6cmになった未熟果。それ以上大きくなると色が赤くなり、肉質もかたくなる。丸ごと焼いたり油で揚げると膨張して皮が破裂するので、串で表面に穴をあけるか、包丁で一本切り目を入れておく。カロチン、ビタミンC、カリウムが多い。
原産地はメキシコで、細長い形状の果実は19世紀後半のイタリアで改良されたもの。形は太めのキュウリに似た円筒形をしているが、カボチャの仲間。果皮はなめらかで緑色と黄色の二種がある。なかの肉質は白色。開花後4〜5日目の長さ20cmぐらいの未熟果を収穫する。完熟させると種子もかたくなり、大きいものでは1mにも成長してしまう。生食はできない。果肉はきめが細かく、加熱すると口当たりがなめらかになる。皮ごと輪切りにして炒め物、フライ、煮込みなどに。味にクセがなく、肉やトマトとよくあい、イタリア料理では肉とのトマト煮込み、チーズ焼きなどに用いられる。
徳島県特産のかんきつ類。日本原産で、この地方では江戸時代後半から栽培されており、江戸時代の終わり頃には、阿波の名産品として上方や江戸に送られていたという。露地もの、ハウス栽培もののほか、冷蔵ものもあり、ほとんど1年中出回っている。10月下旬頃になると熟して橙色になるが、未熟な緑色のほうが酸味、風味ともすぐれている。果実がかたく、濃い緑色で重みのあるものを選ぶ。松茸と相性がよく、焼き松茸や土瓶蒸しには欠かせない。また、サンマ、アユなどの焼き魚にしぼりかけたり、湯豆腐などの鍋物の付け汁にすると、風味が引き立つ。薄い輪切りにして紅茶やカクテルにしても風味があう。果皮はすりおろしてそうめんの薬味やさしみ、冷や奴に添える。ポリ袋に入れて冷蔵庫で保存する。
果実はスイカのように大きく、丸形、長楕円形などがある。未熟なあいだは透明な毛が密生しているが、成熟すると毛がなくなり、白い粉をつける。夏が旬だが、冬まで貯蔵がきくので冬瓜の名がついた。また、以前は、冬に種子をまいたからという説もある。たて二つに割り、種をとり、皮をむいて用いる。加熱すると半透明になる。味が淡泊なので、ダシをしっかりとって煮汁をつくること、うま味をもつ動物性食品を加えた料理にすることなどがコツである。薄味で含め煮にして、とりおぼろやエビそぼろのあんかけに。汁の実にもよい。中国の広東料理では、トウガンの上部を切って中身をくりぬき、なかに種々の具とスープを入れて丸ごと蒸す料理が有名である。中身の味がトウガンの果肉にしみこんで味がよい。皮には絵や字が彫刻される。
トウモロコシは用途により品種が分かれているが、野菜として食要されているものは、甘味種の完熟前のやわらかいもの。地方によりトウキビ、ナンバキビ、ナンバなどともいう。粒の色は黄色一色から、近年は、黄粒と白粒が3対1の割合で混ざり合ったバイカラーコーンが主流になっている。この品種は、従来のものよりやわらかくて甘味も増し、食べたときに歯につかないのが特徴。トウモロコシは収穫後の変化が早く、とくに甘味が減少し、果皮がかたくなる。湯を沸かしてからトウモロコシをもいできてゆでたものは最高の味だが、一般には、できるだけ鮮度のよいものを求め、早く食べることである。ゆでたり焼いたりして食べるほか、ゆでてから粒をほぐしとり、スープ、クリーム煮、野菜炒め、サラダなどに。6〜8cmの未熟な若い穂を芯ごと収穫したものはヤングコーンといい、ゆでて、サラダや中国風の炒め物、煮込みもの、スープなどに使う。
桃色系は赤色系に比べ、においが弱く酸味も少ないが、畑で十分成熟させると輸送中に実が割れやすい。そのため青いうちにとり追熟させていたが、畑で成熟後収穫しても果肉がいたまない品種が開発され、これらが多くなっている。小型のミニトマトには、真っ赤で球形のもの、赤や黄色の洋なし形などがある。また糖度を高くしたフルーツトマトと呼ばれるものもある。生食では、冷たく冷やして食べるほか、サラダ、サンドイッチに。トマト特有の青臭いにおいは肉や魚の臭み消し、酸味やペクチンは脂肪の油っこさを消す働きがあるので、シチュー、ミートソースなど肉類との煮込みにもよい。外皮は、熱湯にさっとくぐらせるか、ヘタの部分にフォークなどを刺して、ガス火でさっと全体をあぶり水に放すと容易に薄皮がむける。ヘタがピンとして、傷がなく、実のかたくしまったものを選ぶ。角張った形のものは種子が離れて空洞になったものが多く、味がよくない。未熟で青みのあるものは常温で追熟するとよい。カロチン、ビタミンCが多い。
皮の色はナス紺といわれる紫紺色のものが多いが、緑色、白色の品種もある。形は品種により球状(丸ナス)、卵形、大長形、細長形(長ナス)などがある。抑制栽培、ハウス栽培などにより、一年中出回っている。切るとアクで色が悪くなるので、料理によっては水でさらす。煮物、てんぷら、汁の実、焼きナス、しぎ焼き、みそ炒め、グラタン、スパゲティー、各種漬け物などに。油と相性がよい。加茂ナス、米ナスは、とくに肉質が緻密でやわらかく、しぎ焼き、田楽などに適している。皮の紫紺色はアントシアン系の色素。漬け物にするときは、焼きミョウバンや古い鉄釘を加えると、赤く変色せず紫紺色が安定する。皮に傷がなく、色が濃く、皮にツヤと張りのあるものを選ぶ。
未熟果が野菜として食用になる。表面に多数のイボがある。未熟なときは淡緑色や濃緑色だが、熟すと黄赤色になって先端が裂ける。なかの果肉は甘く、食べられる。ニガウリの名は苦味があるため。別名ツルレイシは、表面のこぶが果物のライチに似ているから。沖縄や南九州では古くから食用され、沖縄ではゴーヤ、鹿児島県ではニガゴイと呼んでいる。ビタミンCを多く含む。露地ものは夏に出回り、苦味が食欲を増すので、古くから夏バテ防止によいとされてきた。今は施設栽培などで周年出回っている。たて二つに割り、苦味の強い種子とワタの部分をスプーンで深めに削って除いてから薄切りにして用いる。このままでは苦味が強すぎるので、ふり塩をして水気をしぼったり、さっとゆでたり、炒め物では、さっと炒めて油を捨て、改めて炒める。沖縄のものは苦味が少ない。酢の物、和え物にしたり、肉や野菜とともに炒める。沖縄の代表料理ゴーヤチャンプルは、ニガウリと豆腐の炒め物。
開花当日に収穫した花のついたままの小型のキュウリ。黄色い花と若い実の緑色のコントラストが美しい。花つきキュウリともいう。実の部分を塩でこすり、熱湯にさっとつけて色出しし、さしみのつまなどに用いる。
トウガラシのうち、中型〜大型で辛味のないものを一般にピーマンといっている。英語での品種名はスイートペパーで、一般には野菜のトウガラシという意味でグリーンペパーと呼んでいる。大きさや肉の厚さから、中型でやや肉厚の品種、また、それより小型でやや細長く肉が薄くてやわらかい品種、肉厚で大型のベル系がある。ベル系は、さらに熟して赤くなるもの、黄色くなるものがある。紫黒色もある。皮がつやつやし、実のふっくらしているものが良品。ピーマンはヘタのところからいたんでくるので、その部分をよく確認して選ぶ。炒め物、揚げ物、鉄板焼き、ひき肉詰め、素焼きにして、しょうゆをかけたり、サラダなど広く利用できる。みそや油とも相性がよいので、炒めてみそ味で仕上げるのもよい。ベル系は甘味があり、青臭さがないので、生のままサラダにすると彩りが美しい。煮込みもの、肉詰めなどにもよい。紫黒色のピーマンは加熱すると緑色になるので、彩りは生のままがよい。ビタミンC、カロチンが多い。
日本各地で栽培されているかんきつ類で、中国が原産地。7月ころから出回る未熟な果実は、青柚あるいは青ユズ、成熟したものは黄ユズと呼ぶところもある。果汁は酸味が強く果皮は香りが高いので、多くは料理の酸味、香りづけに用いられる。青くて未熟な果実は果皮がかたいので、すりおろして冷や奴やそうめんの薬味にしたり、果汁は焼き魚や揚げ物にしぼりかけたり、鍋物のタレなどに使う。成熟して黄色になった果実の外皮は厚くてやわらかいので、薄くそぎ切りにして吸い物の吸い口や、刻んだりすりおろして料理にふりかけて用いる。ユズを使った料理も多い。ユズみそは、みそにみりんと砂糖を加えて混ぜながら火にかけて練り、すりおろしたユズの皮を入れたもの。温かいごはんに添えたり、これをダシでのばし、サトイモや豆腐の田楽みそにする。柚がまは、ユズを葉つきのほうから3対7の割合で横に切り落とし、中身をスプーンでくりぬき、このなかに魚介や野菜の和え物を詰め、ユズのふたを添えたもの。また、冬至には昔から風呂に入れてゆず湯にする風習もある。ユズの近縁種に花柚がある。この果実はユズにくらべ香りは劣るが、真っ白な花は芳香が高いので、吸い物や料理に添えて用いられる。
白色(ホワイトアスパラガス)と緑色(グリーンアスパラガス)がある。ホワイトアスパラガスは、発芽の際、土寄せをして白く軟化させたさせたもの、グリーンアスパラガスは、軟白させず地上に芽を出して生育させたものである。特有の香りと風味は、グリーンアスパラガスのほうが強い。ホワイトアスパラガスは、生の状態では保存性がよくないため、大部分は缶詰、瓶詰めに加工される。グリーンアスパラガスは露地もののほか、促成、半促成、また最近は輸入品などがあり、一年中手にはいるが、5〜6月のものがやわやかく味がよい。軸の元のかたい部分の皮を削り取り、塩を少量加えた熱湯でゆでる。軸の下のほうと穂先のほうではかたさが違うので、切り口から三分の一くらいをまず立ててゆで、少し火が通ってから、全体を鍋に沈めてゆでる。ゆで上がったら冷水にとってさまし、ざるにあげる。マヨネーズ、バター、レモン汁などをかけて食べる。サラダ、スープ、ゴマ酢かけなどにも。てんぷらやフライは下ゆでしなくてもよい。ごく新鮮なものは生のまま塩焼きにするのもよい。全体が鮮緑色で、太くまっすぐ伸び、穂先がかたくしまっているものがよい。アスパラガスは、生のままでは短期間で組織が変化して繊維質になりかたくなるので、新鮮なうちに加熱処理をする。保存するときは、ゆでてから2〜3%の塩水につけて冷蔵庫へ。一週間以上おくときはラップフィルムに包んで冷凍する。カロチンが比較的多い。
一般に多く出回っているのは、地下の室などに入れて光をさえぎり軟化栽培した軟化ウド。軟化ウドは促成、抑制などにより、ほとんど一年中市販されている。山ウドは、山野に自生したもの。盛り土をして茎の半分ほどを軟化したしたものも、市場では「山ウド」の名で出ていることが多い。特有の香りと歯触りを味わう。皮は繊維が残らないよう厚くむく。アクがあるので、皮をむいたらすぐに水または酢水につける。生でサラダ、酢の物、さしみのつま、汁の実などに。薄味で煮含めても香りがよい。厚くむいた皮は、細い枝とともにきんぴらに。切り口から先まで同じ太さで穂先がピンとしているもの、表面の白いうぶ毛がしっかりしてツヤのあるものがよい。茎の赤い斑点が褐色になったものは古い。
ウチワサボテンの茎のこと。リーフというが、サボテンの葉はトゲの部分で、食用にするのは、てのひらよりやや大きめの平たい茎である。サボテンの種類は多いが、食べられるのはウチワサボテンだけ。中南米では古くから食用にされていたが、とくにメキシコでは、日常欠くことのできない野菜の一つとされている。輸入されたもののほか、国産もある。表面のトゲを削り、塩ゆでしてから料理に使う。特有のぬめりと苦味があるが、苦味はゆでると抜ける。サラダ、バターソテー、肉との炒め物、ピクルスなどに。宮崎県のサボテンのピクルスは名物である。ステーキにしてもよい。
ニンニクは、葉が出た後花茎が伸びてその先につぼみをつけるが、この丸箸のような茎のこと。若い茎が食用となる。ニンニクの芽ともいう。ニンニクのようににおいは強くなく、おだやかな特有の香りと甘味があり、食べやすい。歯触りもよい。炒め物では、肉厚なので、酒やスープを少量加えて火をよく通し、やわらかく仕上げる。軽くゆでてから炒めてもよい。牛肉や豚肉、鶏肉などの細切りと炒めたり、ゆでたものを中国風のサラダや和え物にする。
キャベツの変種で、茎の根元が肥大して球状になり、カブのようになったもの。球茎カンランともいう。球状の上部や周囲から細長い葉柄が伸びてキャベツより小さい葉がつくが店頭では木の葉はほとんど切られている。球は緑白色と紅紫色のものがある。ビタミンC、カリウムが多い。外側のかたい皮をむくと、内部はカブに似て白く、水分が多くて甘味がある。生のまま薄切りや千切りにして薄塩をしたあと、三杯酢、甘酢、フレンチソース、マヨネーズなどで酢の物やサラダにすると歯切れがよい。炒め物、スープの実、煮込みようにも使える。
古くはヨーロッパで薬用、香料にされ、食用は17世紀ごろから。特有の香り成分はセリネンと呼ばれる。整腸剤・強壮剤としての効用がある。香りと歯触りに特徴があるので、必ず新鮮なものを求める。また、茎が太くて長く、肉質が厚く押してかたいものを選ぶ。全体が緑色のミニセロリは日本で改良されたもので、茎がやわらかく香りもソフトで食べやすい。セロリは生色の場合、冷水につけると歯切れがよくなる。スティック状に切ってそのまま食べるか、塩でモロミ、マヨネーズ、ビネグレットソースなどをつけて食べる。肉を使った煮物や炒め物に入れると香りも味もよくなる。葉や細い茎は、ブーケガルニ(香草束)としてスープや煮込み料理に。また、他の野菜と一緒に煮て裏ごししたものを、カレーやドミグラスなどのソース類のとろみの材料として用いる。
山野に自生するシダ類の一種。若芽は淡赤褐色の綿毛をかぶり、先端が丸く巻き込んでいる。晩春から初夏にかけて、この綿毛に包まれた若芽を摘み取り食用にする。ゼンマイの語源は銭巻で、若芽が硬貨のように丸い形を巻いているからといわれている。採取するときは、渦巻きの部分を指でつまみ両面が平らなものを。丸みのあるものは胞子葉で、食用にはならない。とりたての生を利用することもあるが、ふつうは、乾燥したものをもどしてから用いる。乾燥品は、水に入れて加熱し、沸騰したら水をかえて再び加熱することを2〜5度くりかえし、最後はゆで水につけたまま一日くらいそのままおき、あとよく水洗いする。市販品の多くは、これを水漬けにしたものである。煮物、白和え、炒め物などに。煮物は油揚げを入れるといっそう味がよくなる。生のゼンマイは、葉と綿毛を除いたやわらかい茎の部分を炭酸水素ナトリウムを加えた湯でゆで、さめるまでそのままおき、さめたら水にとって一晩おき、よく洗って使う。食物繊維を多く含む。
日本で食用されているタケノコの大部分はモウソウチクである。タケノコのうちもっとも大きく、味もよい。3月中旬〜5月上旬に大量に出回るが、加温栽培品もあり、これらはもっと早くから出始める。このほか食用となるものに、モウソウチクより遅く出回るハチクやマダケ、細竹のネマガリダケやホテイチクなどがある。新鮮なものほどやわらかく、えぐ味も少ない。掘ってすぐのものは、薄切りにして、わさびじょうゆでそのまま食べることができる。掘って時間がたったものは、かたさも増し、えぐ味も出てくるので、ゆでてから用いる。皮つきのまま穂先を斜めに大きく切り落とし、皮にたてに切り込みを入れ、米のとぎ汁、または、ぬかを入れた湯でゆでる。金串が通る程度にゆだったら、そのまま冷えるまでおき、皮をとる。部位によりやわらかさが違うので 使い分けるとよい。穂先のやわらかい皮は姫皮といい、細かく刻んで椀種や和え物に。穂先も同様に。調理法の一番多いのは中央部で、煮物をはじめ、揚げ物、炒め物などほとんどの料理に。かたい根元の部分は、細かく刻んで炒め物にしたり、すりおろして揚げ物などに。ワカメと相性がよく、煮物は若竹汁という。含め煮は、ダシで薄味に煮含める。市販のゆでタケノコを切ったとき、なかにある白い粒は、アミノ酸の一種のチロシンが結晶化したもので、食べても害はない。根元がみずみずしいものを選ぶ。低エネルギーで食物繊維を多く含む。腸の機能を正常化する働きがある。
ニンニクの若い茎と葉のこと。姿はネギに似ており、青葉と茎の白い部分を食べる。中国名はソワンミャオ。葉ニンニクの栽培には、葉専用の品種が用いられる。歯触りがやわらかく、においはニンニクのように強くはない。ネギやニラと同じように利用できる。肉や魚と炒めたり、ギョウザのあんなどに。刻んで薬味にもよい。中国料理の麻婆豆腐には、これをみじん切りかぶつ切りにして加えるのが本格的な作り方。
ニラのとうたちしたもの。茎と、その先についたつぼみを食用にする。中国から入ったものである。花ニラ専用として、花茎の立つのが早い品種が用いられる。葉ニラよりニラ特有の香りは弱く、かすかな甘味があり、歯触りがよい。ふつうのニラと同様、油炒め、浸し物、卵とじなどに。歯ごたえをなくさないように、炒めすぎ、ゆですぎに注意する。ゆで時間は熱湯中で30秒前後で十分。ざるにあけてさます。
古くから食用とされ、平安時代中期の「延喜式」にもその名がみられる。水ブキ、愛知早生ブキ、秋田ブキなどの種類がある。水ブキは山野にも自生しているが、市販されているものの大部分は栽培品。茎は淡緑色で、根元が赤く、やわらかで苦味が少ない。愛知早生ブキは尾張ブキともいい、天保年間に愛知の早川平左衛門が栽培していたものである。根元は赤紫色で、広く栽培されている。秋田ブキは秋田特産の大型のフキで、自生のほか栽培もされている。茎が長く、傘代わりになるほど葉も大きい。ほとんどは砂糖漬けにして菓子材料となる。香りとほろ苦味で食欲を促す。促成、半促成、抑制などの栽培法があるので、ほとんど周年出回ってる。皮付きのまま塩でもみ、さっとゆでて冷水にとってから皮をむくと、アクで手が黒くならない。また、強すぎる苦味もぬける。煮るときは、しょうゆや砂糖を控えめにし、香りを生かしてあっさり仕上げる。葉もゆでて水にさらし、アクを除いてからつくだ煮に。春先に出る花のつぼみはフキノトウという。
ネギの一種。リークともいう。フランス語ではポワロー。日本ではポロネギ、西洋ネギともいう。日本のネギと似ているが、葉はネギのように円筒形ではなく、扁平で、中空にはなっていない。カロチンを多く含む。葉の下部の太くて短い白い部分を食用にする。葉はかたくて食べられない。煮るとやわらかく、やや甘味があり、香気に富んでいる。タマネギに似たにおい成分が含まれるが、調理するとこのにおいは消える。白い部分だけを切り取り、やわらかくゆでてからサラダやマリネ スープに用いる。グラタン、クリーム煮、クリーム和えにもよい。
日本名はチョウセンアザミ。食用部分は、つぼみのガクの付け根と中央の花芯。つぼみは丸ごとゆでるが、まず茎の部分を除き、つぼみの上部三分の一ほど切り落とす。アクが強いので、塩、酢、レモン汁を加えた熱湯に入れ、30分ほどゆでる。つぼみは、タコ糸で十文字に結わえておくと形が崩れない。ゆであがったら、ガクを1枚ずつはがし、付け根の果肉にバターソース、マヨネーズなどをつけ、歯でしごいて食べる。最後に出てきた花芯もナイフで切り、ソースをつけて食べるが、花芯は、サラダ、グラタンなどにする。ガクが肉厚で青々と色がよく、全体がふっくらして、つぼみのよくしまったものがよい。花芯は缶詰の輸入品も市販されている。
食べられる花のこと。観賞用の花の中から、小型で毒性のない品種を選び、低農薬で栽培したもの。ラン、ミニバラ、ナスタチューム、カーネーション、マリーゴールドなど洋花が主。ほとんどが無味無臭。彩りとしてサラダ、ゼリー、アイスクリームや、魚、肉の料理に添えたり、カクテルや紅茶などに入れて用いる。
発芽したばかりのダイコンの双葉のこと。双葉が二枚貝の殻を開いたようなので「貝割れ」の名がある。ダイコンの種子を密集してまき、4〜6日ほどして双葉が出てきた頃出荷する。軸の長さは6〜10cmで、白い軸と緑色の双葉の調和が美しい。ピリッとした辛味と美しい彩りを生かして、また、軟弱な野菜なので、生で食べるのが一番。手巻き寿司の材料、各種料理の上から散らすなど、料理の飾りや味のアクセントとして用途は広い。汁の実に用いるときは、煮えばなにパッと入れてすぐ火を止める。加熱しすぎるとしなしなになってしまう。
キャベツから改良してつくりだされたもので、花野菜、花キャベツともいう。食用部分は、一見花のように見えるが、花ではなく、花らいが発育せず、花柄とともに肥大して花球となったもの。花球は乳白色が多いが紫色のものもある。味も香りもクセがなく、和洋中いずれの料理にも向く。ゆでてから用いるが、グラタンなどやわらかく仕上げたいときは塩を加えてゆでる。サラダなど形を崩さずゆでたいときは酢を加えると、白くコリコリとゆであがる。一般的には小麦粉、塩、酢を加えると、白くゆであがり、甘味も失われない。軸も薄く切ってさっとゆでると、甘味があり、サラダなどに適している。買うときは、開花していない、かたまりのよくしまったもの、表面が生き生きしているものを選ぶとよい。ビタミンCを多く含む。
キクの品種のうち、花を食用にするのを目的として栽培したもの。苦味が少なく、花をたくさんつけ、香りや歯触りのよい品種が食用ギクとして栽培される。料理ギクともいう。黄色い花の代表品種に阿房宮、淡紅紫色の代表品種に延命楽がある。延命楽は、見かけからの想像より食べてみるとおいしいというところから、産地の山形や新潟では「思いのほか」「もってのほか」と呼んでいる。花の小さいものはそのまま、大輪で花弁をばらばらにはずし、少量の酢を加えた熱湯でさっとゆで、冷水でさらす。酢の物、和え物、汁の実などにして、ほのかな香りと歯触りを楽しむ。生のままで花弁をほぐして、てんぷらの衣に混ぜても風味がよい。花弁を蒸し、干し海苔のように、板状にまとめて乾燥したものもある。これは、酢を少量落とした熱湯に入れて、ばらばらにほぐすと生花のようにもどる。
ウコギ科の落葉低木のタラノキの若芽のこと。4〜5月ごろの10cmくらいに伸びた若芽を摘み取り、食用にする。若芽の香りがウドに似ているのでウドモドキともいう。香りがよく味にクセがないので、山菜のなかでも王様格。挿し木により発芽させるハウス栽培も行われており、12月から初夏までのものはこういったもの。小さなトゲはゆでるとやわらかくなる。てんぷらにすると香りがよい。さっとゆでて、ゴマ和え、クルミ和え、またおひたしにもよい。加熱するときは、基部に十文字に切り目を入れると、火の通りがよくなる。カロチン、カリウムを多く含む。
もともとはアブラナの花をいったが、現在はコマツナ、シャクシナ、チリメンハクサイなどの花をまとめて「ナノハナ」と呼んでいる。ナバナ、ハナナともいう。花と、花のついている茎を食べる。ほぼ1年中収穫されているが、春先のものが味がよく、春の食卓に一度はのせたいもの。ややほろ苦く、独特の香りがある。花の開きすぎていないものを選ぶ。塩を少量加えた熱湯でさっとゆでてさましたあと、からしじょうゆ和えやマヨネーズ和え、おひたしなどに。汁の実、煮物にもする。カロチン、ビタミンC、食物繊維が多い。京都や滋賀の名物漬け物「花菜漬け」は、ナノハナを熱湯に通して塩漬けしたものである。
早春に地中から出るフキのつぼみ。うろこ状の包葉に幾重にも包まれたかたいつぼみを食用にする。特有の香りと苦味は春の到来を思わせる。丸々として、かたくしまったものがよい。生のまま刻んでみそ汁や吸い物の実に。焼いて練りみそをつけたり、てんぷらにしたり、ゆでて和え物にしてもよい。苦味の強いものは、熱湯でゆでて水でさらすとやわらぐ。野生種と栽培種がある。カロチン、カリウムが多い。
キャベツの仲間。食用部分は、小花の集まりの花蕾。イタリアンブロッコリーともいうが、これはイタリアで発達し、イタリア人が好んで食べたためといわれている。適当な小房に分け、塩を少量入れた熱湯中で手早くゆでる。3分から4〜5分が目安。ゆですぎるとべたべたになるので気をつける。ざるにあげてさます。冷水につけると水っぽくなるので、広げてそのままさましたほうが甘味も残ってよい。太い茎の部分も皮をむいてゆで、サラダにするとやわらかい。洋風だけでなく、浸し物、からし和えなど和風の食べ方もよい。買うときは、かたまりがこんもりと盛り上がり、緑色が濃く、黄色い花ののぞいていないものを選ぶ。つぼみが紫色がかったものは、低温で育ったためで、ゆでると緑色になる。カロチン、ビタミンCが豊富。
葉や茎の赤いタデの双葉を摘み取ったもので、芽タデ、赤芽ともいう。おもにさしみのつまに用いられるが、イカやヒラメなどの白い魚に添えると料理の色が引き立つ。
シソの花が咲き終わり、未熟な実のついた穂先を5〜6cmに摘んだもの。さしみやあらいの飾りに。このとき、穂先を手のひらにとってたたくと、香りが高くなる。てんぷらにしたり、実をしごいて薬味などにもよい。三分の一ほど開花した穂は花穂ジソといい、さしみのつまやてんぷらにする。
ミョウガは別名「忘れ草」とか「鈍根草」ともいい、昔からミョウガを食べると物忘れするという俗説がある。全草に特有の香りと辛味があり、花の咲く前の花蕾と軟白した若い茎を食用にする。前者を花ミョウガまたはミョウガの子、後者をミョウガタケという。花ミョウガは夏に出る夏ミョウガと秋に出る秋ミョウガがあるが、秋ミョウガのほうが香り、味ともによい。花ミョウガは生のまま刻んでさしみのつま、酢の物、汁の実、冷やしそうめんや冷や奴の薬味などに。ぬか漬け、甘酢漬け、てんぷらにもよい。買うときは、身のよくしまったもの、根元がほんのり赤みを帯びているものを選ぶ。ミョウガタケも花ミョウガと同様、そうめんや冷や奴の薬味、汁の実、また甘酢漬けにして焼き魚の添え物などにする。茎はあまり太くなく色は白く、茎を巻いている葉先が淡紅色のものがやわらかい。
シソの双葉が開いて本葉が少し出かけたもの。赤ジソの赤芽と、青ジソの青芽がある。紫芽のほうが、やや苦味が強い。さしみのつまや、汁物の吸い口に使う。
豆類のモヤシが主で、大豆モヤシ、緑豆モヤシ、ブラックマッペモヤシなどがある。ブラックマッペは緑豆の近縁の豆で、よく出回っているのはこのモヤシ。ほかに牧草の一種であるアルファルフモヤシなどもある。モヤシは、色が白くツヤのあるもの、太くてかたくしまったものを選ぶ。赤茶色に変色しているのは古いものなので避ける。しゃりしゃりした歯触りが特徴なので、ゆでたり炒める場合、加熱しすぎないよう注意する。少し生くらいでよい。根と種皮を除くのがていねいな方法。油炒め、かやし酢やゴマ酢などの和え物、鍋物、漬け物、みそ汁やスープの実などに。大豆モヤシをゆでるには、鍋にモヤシとひたひたの水、少量の塩を入れ、ふたをしてゆでると青臭みが消える。アルファルファモヤシは生のままサラダ、サンドイッチなどに。
大豆に対して小豆ともいう。豆が赤いことから重要視され、昔から赤飯などにして年中行事や儀式などで食べられてきた。赤い普通小豆、赤い大粒の大納言、白小豆などがある。白小豆は生産量がごく少ない和菓子用。吸水しにくいので、水にひたさず煮始め、煮だったらアク抜きのため、ゆで水を捨て、再び水を加え、やわらかくなるまで静かに煮る。途中でびっくり水といって、煮だっているときに差し水をすると、皮の組織がこわれて早くやわらかくなる。あん、汁粉、ぜんざいなどはこれに砂糖を加えて煮る。ゆでた小豆を粥に入れ小豆粥にしてもよい。ゆで小豆の缶詰もある。小豆にはサポニンという特殊成分が含まれ、これには水分の代謝を高める、皮膚の炎症を抑えるなど特有の作用がある。しかし、緩下性成分であるため、摂りすぎると下剤の作用があるので、適度な含量にするため、ゆでこぼしを行う。
古くから重要な食品とされ、節分の豆など大豆にまつわる行事や風習も多い。国産品もあるが多くが輸入品。種類は黄・青・黒大豆のほか、斑状のくらかけ豆などがある。黄大豆は一般に大豆と呼ばれ、大豆製品や一般料理用に、黒大豆は煮豆に、青大豆はゆでて削り節と割りじょうゆで食べるひたし豆やきな粉に。「畑の肉」といわれるように、良質なタンパク質を多く含み、必須脂肪酸やレシチンなどの脂質が豊富。大豆を一晩水にひたしたのち、やわらかくなるまでゆで、ゆで大豆にする。圧力鍋を使うと早く煮える。ゆで大豆は、そのまま食べたり、煮豆、五目豆、サラダなどに。すりつぶしてひき肉を少し加え、ハンバーグ風にしてもよい。ゆで大豆のほか、弱火でゆっくり炒って炒り豆としたり、炒り豆を熱いうちにしょうゆにつけたしょうゆ豆などに。ゆで大豆はポリ袋に入れて冷凍しておくと便利。
大豆の種子の未熟なもので、枝つきのまま用いるのでこの名がある。田のあぜに植えたのであぜ豆ともいう。枝豆用に改良された品種が多くあり、サヤが多くつく。サヤを塩でよくもんでうぶ毛をとり、水でさっと洗い、塩を加えた熱湯中でふたをしないでゆでる。火加減は豆が静かにおどる程度。ゆであがったらざるにあげ、さます。サヤの色が少し黄ばむくらい長めにゆでたほうが、豆に甘味が出る。そのまま食べるほか、サヤから豆を出し、わさびじょうゆで食べたり、ごはんに炊き込んで枝豆ごはんに。つぶして塩と砂糖で調味し、餅にまぶしたものは「じんだ餅」、「ずんだ餅」と呼び、東北地方の郷土料理。サヤにふくらみがあり、実のよく入っているもの、サヤの緑色が濃いものを選ぶ。枝つきのものは葉や枝の鮮度がよく、サヤが密生しているものがよい。黒豆の枝豆もあり、大粒でコクがある。ビタミンB1、カルシウム、食物繊維が多い。
水田で栽培され、地下にできた球状の塊茎が食用部分。塊茎の表面がうすい藍色のアオクワイが一般に栽培されている。塊茎の頂点には、翌春伸びるくちばし状の芽があるので、「芽が出る、目出度い」として、正月の料理や祝い料理に縁起物として利用されることが多い。芽のよく伸びたものが良品。ほろ苦味と甘味があり、成分のほとんどはデンプンである。芽の部分の薄皮を一皮除き、皮をむき、水にさらしてアク抜きをしてから用いる。えぐ味を除くには、ゆでこぼすか、水煮したあと冷水につけるか、または米のとぎ汁でゆでる。皮は、芽と反対の方向から芽に向かって包丁を入れるとむきやすい。含め煮が一般的。生のまま薄切りにして、油で揚げ、くわいせんべいにしてもよい。
皮の黒い大豆で、黒大豆ともいう。おもに煮豆や炒り豆に。黒豆にはアントシアン系の色素が含まれ、これは鉄と反応して安定するので、黒豆を煮るときは鉄鍋を使ったり鉄くぎを入れると色よく仕上がる。一方、アルカリ性で不安定になるので炭酸水素ナトリウムは用いないほうがよい。黒豆を砂糖と少量の塩、しょうゆでふっくらと煮たものも黒豆と呼ばれ、「マメに働く」にちなんで正月料理の一つとされる。煮方は、調味液に豆を数時間つけてそのまま煮る方法、豆をやわらかく煮てから砂糖を何回かに分けて入れ煮含めるなどの方法がある。煮上がったあとも煮汁が豆にかぶっていると、豆にシワがよりにくい。
むき身用エンドウの未熟豆をグリンピースと呼んでいる。むき身エンドウ、エンドウ豆ともいう。品種には、豆の緑色がややうすく、大粒で豆にかたさのあるウスイ、豆が濃緑色で、やや小粒のグリーントップなどがある。サヤに入ったものは、サヤがピンとして緑色が美しく、実のよく入ったものを選ぶ。むき身は粒の色や大きさがよく揃い、新鮮な緑色のものを選ぶ。むいたものは風にふれると皮がかたくなるので、できればサヤ入りを求め、むきたてを利用する。ゆでるときは、塩を少量加えた湯で。すぐざるにあげたり冷水につけると皮にシワがよるので、鍋に入れたまま水を細く流し入れ、ゆっくりとさましてから取り出す。市販の冷凍品は、冷凍前にブランチングといって軽く加熱してあるので、調理のときは加熱しすぎないように。炒めるときは凍ったまま用いて十分。牛ひき肉とともに煮て、しょうゆで味をつけて卵でとじると簡単に一品ができる。食物繊維を多く含む。
原産地はメキシコから中央アメリカにかけてで、紀元前3000年頃には栽培されていた。普及したのは、コロンブスの新大陸発見以降。江戸時代始めごろ中国から琉球へ伝えられ、唐イモとも呼ばれ、それが鹿児島へ渡り琉球イモとなり、さらに全国に普及してサツマイモと呼ばれるようになった。種類は皮が赤く、なかが薄黄から黄色の紅赤やベニコマチ、高系十四号、皮が黄褐色でなかが黄白色のコガネセンガンなどがあり、沖縄などにはなかが紫色のものもある。生のサツマイモをツルを切るとしみ出る白い粘液は、ヤラピンといい緩下作用をもつので、食物繊維の多いこととともに、便秘防止に役立つ。保存は13〜14度くらいで。低温では腐りやすいので冷蔵庫には入れないこと。焼き芋、蒸しイモ、煮物、きんとん、てんぷら、バター煮、スイートポテト、大学イモなどに。焼き芋や蒸しイモが甘くなるのは、サツマイモに含まれるデンプン糖化酵素のアミラーゼがはたらくからである。電子レンジで加熱すると酵素のはたらく時間がなく甘くならないうえ、冷えると黒くなる。きんとんや甘煮のように、サツマイモの色を美しく仕上げたいときは皮を厚めにむき、水につけてアク抜きを。”熱に強い”ビタミンCが豊富。
サトイモの名は、山にできるヤマノイモに対し、里にできるという意味。田にも栽培されることから田イモと呼ぶ地方もある。イモと呼ばれている部分は、地下茎が肥大した塊茎。中心にある大きな塊茎を俗に親芋と呼び、そのまわりに多数の小芋ができる。小芋用品種としては、土垂、石川早生、エグイモなどがあり、一般にサトイモと呼ばれているのはこれらである。親芋用品種にはヤツガシラ、タケノコイモ、親子兼用品種にアカメ、エビイモ、セレベスなどがある。皮をむいて手がかゆくなったときは、塩をつけてこすると、やわらぐことがある。洗って水気のついたまま皮をむくと、ぬめりが手につき、皮をむくときすべったり、手がかゆくなりやすいので、水気をよくふいてから皮をむくとよい。煮汁中にぬめりが出ると吹きこぼれやすい。ぬめりの強いものは、ざっと火が通るまでゆで、さっと洗ってから煮るとぬめりが出にくい。石川早生などの小芋を皮付きのまま蒸すかゆでたものが衣かつぎ。指でサトイモをつまんで押すと簡単に皮がとれる。塩、しょうゆ、わさびじょうゆなどをつけて食べる。カリウムを多く含む。
インゲン豆の若いサヤのこと。名前の由来は、江戸時代に中国から日本へ来た隠元禅師がもってきたからとされているが、隠元禅師がもってきたのはフジマメとする説もある。関西では「三度豆」ともいう。これは、種子をまいてから収穫までの期間が短く、年に三度とることができるということからのようである。料理には、いったんゆでてから用いることが多い。スジをとり、1.5%ほどの塩を加えた熱湯で手早くゆでる。おひたし、ゴマ和え、サラダ、バター炒めなどに。緑色がきれいなので、料理の彩りにも欠かせない。煮物やてんぷらには生のまま用いる。表面からみて凹凸の大きいものは、なかの豆が大きく成熟しており、こういったものは、サヤはかたくなっていることが多い。カロチンを多く含む。
エンドウのうち、若いサヤごと食べる食べるものをいう。サヤが小さいキヌサヤと、サヤが大きく幅広のフランス大サヤ、オランダなどがある。最近は、サヤと未熟な青豆をいっしょに食べるスナップエンドウという品種もある。スジをとり、1.5%ほどの塩を少量加えた熱湯でさっとゆでると緑色がきれいになる。ゆでたものは料理の彩りやバター炒めに。薄味に煮て卵でとじたり、汁の実にもよい。サヤが鮮緑色で、二つに折ってみて勢いよくポキッと折れるものが新鮮。カロチン、ビタミンCが多い。
フランス語でポンム・ド・テール(大地のリンゴ)という。これはジャガイモにはビタミンCやカリウムが多く、冬の野菜の少ないとき、野菜や果物に代わる食品とされるためと考えられる。品種は男爵、メークイーンが代表的。加工用のは雪白などがある。丸くて黄色っぽい男爵は粉質でホクホクとしているので、マッシュポテトや粉ふきいも、ベークドポテトなどに、長楕円形で皮がなめらかなメークイーンは、男爵よりデンプン質が少なく、よくしまり煮くずれしにくいので、煮物、揚げ物などにと使い分けるとよい。ジャガイモの芽や緑色の部分には、ソラニンという、わずかに有毒な物質が含まれているので、調理にはその部分を取り除く。皮をむいたり、切ったりしてそのまま放っておくと褐色になるのは、ジャガイモに含まれるポリフェノール系の色素が空気に触れて酸化したため。切ったらすぐに水につけること。カリウム、ビタミンCが豊富である。
エンドウの一種で、サヤと、そのなかの未熟豆をいっしょに食べる品種。1970年の終わり頃、アメリカから伝わった。サヤの色は深緑色で長さ7〜8cm。豆は緑色でグリンピースほどの大きさである。サヤエンドウと同様スジをとり、さっと塩ゆでして料理の付け合わせにしたり、油炒め、てんぷら、煮物などにする。スナックエンドウともいう。
緑色のサヤが空に向かって直立するように実るので「空豆」の名がある。「蚕豆」とも書くが、養蚕期にできるからとか、サヤの形がカイコに似ているからといわれている。出回り期は4〜7月。季節感の失われてきた野菜のなかで、ソラマメは比較的旬がはっきりしている。豆はサヤから出すと、すぐにかたくなるので、サヤつきを求め、調理直前にサヤから取り出す。皮に包丁で切り目を入れ、塩を少量加えた熱湯で、強火で3〜4分ゆでる。火通りが早いのでゆですぎに注意する。煮含めたり、てんぷらにしてもよい。外からみて豆の形が揃っているもの、サヤがきれいな緑色のものを選ぶ。ビタミンB1、B2、カリウムが多い。
空豆で作ったあんを小麦粉と米粉でつくった皮でくるみ、みょうがの葉で包んで蒸した素朴な和菓子、それが“みょうがぼち”。「ぼち」とは、岐阜の言葉で小麦を練ったものという意味がある。みょうがの葉が繁り出す5月下旬になると、岐阜地方の家庭で作られてきた。田植えや野良仕事の休憩には、あぜ路などにむしろを敷いて腰を掛け、家々でこしらえたみょうがぼちを頬ばったという歴史がある。
形は鈴状。ヘソの部分がとがり、全体がひよこに似ていることから、この名がついた。ガルバンソあるいはガルバンゾともいう。日本に輸入されているのは直径1cmくらいで白〜淡褐色。地中海沿岸からインドにかけて古くから栽培されている。ゆで方は、たっぷりの水に一晩ひたし、浸し汁ごと火にかけ、アクをとりながら、やわらかくなるまで煮る。煮くずれせず、味が淡泊なので、広く料理に使える。塩少量を入れて塩ゆでしたものは、そのまま食べたり、サラダの材料にする。また、ゆでた豆を裏ごししてスープにしたり、カレーソース、シチューなどにする。煮豆の缶詰もある。
ヤマノイモ、ナガイモなどヤマイモ属の植物の葉腋にできる小粒の肉塊。表皮は灰褐色で、その下に緑色の薄皮があり、内部は白い。外観は、ごく小型にしたジャガイモに似ている。10〜12月頃熟したものを採取する。出回り量が少ないが、季節感が味わえる食べ物の一つ。竹串に刺してつけ焼きにしたり、蒸してそのまま食べたり、汁の実にする。栗ごはんなどと同じように、うすい塩味をつけてごはんに炊き込み、むかご飯にするのもよい。蒸すときは塩をふりかけて。指でつまんで押し出すようにすると、皮がつるりとむける。
ヤマイモともいう。長い棒状のナガイモ、扁平でイチョウ形のイチョウイモ、げんこつのようなツクネイモ、細長いジネンジョなどがある。ぬるぬるした粘性物質は、タンパク質に多糖類の一種のマンナンが結合したもので、ムチンと呼ばれる。アク成分を含むため、空気に触れると褐変する。これを防ぐには、皮を厚くむき、すぐに酢水につけるとよい。イチョウイモ、ツクネイモなど粘りの強いものは、すりおろしてだし汁でうすめトロロ汁に。加えるだし汁はなま暖かいものを。熱すぎるとトロロの粘りがなくなり、冷たすぎるとトロロになじみにくい。また、すりおろしたトロロを卵にすりまぜ、マグロのぶつ切りなどにかける山かけや、すりおろしたものをてんぷらにする。フードプロセッサーを使うとすりおろしが楽であるが、ミキサーではできない。ナガイモなど水気の多いものはトロロには向かないが、粘りやアクが少ないので、短冊に切って和え物やサラダに。ヤマノイモの葉の付け根にできるイボ状のムカゴも食用になる。
形が平たく凸レンズ状なのでこの名がある。ひら豆、レンティルともいう。粒は直径3〜6mmほどで、色はオレンジ色、薄茶色、くすんだ緑色など。インドから地中海沿岸地域にかけて古くから栽培され、旧約聖書にはレンズ豆の煮物と引き換えに兄が弟に長男の権利を譲った話がある。豆を水に2〜5時間ひたし、やわらかくなるまで煮たものを、スープ、シチュー、カレーソース、サラダ、クリーム煮、グラタン、肉料理のつけあわせなどにする。ゆですぎないことが大切である。イタリアでは、レンズ豆をお金に見たて、ソーセージと煮て大晦日に食べ、新年にお金が入ることを祈る習慣がある。
大豆を吸水させ、水を加えながらすりつぶし、加熱してろ過した豆乳に凝固剤を加え固めたもの。使用する水で大きく味に差が出る。木綿の布で水切りした木綿豆腐、水切りせずに豆腐全体を固めた絹ごし豆腐、その中間のソフト豆腐、容器に豆乳を密封して再加熱して固めた充填豆腐がある。このほか、LL容器につめて十ヶ月保存できる豆腐もあり、便利である。木綿豆腐では丸大豆中の約70%のタンパク質と脂肪が残っている。水分が多いので、料理によっては水切りする。巻きすかふきんに包み、斜めにしたまな板にのせ軽く重しをするか、炒り豆腐のように十分に除く場合は、くずしてざっとゆで、ふきんにとる。木綿豆腐は湯豆腐、絹ごしは冷や奴、焼き目を入れた焼き豆腐はすきやき、田楽などに。そのほか、炒り豆腐、汁の実、麻婆豆腐、白和え、揚げ出し豆腐などに。アメリカで人気のあるメニューに豆腐ステーキがある。水切りしてフライパンで両面焼き、おろししょうが、フレンチマスタードとしょうゆで食べる。
豆腐を凍らせたのち乾燥したもの。高野豆腐、凍み豆腐ともいう。冷凍庫で大量生産されるが、長野県や東北地方の一部では、従来通り、冬の厳寒期に屋外で凍結、乾燥させた凍み豆腐がつくられている。タンパク質、脂肪が豊富。保存性が高いが、古くなると成分が変化し油臭くなるとともに口当たりがかたくなる。使用する際のもどしかたは、製品により違うので注意が必要。もどし不要のものが多いが、吸水させてから両手にはさんで押さえて軽くしぼるのを2〜3回繰り返すと風味がよくなる。含め煮は、やや甘めに調味したたっぷりのだし汁でゆっくり煮含める。含め煮にしたものを巻き寿司や五目寿司の具にしたり、てんぷらの衣をつけて揚げてもよい。
大豆を蒸し煮して納豆菌で発酵させたもの。塩辛納豆や甘納豆と区別して糸引き納豆という場合もある。日本で考案されたものだが、インドネシアやヒマラヤ地方にもテンペイという似た食品がある。原料大豆の栄養成分は納豆菌が生産する各種の酵素により分解され、消化吸収されやすい形になっている。さらに、発酵によりビタミンB2が多くなっている。粘質物はタンパク質の分解によるもので、うま味と風味を与えている。製造後も発酵が進むので、製造日の新しいものを求め、保存は冷蔵庫で。よくかきまぜて粘りを出し、薬味をまぜ、しょうゆ味で食べるのが一般的。薬味は刻みネギ、削り節、卵黄、練り辛子のほか、おろししょうが、青ジソ、あさつき、ヤマノイモ、みょうが、漬け菜、ゆずの皮、かまぼこなども相性がよい。ほかに、すりつぶしてみそ汁に加えた納豆汁、刻んで調味し、魚などを和える納豆和え、てんぷらの衣に納豆をまぜ、ひとさじずつすくって揚げるとおとし揚げ、餅とあわせる納豆餅などもよい。
豆乳を温め、表面にできたタンパク質の膜をすくいとったもの。豆乳に浮かぶ皮、浮皮(うわ)が語源ともいわれる。タンパク質と脂肪が豊富で、精進料理には欠かせない。すくいとったままの生ゆばと、生ゆばを半乾きのときにたたんだり巻くなどして成形し乾燥した干しゆばがある。黄色に着色したものもある。生ゆばはそのまま、干しゆばは、水かぬるま湯にひたしてももどし、ぬれぶきんに包んでおく。平ゆばは、ぬらしたふきんかペーパータオルに平らに包んでもどす。味が淡白なのでさまざまな料理に使え、京都などには、ゆばずくしの精進料理がある。含め煮、生シイタケなどとの炊き合わせ、椀種、すきやきのあしらい、春巻きの皮、唐揚げなどの揚げ物に。煮物は薄味でさっと煮上げるのがよい。生ゆばは、細く切り、ワサビで刺身風にして食べると味がよい。
こんにゃくいもは、じゃがいもと同じように種芋から増やすが、じゃがいもと違って2〜3年必要。まず、春に種いもを植えると新しいいもができ、そこから地下茎が伸び、秋には生子(木子:きご)というこんにゃくいもの赤ちゃんができる。この生子を収穫・貯蔵し、次の春に植え付け(1年生:15g)、秋に収穫したものを2年生(100g)、さらに次の春に2年生を植え付け、秋に収穫したものを3年生(600g)、次の春に3年生を植え付け、秋に収穫したものを4年生(2〜3kg)と言う。通常は3年生または4年生のいもを秋に出荷する。こんにゃくいもは低温に弱く、腐りやすいため、収穫から植付けまでの保管が難しい作物でもある。このいもから作られるこんにゃくに多く含まれる食物繊維(=ダイエタリー・ファイバー)は腸の働きを活発にし、体内の有毒なものを早く外に出すだけでなく、成人病・文明病・ガン等の発生を防ぐと言われている。こんにゃくはそのままでは固まることはない。固めるためには凝固剤を使用する。一般には、食用石灰、炭酸ソーダ、木灰汁(もくあく)などが使用されている。
市販品のほとんどは、おがくずに米糠を詰めた広口ビンで育てた栽培品である。暗室で育てるため、モヤシ状で白色をしている。形をまっすぐに整えるため、ビンの口には筒形に巻いた紙をはめて育てる。野生のものは、晩秋から春にかけて生え、傘は黄褐色で、傘の大きさも軸の太さも栽培品より大ぶり。栽培品は、色が白くピンとして、べとつきのないものが新鮮。1パック100g入りが標準である。石づきを切り落として用いる。歯触りが大切なので、加熱するときはさっと火を通す程度に。清浄栽培なので生でも食べられる。ノンカロリーでダイエット効果抜群。便秘にもよく効く。
原木にシイタケの菌を植えて栽培される。生と乾燥品がある。干しシイタケには傘が肉厚のどんこと薄肉のこうしんがあり、どんこのほうが味がよい。シイタケは乾燥により独特のうま味と風味が生まれる。うま味の主成分はグアニル酸。生、乾燥品とも血清コレステロール値を下げる因子のエリタデニンが含まれる。また、干しシイタケにはレンチナンなどの免疫性抗ガン物質が含まれる。天日で干したものにはビタミンDが豊富であるが、人工乾燥では非常に少ない。生シイタケを自分で日光下で干しシイタケにすればビタミンDができる。ビタミンDは骨の形成には欠かせない栄養素である。生シイタケはそのままさっと焼いてレモン汁をかけたり、椀種、鍋物、てんぷらなどに。干しシイタケは、もどして含め煮や五目寿司、炊き込みご飯の具などに。干しシイタケをもどすには温湯がよく、少量の砂糖を加えると風味がよくなる。煮るときは、とろ火で加熱すると香りが失われない。石づきは集めてダシに利用する。
代表的なものはホンシメジ。俗に「匂いマツタケ、味シメジ」といわれる味のよいキノコだが、栽培できないので、一般には出回っていない。通称「ホンシメジ」として市販されているのはシロタモギタケというシメジで、大量に栽培、出荷されている。また、通称「シメジ」あるいは「○○シメジ」として市販されているのは、ヒラタケの栽培品であることが多い。なお、これら市販品には、最近は本名表示のものもある。一般に市販されているシメジは、汁の実、バター炒め、煮物、てんぷら、卵とじ、キノコ飯などに。
ナメタケともいう。日本特産。茶褐色で表面は粘液におおわれている。秋にブナ、トチなどの古木に生えるが、近年は栽培品が多く出回っている。採ってから4〜5日しかもたないので、瓶詰めや缶詰にされていることが多いが、生のものも市販されている。生は傘が十分開ききっていないもの、肉厚で粘液の多いものを。汁の実、酢の物、おろし和え、鍋料理、雑炊、そばなどに。つるりとした舌触りと歯切れが特徴。ナメコ汁はナメコと豆腐を実にして、白みそ仕立てに。
深山のナラやクリなどの老木の根元に生える大型のキノコ。枝分かれしたキノコが重なり合い、舞っているように見えるのでこの名がある。また、このキノコを見つけると、うれしくて舞い上がるところから名づけられたともいう。とくに東北地方では昔からよく食べられてきた。秋に採れるが、現在は栽培品が多く、ほとんど周年出回っている。傘の表面の色は灰白色、淡灰白色、褐色など。肉は白色で歯ごたえがあり、香りがよい。バター炒め、てんぷら、汁の実、炊き込みご飯、煮物、湯通しして酢の物などに。
秋に赤松林などに天然にできるものを食用にする。10月頃が出盛り。韓国やカナダからの輸入も多い。傘が中開きで裏が白いもの、軸に弾力があり香りの高いものを選ぶ。香りが生命なので、調理のとき熱を加えすぎないこと。洗うときも表面のやわらかい皮を落とさないよう、ぬれぶきんで軽くふくか水で軽く洗う。乾くと香りがなくなるので、ぬれぶきんで包んでおく。直火焼きにして手でさき、スダチやポン酢と少量のしょうゆで食べる焼きマツタケが香りを楽しむ素朴な食べ方。アルミ箔に包んで蒸し焼きにしても香りがよい。吸い物の実にするときは、特有の歯触りと形を生かすため、あまり小さく切らないように。マツタケを入れたら、さっと煮立ててすぐ食べる。土瓶蒸しは土瓶にマツタケと白身魚、三つ葉などを入れ、吸い物程度に調味した汁を加えて蒸す。ユズかスダチの半切りを添えて。マツタケ飯は薄切りのマツタケを入れ、酒、塩、しょうゆで調味して炊く。
フランス語でシャンピニオンという。通称マッシュルームと呼んでいるのは、栽培種のツクリタケであることが多い。日本では白色種が多く出回っているが、ほかに淡黄色種、褐色種などがある。褐色種は「ブラウンマッシュルーム」と呼ばれ、白色種より味が濃く、保存性がよい。マッシュルームは肉が厚く、味はあまりないが、サクサクした歯触りが特徴。茎が短く肉質のしまったものが新しい。とくに白色種は、傘の表面がすべすべし、傘も茎も白色か淡黄色のものが新しい。傘の裏側が黒褐色になったものは歯触りが悪い。切り口が短時間で褐変しやすいので、手早く調理することが大切である。褐変を防ぐには、レモン汁をふりかけたり酢水をくぐらせるなど、酸化酵素による褐変発生を酸で止めると色がつかない。石づきをとって水で洗い、バター炒め、スープ、クリーム和え、煮込み物、オムレツ、グラタンなどに。生のまま薄切りにしてサラダにしても風味がよい。水煮した瓶詰め、缶詰もある。
別名、カオリヒラタケ、ミヤマシメジとも呼ばれる。マツタケに似た歯ごたえが楽しめて、アンズに似た香りがあり、歯切れ香りともに良く、日持ちするのが特徴。比較的栽培しやすいので、各地で商品化が始まっている。他のきのこ同様にローカロリーでビタミンB1、食物繊維が豊富。手で大きく裂いて、テンプラにしたり、網焼きにしたり、バターソテーなどにすると美味しい。イタリア料理やフランス料理には昔から使われている。和・洋・中どんな料理にもマッチする。